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茶々入れが苦手。
『怖い絵』シリーズの類似品としては、一番丁寧で詳細な解説がついている。動画をベースとしているようなので、そちらもまた違った楽しみ方ができるのだろう。
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借りたもの。
冒頭、前巻( https://booklog.jp/item/1/4299032543 )よりも充実した西洋美術史年表とざっくり人物相関図!
1200年代・後期ゴシック~1910年代・エコール・ド・パリまで。
よくある美術入門書では省かれてしまいがちな、後期ゴシック、ロマン主義、ヴィクトリア朝時代の絵画傾向の象徴主義の神秘的傾向の絵画を乗せてくれるのが嬉しい限り!!
……日本の書籍でこのあたりが取り上げられにくいのは、日本人の印象派好き傾向だから?それは印象派の影響を受けた外光派が日本洋画の主流になったから?
「はじめに」で、著作権使用料(それにかかる更新料)の関係で掲載できなかった作品があること、国公立の美術館に所蔵されている作品で著作権が切れている画像でも我が国に限ってはなぜか民間企業を通じて手数料がかかる点に問題提起をしている。前者は仕方ないにしても、後者は何でだろう?
日本女流画家・山下りんをYoutubeで知ったけど、作風もロシア…正教イコンを写実風に描くという時代背景も相まって斬新なスタイル。
Column1,5,6,7には贋作について言及。
フェルメール贋作王・メーヘレンに日本の美術界を震撼させた贋作事件について。
日本の「本物志向」と「恥」の文化のせいだろうか?贋作をつかまされた事を罪悪とし隠したがる傾向は…山田五郎氏はそれらを隠さず検証のために展示する試みをYoutubeで提案していた。
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絵画の解説本と思って読んだが、他の絵画の本より圧倒的に絵の数が多くカラー本ですごく良かった。
2ということは前作の1があるんだろうが、そちらは読んでいないのでこれから読みたいところ。
絵画の本は中野京子さんが有名だが、山田五郎さんにこんな知識と才能があったとは…この出会いに感謝です。
はじめましての画家も多く、この本を読まなかったら知らなかったものが数多くあった。
セガンティーニはその一人で生い立ちやその生涯にも興味深いものだった。
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美術鑑賞といった高尚な趣味を持ち合わせていない私ですが、五郎さんの軽妙な語り口が楽しくて、YouTubeで「山田五郎のオトナの教養講座」を視聴する事があります。図書館でその書籍版を見つけたので、早速、暇つぶしにパラパラめくるつもりが、1ページ1ページ、かなりの読み応えだった。
時代背景から生い立ち、人生、付き合いのあった画家仲間との関係、作品紹介。
なかでも笑ってしまったのが、バオロ・ウッチェロの《聖母子》 遠近画法にこだわり過ぎて、人物描写が二の次。その結果、、、まぁ、笑えます。
「不思議の国のアリス」の公爵夫人の挿絵の参考にされたのが、クエンティン・マサイスの《醜女の肖像》 この頃、ダ・ヴィンチも関心を示していたのがグロテスクな顔。《醜女の肖像》はダ・ヴィンチも関心を示して模写しているほどインパクト大です。
驚いたところでは、誰もが知っているルノワールの《イレーヌ・カーン=ダンヴェール嬢》 ユダヤ財閥の伯爵を父に持つ三姉妹の長女であるイレーヌ。19歳で別のユダヤ財閥の当主と結婚、一男一女に恵まれるもイタリア人貴族と不倫の末に離婚。第一次大戦で息子が戦死。第二次大戦でナチスに娘一家と妹一家が虐殺。イレーヌは夫がイタリア国籍だったお陰で難を逃れるが、彼女の肖像画はゲーリング(ヒトラーの後継とされた国家元帥)のコレクションに。戦後、イレーヌに返却されるも手放した作品を買ったのは、ナチスへの武器供与で財をなしたスイスの収集家ビュールレ。作品の持つ数奇な運命も、絵の中ではおしとやかそうに見えるイレーヌが実はそうでもなかった、ということも知ることができた。
