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5歳で子役に抜擢されて以降、晩年まで女優として生き抜いた高峰秀子さんが50歳ごろに書いた、自叙伝。2011年に亡くなったそうで、リアルタイムで彼女の演技を観た記憶がないが、もう少し上の世代にはなじみがある女優のようだ。数えきれないほどの映画に出演していたので、子どもの頃からの写真がたくさん載せてあって興味深い。
華やかな世界に身を置いているが故に、家族・親戚や知り合いからも経済的に頼られ何人も養わなければならず、自分は学校にも行く暇もなく働きづめだったと書いてある。そして人生で一番輝く時期であるはずの10代後半に太平洋戦争があり、青春時代を楽しむことができなかった。普通の日本人とは全く違う人生を送ってきたようだ。文章から、比較的楽観的でおっとりした性格であることがわかる。学問が無いのがコンプレックスということが書いてあるが、時世をきちんと把握していて、知的な人柄である。
動画で彼女の出演した映画を観てみようと思う。
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「わたしの渡世日記(上)」高峰秀子著、文春文庫、1998.03.10
368p ¥700 C0195 (2024.02.24読了)(2008.06.22購入)(2006.02.01/4刷)
【目次】
文庫版まえがき
雪ふる町
旅のはじまり
猿まわしの猿
土びんのふた
つながったタクワン
父・東海林太郎
母三人・父三人
ふたつの別れ
お尻がやぶれた
鎌倉山の女王
一匹の虫
八十三歳の光源氏
神サマのいたずら
紺のセーラー服
血染めのブロマイド
鬼千匹
ピエロの素顔
兄は馬賊だった
にくい奴
ふたりの私
馬
青年・黒澤明
恋ごころ
鶴の化身
神風特別攻撃隊
同期の桜
☆関連図書(既読)
「旅は道づれガンダーラ」高峰秀子・松山善三著、中公文庫、1992.10.10
「旅は道づれ アロハ・ハワイ」高峰秀子・松山善三著、中公文庫、1993.06.10
「旅は道づれツタンカーメン」高峰秀子・松山善三著、中公文庫、1994.01.10
「私の梅原龍三郎」高峰秀子著、文春文庫、1997.10.10
(「BOOK」データベースより)
女優・高峰秀子は、いかにして生まれたか―複雑な家庭環境、義母との確執、映画デビュー、養父・東海林太郎との別れ、青年・黒沢明との初恋など、波瀾の半生を常に明るく前向きに生きた著者が、ユーモアあふれる筆で綴った、日本エッセイスト・クラブ賞受賞の傑作自叙エッセイ。映画スチール写真、ブロマイドなども多数掲載。
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好きも嫌いも仕事と割り切って、演る以上はぷろに徹しよう。持てない興味も努めて持とう。人間嫌いを返上して、もっと人間を知ろう。タクワンの臭みを、他人の5倍10倍に感じるようになろう。
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大女優としか知らなかった高峰秀子さんの生い立ちから半生を振り返る随筆。
まずは文章力の凄さ、観察力の凄さ!
日本映画界の巨匠とのエピソードや時代背景もユーモアにあふれる文章で書かれていて面白く一気読み。
前向きで自分に正直で人格者で生き様がかっこいい!