紙の本
生命を明確に定義できない難しさ
2023/07/13 15:29
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
生命と非生命との境界は不鮮明であり、グラデーションのようであってどこかに境があるように見えるために、数世紀にわたり、科学者は追求している。読み終えて、成功した事例だけを知っていたのでは正しく判断できないことに気づける。しかし、「生きている」とは本当にどういうことだろうか。それは問う目的により、答えが変わるのかもしれない。
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生命とは、という観点で科学的な面や哲学まで視野を広げ現時点でのわかるところまでが書かれている。結論が確定したわけではないが興味深い歴史である。
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面白い。「生きている」という自明のように思える現象を歴史的な考え方から最新の議論までを含むさまざまな角度から描き出していく。その結果は・・・?
読めば読むほどにこの本を読んでいる自分が生きているとはどういうことなのか不思議になってくる。
一方で生命の素は意外とシンプルな材料と環境と時間があればできるのかもしれないとするとこの宇宙には数え切れないほどの「生きている」何かが発生していておかしくはないのだろうとも思える。(それはこの本の主題とは関係ないが)
幅広い調査とそれを無味乾燥にならず、かつ科学史の人間ドラマにもとどまらない形でこのような読ませる構成でまとめ上げる著者の力がすごい。
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生物とは、という疑問にずっと答えるような実験や観察を書いた本である。筆者が科学ジャーナリズムということで、ひとつの研究を深く書いていくことはなく、多様な研究を引用して面白く書いている。
したがって、生物学に全く興味がない学生も、あるいは高校生も面白く読むことができるであろう。
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生と死の境界線。実験室で育てられるオルガノイド。古代地球での生命の発祥。宇宙での生命探索。ウイルスや赤血球といった「半生命」について、などなど。タイトルに偽りなく、「生きている」という現象に惹きつけられた研究者たちの冒険の数々。科学系の翻訳本にありがちな総花的なところがあって、読むのはだいぶ骨が折れたけど、おもしろかった。今では否定された(が発表された当時にはもてはやされた)生命に関する仮説や研究についても触れている本は珍しい。
「生きているとはどういうことか」を3行で知りたい、という人にはおすすめできない。