ミステリー好きの私としては、猟奇殺人を疑われたシッカートについてが特に興味深かった。《切り裂きジャックの寝室》《カムデン・タウンの殺人 4連作》を発表し、当時、犯人と疑われる。現在では、アメリカのベスセラー作家、パトリシア・コーンウェルが犯人説を主張。「莫大な私財を投じてシッカートの作品を買い集め、DNA鑑定まで行って論拠を固め、2002年に『真相』と題して発表。」彼の作品が単に真に迫った作品なのか、見るからに一癖も二癖もありそうな肖像写真(見た目で判断してはいけませんが)に見るように、犯人だからこそ描けた作品だったのか、、、なんとも不気味さ漂う絵である。
絵の鑑賞の仕方を教えてもらえた本だった。
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やっぱり昔の絵って面白い!!!ギリシャ神話とかに関係した絵とかさ、読み解くのが面白いんだよね。例えばさ、羊飼いが三美神「アテナ」「ヘラ」「アフロディーテ」で一番美女だと思った女神に金色のリンゴを渡すシーンがあるんだけど、アテナの近くに、アテナが昔討伐したメデューサの首がついてる盾が置いてあったり、ヘラの近くに孔雀がいたりとか、色々細かくてっさ。面白いの。
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YouTube「山田五郎オトナの教養講座」の内容をコンパクトにまとめた第2弾本。QRコードがついていて、気になる項は該当の動画に飛んで、より楽しむことができる。すごい時代になったな。本と動画が楽しめるなんて。
この本は目次と年表が好き。私はアート初心者なので目次から楽しい。そして内容も面白い。先駆者?先輩?の絵を並べて提示してある事も多く、私にもそのモチーフがよく分かった。難しい美術用語が優しく説明してあるのも嬉しい。
ごちゃごちゃした絵だなと思っていた絵のその理由がこの本を読んで、「ああ。他視点で描かれているから、ごちゃごちゃ感があるのか」と納得。用語がわからなくて「ごちゃごちゃした絵」だったものが、「他視点で描かれた絵」になりました。自分の頭の中が整理させるのも嬉しい。
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2では特に好きなベラスケスが登場。「ラス・メニーナス(侍女たち)」はどうみてもマルガリータ王女が主役なのだが・・・。この独特な構図。小さくぼんやりと描いても国王フェリペ4世夫妻とわかる上手さ、王女を取り囲む侍女二人、遊び相手、養育係、お目付け役、そして首席宮廷画家ベラスケス本人が描かれている。
この絵が名画中の名画と絶賛される理由が詳しく書かれている。考え抜かれた人物配置、200年後に印象派が取り入れた筆触分割を先取り、多くの登場人物を下半分に詰め込んでも窮屈な感じがしない理由。王女にピントを会わせ、その手前も奥もピントを段階的にボカして描く、しかもどんなにボケても人物が特定できる正確なタッチ。
もう全てが素晴らしい。マドリードのプラド美術館へ是非。
あとはエル・グレコ。以前倉敷の大原美術館で「受胎告知」を見て、他に幾つもある受胎告知と違い、とても躍動感のある絵に魅了され部屋にポスターを掛けてある。この本の解説にはグレコの特徴として、引き伸ばされた人体、灰色+3原色、浮遊感、複数視点が上げられているがまさにそれが記されている。
スペイン国王フェリペ2世はグレコの絵はガチャガチャしていて気に入らなかったそうだが・・・。
ルノワールは好きでも嫌いでもないが、会社の倉庫に大事にしまわれていて、監査法人による現物実査の際、毎年箱から出して間近に見ていた。あの「イレーヌ・カーン=ダンヴェール嬢」はユダヤ人で、第一次大戦で息子が戦死、第二次大戦では娘一家と妹が強制収容所で死亡となかなかです。しかもこの絵はナチスに略奪されゲーリングのコレクションとなり、戦後返却されるもすぐイレーヌは売却。手に入れたのはナチスへの武器供与で財をなしたスイス人。なんとも・・・。
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ごちゃごちゃしていてわかりにくいという書評には同意するが、高尚な解説書とは異なる誰もが親しみやすい糸口からの美術解説書であると感じた。個人的に"世界一やばい"などと書いてある本は信用しないことにしているのだが、新しい説なども盛り込まれており予想に反して面白かった。