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日本人の父親を持つ元KGB活動家が、ソ連崩壊後の貧困生活の果て、元上司だが、今やマフィア親分からの依頼で、やむなく殺し屋への道へ入ってしまう。しかしそこで彼本来の生き甲斐を見出していく物語。
今野さんの著書は100冊以上読みましたが、本作品は新境地というか、やっと普通のアクション小説になったという感です。
これまでは、悪人が存在しない、存在していても物語の早い段階で殺されていたりするだけで、とことん悪人はいない。悪人のように見えても、ちゃんと事情があったり、最後には人間味を出してくれたりしていたのですが、本作品ではヒーローが悪人を最初から最後までボコボコにやっつけてくれます。馬鹿は死ななきゃ治らないの世界です。もちろん180度転向というわけではなく、本書でも「不遇な育ち方をした若者に情けをかけてしまう」優しい殺し屋像など、これまでの踏襲パターンもしっかり残しております。
解説によれば、シリーズ化される予定もあるとの事。次回作が楽しみです。あと、今回登場したヒロインの行く末も。
2005/11/2
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元プロ野球選手の再々就職先は、けっこう難しい技術がいるのでは、と少し心配になります。全体的にハリウッド映画的か。
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熱い!そう夏だからじゃなくてこの作品は「男たちの熱いドラマ」が描かれている。
「殺し屋×ヤクザ×公安警察」と事件を巡る三者三様の男たちがそれぞれの立場で
相手に立ち向かう姿は熱すぎる!
そして暗殺を巡る事件のはずが物語が進む中で意外な
真実が見えてくる…読み終わると早く続編の「白夜街道」が読みたくなるそんな作品。
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日本でKGBの諜報活動をしていたヴィクトルは日本とソ連のハーフ。ソ連崩壊後に解雇され、食べるにも事欠くありさまだった。そこへヤクザ組長を殺す仕事が舞い込み再び日本に潜入。警視庁外事課とヤクザを相手に戦ううちに、日ソ時代の公安とKGBの秘密が明かになってくる。
殺しやとやくざと公安が絡み合って、それぞれの個性や事情もあってなかなか面白かったです。
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手に汗握る展開。
ハラハラ・ドキドキが止まらず。
先が気になって仕方がない。
映画館の臨場感溢れる状況でもう一度楽しみたい。
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公安刑事の成長物語であり、
引退させられた軍人の転職物語?であり、
ヤクザの再出発物語でもある。
馴れ合わない感じが好き
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読み直してみたらやっぱり面白かった。主人公は元KGBの殺し屋ヴィクトル、やる気のない公安警察官倉島、狙われるヤクザのボディーガード兵藤。この3人の視点から一連の事件と秘密が描かれる。
文章もプロットもキャラも完成度が高いのではないだろうか。派手さはないが、読後感は心地よい。「日ソ時代の秘密」の処理の仕方も、如何にも公安らしくて良い感じ。倉島と上司の上田係長とのやりとり「これでいいんですか」「それはわたしにもわからない」――そう、何が正しいのかは誰にもわからない。
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2010年6月14日 読了。
ロシア人と日本人のハーフである殺し屋が日本のヤクザの暗殺を依頼され、これを巡ってヤクザや公安、ロシアンマフィアなどの思惑が交錯するサスペンス。
ハードボイルド的なごつごつした文章かと思いきや、ライトノベル的……とまではいかないものの割と(良い意味で)軽めの文章で、意外にさっくり読めた。ただし、重厚なサスペンスが読みたい方には物足りなく感じるかもしれない。私の父にはイマイチだったらしい。
悪くない印象だったので、今野作品も試しにいくつか開拓してみようと思う。
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倉島警部補シリーズ 第1弾
元KGBのヴィクトル・公安の倉島警部補・元プロ野球選手で今は武闘派ヤクザの兵藤。3人の男たちの運命が交錯するとき彼らの真の自分が目を覚ましていく。
他の今野作品にはない暗殺者サイドが主人公という異色作品ですが、面白さは他の作品と変わりません。戦いのシーンの描写が迫力があり、息をつかせぬ展開で一気に読破できると思います。
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白夜街道と読むのが逆になってしまいましたが、スピード感があるアクション小説でした。こういう系統にありがちな残忍さというものは、そんなに強く感じないで読むことができました。人それぞれ抱えてるものがあり、それを守るためにどう生きるかということを描きたかったのかなと思いました。
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今野敏は、きっとスポーツをしていて優しい人なんじゃないのかな?
彼の作品を見るとそう思わずにはいられない。
どんな話も、痛めつけられたり血が出るけれど、でも最終的には幸せにまとまる。
いろんな人がいるから一概には言えないけれど、
スポーツをしていた人とか、何かにあるとき集中した経験がある人ってのは、
まっすぐな部分をもっているんじゃないのかな?
新堂作品の暗殺者とはまた違う、今野作品の暗殺者は、
とっても優しくて痛みがわかって、そして将来をまだ、投げてはいない。
うん、いい話だった。
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2011/3/3 Amazonより届く。
2015/3/19〜3/23
倉島警部補シリーズの第一弾。以前、2作目の白夜街道を先に読んでしまっていたが、すっかり忘れていた。なかなか、面白いじゃないか。もう一度白夜街道読み直すかな。
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元KGBの上司から日本のヤクザの殺しを引き受けたヴィクトル・タケオビッチ・オキタ、昔堅気の時代遅れなヤクザの兵藤、その兵藤に行儀見習いでついている若者リョウ、やる気のない公安外事1課の倉島、などなど、登場人物の描きこみかたがすごく良かった気がする。ストーリーも現実離れしながらも面白かった。
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元KGBの主人公ということや表紙の拳銃の絵からヘビーな展開を想定していたが、そこまで重たくはなかった。元KGBのヒットマン、元プロ野球選手のヤクザ、やる気がない公安の警部補の3人の視点から描かれており、時折クロスしながら話は展開する。こういう書き方は好みです。3人のキャラ説明が充分で、特にヴィクトルについては背負ってきた重たいものが透けて見えるような。前半の倉島のやる気のないダメダメさにもあきれてしまいますし。ラストもそれぞれ再生した感があって読後感も悪くないですね。兵藤のラストについては賛否両論あるでしょうけど、私は許容範囲。暴力シーンが多すぎるのは仕方ないですかねえ。でも死人は最小限度に止められていると思います。映像化しても面白い気もしますが、ヤクザの裏部分、SEX、○○や△△の死の部分をマイルドに表現してしまっては魅力半減してしまうから、まあ無理でしょうね。エレーナってどんだけ美しいのか見てみたいですけど。
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元KGBの暗殺者、公安刑事、極道、ロシアンマフィアとヤクザの暗殺にからんでそれぞれの思惑が絡み合う。視点が変わればまた立場も変わる。狙う者と狙われる者、追われる者と追いかける者、罠を仕掛けた者と罠を見破る者。さまざまに入り乱れながら、どこかで理解し合っているような展開が読んでいて面白かった。