0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
環境の良くないところに住むにはそれなりの理由があるわけで。
差配さんにもね。
それでも、そんな中でも希望の光は見える事があるんだね。
ほっこりしました
2024/03/06 10:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Jung - この投稿者のレビュー一覧を見る
どれもいい話ですね。心淋し川近くの長屋で一生懸命、前向きに生きる人たちを、実に見事に描いていたと思います。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
淀んだドブ川のようにゴミコミした地域で生きるためにきれいごとを言ってられない面々。
そんな人間たちが胸に抱えた小さな真実。
どす黒かったり、仄かな明かりのようでもあるそれぞれの真実を描いた一冊。
読みごたえがあった。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりの時代小説。やっぱりチャンバラより市井の人々の話しが好きだ。
いろんな人が登場し最後に繋がる。行ってみたいな・・・心町。
投稿元:
レビューを見る
心淋し川/閨仏/はじめましょ/
冬虫夏草/明けぬ里/灰の男
心淋し川沿いの狭い町、薄汚れた長屋に住む人々。明日に希望はあるのだろうか何を思って毎日を過ごしているのだろうか?
少し安心して読み終えてほんのり胸が暖かい。
投稿元:
レビューを見る
時代物の連作短編集。表題の一篇目から大事に読みたく1日に一作ずつ読む。
滞った心川のように、毎日が止まったように生きる人物達。それでも歪んだ形もありつつも幸せに向かい前進しようとする。心重たくなる話もあるが、「はじめましょ」はやり直そうとする男を応援したくなり幸せな気持ちに。
最後の篇では楡爺の秘密が明かされ、見送った後不思議な感情となった茂十。仇のはずが長年の付き合いで家族に近い感覚になったのか。喪失感の中この先生きていくのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
「へー西加奈子さんの作品出とるやん」と思い購入。西加奈子さんが時代小説ってなんか新鮮だなーと思いながら作者の近影をみたら、ぜんぜん別人で笑った。西加奈子さんと勘違いして買った人は自分だけではないはず笑
時代小説って読み手にとってハードル高いなあ、というのが読みはじめてすぐに抱いた感想。「差配」など、その時代特有の言葉の意味が分からないので、調べながら読むのがけっこう大変だった。
ただ本作の場合は時代ものでありながらも登場人物たちの悩みは現代に通ずるものがあり、しばらく読んでいるとだんだん作中の世界に慣れてきて結果的には楽しんで読むことができた。
投稿元:
レビューを見る
ぎりぎりの環境の下で暮らす長屋の住人のお話。
時代人情物を描かせたら安心して読める西條さんの語り口、今回もしっとりと読み終えました。
短編六作、最後「灰の男」が全編の纏めになっている。
特に印象に残ったのが「はじめましょ」と「冬虫夏草」、前者は未来に希望を持たせ後者は情の濃さが希望を摘む怖さが際立った。
投稿元:
レビューを見る
本当に、本当に素晴らしい物語でした
全ての短編であっ、と驚きがあり、がらりと見えていた景色が変わり涙が溢れていました
心に沁み入る切なさと温かさが共存していました
本書は、江戸の淀んだ心(うら)淋し川の辺りにできた、吹き溜まりのような心町に住み着く、いろいろなことから逸れて行き場を失ったような貧しい人々が織りなす暮らしを描いた連作短編集、時代小説です
最近ぼくが手にとる本が、壮絶に苦しい現実を突きつけられるような話が多くて、もちろん学びもあるのだけど、現実もしんどいのに、フィクションまで苦しいの読むのしんど、とか思ってました(自分で勝手に選んでるだけやん!ってツッコミも甘んじて受け入れます、そういう本も大好きなのです)
でも、やっぱりぼくはこういうまた違った苦しみといいますか…、直向きに懸命に生きる人が励まされるこういう本を読んでいたいんだなと改めて気づくんですね
この短編に登場する主人公たちはみんな苦しい、いろいろなことが上手くいかず、虐げられて腐っている、下を向いて諦めていたりもする
でも、だから人の苦しみにも人一倍敏感なんでしょうか
自分の苦しみって、主観的なもの、経験することだから、人と比べるのは無意味といえば無意味だし、他人の苦しみはわからないですよね、ほんとのとこは
でも、人の苦しみを想像し慮ることはできる
人一倍苦しんだ人はその度合いも強いのかな、と思うんです
そしてこの物語に出てくる主人公は、誰かのために苦しみ涙を流すことができる人たちだった、それがぼくの心に響いて共鳴して涙があふれたのだと思います
この世に尊いものがないのなら、人の存在価値はない
そんなことを山本周五郎さんも仰ってたとか
宮部みゆきさんの時代物みたいなとても豊かで、淋しい優しさに溢れていて、読んでいる間ずっと胸が苦しかった、それが本当に幸せでした
直木賞受賞きっかけで手に取ろうと思いましたが、はたして手に取って本当によかったです
きっと、またしばらくしたら読み返してしまうと思います
もうひとつ
この物語には印象深い台詞や言い回しがいくつも出てきて、そこもぼくは好きでした
その中のひとつを引用させてください
弱い稲次も、儚げなるいも、守ってやらねばならない存在だった。守られていたのは、実は自分の方だったと、稲次が死んでから思い知った。こんな情けない男を、ふたりはあてにして頼ってくれた。おかげてどうにか、立っていられた。
投稿元:
レビューを見る
ようやく文庫本として手に取る事が出来る僥倖。もうすっかり愛読書の西條奈加さんですが、もっと凄い深い作品がたくさんあるから 不思議なんだよ、芥川賞はタイミングなんかなぁ、心町の名前も良いし町屋じゃない謂れもだし、ここから逃れたいと思う人々 心淋しの川の言葉だけで凄い作家だなぁとしみじみ思う 西條奈加さんおめでとう御座いますをようやく言える
投稿元:
レビューを見る
江戸の裏町に住む人々の生きざまを描く感動連作の直木賞作品。六話の話からなるが、きびしい生活の中にも優しさがある読み応えのある作品。
投稿元:
レビューを見る
直木賞受賞者。短編集だが舞台は同じ。ラストは脇役で登場し続けた茂十が主役で色んな回収と壮絶なラスト。
投稿元:
レビューを見る
読んだあと、少ししみじみとして、でもほんのり心が暖かくなるようないい話だった。
オムニバスって忙しなくてあまり感想とか追いつかないケースが多いんだけど、この話は心町の長屋が中心になっていて、まとまってるし、最後は脇役だと思っていた楡爺と差配さんの話が中心になっていて、何と言うか話の収まりもよかった。
何か、特段良いことがなくても生きていこうと思える小説だった。
投稿元:
レビューを見る
最後の一編の為の他の章の前振りが効いて。
昔聞いたことのある江戸落語にも似た人情噺。
たまには熱燗でも呑みながら。
投稿元:
レビューを見る
やっと読んだ。
江戸の片隅のうらびれた街を舞台にした連作で、最後には悲しい仇討ちの物語が浮かぶけれど…でも、その成就よりも、なんてこたぁない、でも人の優しさと心意気に満ちた日々こそ尊けれ。
いいねえ。西條奈加さんのほかの作品も読んでみます!