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中山七里の新作ということで、いつもどおり、すらすらサクサク読めました。オチがちょっと物足らない気もしましたが、そこに至るまでの展開は十分な読み応えで通勤電車のお供にはぴったりです(時間を忘れさせる、という意味で)。
ネットの中傷が人命を奪った、というと芸能人の事例を連想してしまいますが、そういったものにもヒントを得ているんだろうなあと思わせました。
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結局天空橋の殺人犯も市民調査室と同じ人?なんか芸能人の薬物のタレコミとか結局誰が?なんのために?とハッキリしないことがあってスッキリせずに終わりました。こういう犯罪は今たくさんあるんだろうなあ。
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SNSの恐ろしさを再認識する。
アカウント名は『市民調査室』。
その発言は多くの人に影響を与え彼を教祖の様に崇める輩が続出。
正論の中にフェイクを交え、ネットの海を巧みに泳ぐさまに胡散臭さしか感じない。
デマはフォロワーが拡散する事で事実にすり替わり、何の罪もない人達が追い詰められていく。
サイバー犯罪対策課の延藤と共に、なかなかボロを出さない『市民調査室』なる人物を追い続けた。
匿名性を盾にしたSNSの誹謗中傷の数々。
言葉は使い方次第で凶器へ変わる。
顔が見えなくても向こう側に同じ人間が存在する事を忘れてはいけない。
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本作品は警視庁サイバー関係に特化した部署のお話。私の記憶によれば、これまでのシリーズものではないものと思われる。今までの作品と同様に、「警視庁サイバー犯罪対策課」は実在のもので、2011年に「ハイテク犯罪対策総合センター」から格上げされた。しかし、ハイテクって言葉を久々に聞いたな。
サイバー関係のテレビドラマだと、ビルの一室に多数のコンピュータと大型マルチディスプレイ、警察関係の秘密事項をハッカーのごとく不正入手、大物政治家の出世の道具など、既にサイバーのイメージが出来上がっている。本作品もその流れをひいているが、その規模はちょっとショボい、ショボすぎる。これでは捕まるべき犯人も逃してしまう。実際、老舗旅館の夫婦も風評被害で自殺する羽目になった。サイバー関係部署の刑事がコンピュータの知識が部下任せというのもちょっとひと昔の話。ただ、従来スタイルの刑事がいるからこそ話は面白く、自然に作品に引き込まれていくのだろう。本作品でも都合の良い部下が主人公の延藤刑事をサポートしてくれる、ふふふ。
最初、(乃木坂で)インフルエンサーという言葉を聞いた時、インフルエンザの間違いじゃないと思ったが半分当たっていた。実際に、私もインフルエンサーからインフルエンザを貰って、それが至近距離だったので一発で死にそうになった。内容にも依るが、それだけインフルエンサー「市民調査室」の影響は強力だ。私の場合は、綽名や意識的な誤変換を多用することで一般人の検索から逃れている。記事の貼り付け方や安易なりポストは危険で直接網に引っかかってしまいやすいので避けるべき。この様な対策を怠るといいね・りポストが跳ね上がり一気に人の知れることになってしまう。ネット知識の無いフォロワーは実際に問題を起こしており、告発される人も最近では多くなってきた。本作品はこの様な社会現象に一石を投じることを念頭に置いて書かれたと思うが、何度も言うけど題材・操作方法がショボい、ショボすぎる。
さて、恒例の中山七里との(犯人当て)勝負だが、今回も勝ちました。どんでん返しを最後の最後まで、引き延ばせば引き延ばすほど、犯人の確信度が上がっていった。結構前の段階で伏線が散らばっていたのも珍しい。
「市民調査室」の最後の獲物である帝王製紙。これは実在する大王製紙のこと。社長が子会社から莫大なお金を違法に集めて、ラスベガスのカジノでバカラ賭博によりお金を溶かしたのは実話。社長の名前を変えただけのコピペ案件で、甘利にも生情報過ぎるのが残念だった。
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身近なテーマと読みやすい文章でページをめくる手が止まらずあっという間に読了。
AIが進化し、フェイクニュースもどんどん巧妙になっていくから、迂闊に拡散などしないようにしなければ。主人公の融通のきかなさに逆に好感がもてた。
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又月1出版に挑戦しているのだろうか異常に早い出版、それに絡新婦なんて字読めないよ、更に今回は難読文字の出現がおびただしい。今回はサイバー犯罪という新しいジャンルの物語ではあるが結末はありきたりで何じゃそらという感じ、最近はちょっと粗製乱造が酷いんじゃないの、これじゃ中山七里の限界が感じ始められた気がする。株価操作なんて言うのもちょっと陳腐だったし、新登場した延藤刑事にもあまり魅力は感じなかった、本作は単品として終わってしまいそうだ、もう少しじっくりと作品作りをしてほしい。
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SL 2024.1.20-2024.1-22
インフルエンサーの発した情報で人生を潰される人たち。サイバー犯罪対策課の刑事が主人公。
