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30年近くにわたって実施された「消費生活に関するパネル調査」のデータを用い、女性の暮らしや仕事、収入、資産がどう変化したかを、一個人内の加齢による変化と、世代によるちがいに着目して分析したもの。データを読み解いて「こういうことがわかりました。ドヤ!」というものなので、だからどうした?という感想になりやすい。この研究結果に対するアンサーとして、どういう提言がなされるのかには興味がある。
気になったものだけメモ。
・高学歴女性は晩婚の傾向があるものの、低学歴女性よりも離婚しにくい
・若い世代のパラサイトシングルは豊かではない
・親と別居している未婚者の方が幸福度は高い
・高学歴女性ほど夫へ経済面より親密性を期待している
・高学歴女性ほど子どもを作らない傾向は、若い世代ほど薄れてきている
・高学歴女性においては、性別役割分業意識が高いほど子どもの人数が少ない
・日本における妻の家計内交渉力の上昇は、妻の余暇時間を短くする(←就労時間が増えても家事時間が短くならないため?)
※海外の先行研究では、妻の家計内交渉力が高くなると、妻の家事労働時間が短くなり、世帯員の健康状態や教育水準の向上が見られることが示されるが、日本では同様の結果にならなかった。