現代の闇とも言うべきSNSによる無責任で無自覚な犯罪。犯人はけっこう早い段階でわかってしまったし、現実的とはいえなんか暗澹たる気持ちにさせられる内容だった。
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昨今問題となっているSNSを巡る事件。
インフルエンサーはもとより、便乗する人たちの気が知れない。自分や他人を盲信できる人、盲信したい人の狂気にゾッとする。理由があれば他人に石をぶつけてもいいと思えることにも同意しがたい。当事者ですらないのに。(当事者ならいいとも思わないけれども、まだ理解はできる。)
別シリーズだが、某弁護士には彼らのような人たちへの損害賠償請求を頑張ってもらいたい。
途中、宮藤刑事や葛城刑事の名前もチラ見えして、ちょっとにやける。
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インフルエンサーのフェイクにより老舗高級旅館の老夫婦が自殺。保険金で借金完済。刑事が捜査開始。これまでの投稿を見るとフェイクではなく事実もある。捜査内容が漏れている。
刑事の捜査がフォロワーに近づくと刑事のフェイク画像が投稿。写真が撮られた角度から同僚刑事が怪しい。証拠がない。ツイートした日と株の空売りした日の一致だけ。家宅捜査をすればわかる
ので自白。FXで失敗してインフルエンサーになり株価捜査をした
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SNSは使い方ひとつで便利なツールにも凶器にもなる。自己満足でしかない承認欲求や狭量で幼稚な正義感。デマに踊らされ誹謗中傷を繰り返している人たちが、まがい物の正義の仮面をかぶっているからなおさら質が悪い。人ひとりの人生なんていくらでも変えてしまえることを改めて考えなければならないと思う。『市民調査室』というインフルエンサーを追い詰めていくサイバー犯罪対策課。もっと凶悪な何かが存在するのかと思ったけれど、昨今は「そんなことで?」と思う事件が多々 あるしね。
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謎のインフルエンサー市民調査室によるラーメン屋食レポ、アイドル俳優の薬物使用、大学理事長の使用する高級外車疑惑。市民調査室はまだ捜査機関も発表してない案件をSNSに上げて信仰にも似た支持者を集めていた。
通勤電車で読み始めたが、あっという間に70ページも読んでしまうほど、事件の展開が意外な方向から始まりながらも、流れの良い読みやすい文章は読み手をグイグイ引き込んでいく。
使い方を悪用すると抗う事が難しいネット世界と絡新婦の蜘蛛の巣がダブルミーニングとなり、サイバー犯罪対策課の延藤の苦悩は読者の共感をさらに強くしていった。
面白かった。
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2024-026
現代の問題をよく捉えていると思う。最近の芸能人の問題もそうだけどインターネットが普及して、誰もが情報を発信することができるようになって、早く情報を大量に得られる時代になった。30年前はテレビが主流だったのに。テレビが全て正しいわけじゃないけど、インターネットの情報を利用するときには、マスメディア以上に情報を正し車扱う必要があると思う。
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作者にありがちな、掴みはいいが後半に失速する一例。
ネットのカルト教祖、株価操作、FXでの借金、身内の犯人など、よくある展開にみえる。
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SNS時代に一石を投じる、といったような作品。
ミステリ慣れしている人には、犯人は秒で分かると思うけれども、炎上、フェイクニュース、コラ画像などなど、現代のネット社会が抱える問題を盛り込んでいるあたりは良かったなーという感じ。
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ネットで「市民調査室」と名乗る人物は、魅力的な投稿により多くの熱狂的なフォロワーに支持されていた。しかしその「市民調査室」の投稿により死者が出たことで、警視庁サイバー犯罪対策課が動くことに。ネット上で軽率な行動を取ることの恐ろしさを戒められるミステリです。
今の時代、ネットと無縁で生きる人などほとんどいないと思えるので、これは誰にとっても心得ておかなければいけない「常識」なのかもしれません。だけどネット上の多種多様な情報の中から真偽を見分けるというのは簡単じゃないし、何よりもとても面倒、だから深く考えることなくあっさり信じてしまう……ということはありがちなことでしょうね。そしてそれが「悪」なのかどうかといえば恐らくそうではない。ただそれを無責任に広めてしまうとどういうことになるのか、そこまで想像しなければいけないんですよね。
今回のこの事件、いちばん恐ろしいのは犯人「たち」に罪の意識があまりに希薄なことでした。そりゃあ明確な悪意があったわけではないんだよな、というのは分かるのですが。それでまかり通ることではありません。さらに主犯である「市民調査室」の罪の意識もまた薄っぺらくて、なんだかやりきれなくなってしまいました。ネットが悪というわけではなく、使う人の意識次第なのは当然ですが。こういう問題は、現実でもありふれてるからなあ。本当に怖い。ネットから距離を置いてしまったあの人の気持ちがわかります。