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クリスマスの前後に読むとより現実と小説がリンクして楽しめる気がする。
「アクロイド殺し」と同様、まさか探偵と犯人が最初から一緒に事件捜査をする、ミステリーばかり読む人間にとっては「そんかの反則だ!」とつい立ち上がってしまうか、恐れ入ったと素直にまた最初から読み直すかのどちらかだと思う。警察官が犯人とは、現実を生きる身としてはあってほしくはない展開だ。事実、読み進めていく中で私は一度も警察官は疑わなかった。警察官を疑っていてはミステリーを読む度に大変な労力が必要になってしまう。
作品中、夫人達がポワロが買ったつけ髭について話す場面があるが、個人的にはそこがとても好きだ。またポワロが人の口髭を見て手入れに何を使っているのかと聞いたところでは、ポワロも身なりを気にする普通の人間らしいところがあるのだと微笑ましく、くすりと笑ってしまった。近頃は立派な口髭をたくわえた紳士には滅多にお目にかかれないが、口髭を美しく維持するにも苦労があるのだろうかと考えたりもした。
ピラールとスティーブンは身分を偽って出会った者同士だが、列車内での初対面で既に互いに好印象を抱いたあたり、きっとこの二人は結ばれるだろうと予感があったので、この二人が翌年のクリスマスを奇妙な縁で結ばれたリー家で、今度こそ愉しく過ごせるだろうと想像した。
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偏屈な老当主が館で殺害され、現場は密室だった。これだけでも「面白そう‼️」と思わせるのに充分なのに、ポアロの捜査や意外な犯人など、魅了的な要素が満載でとても面白かった。
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もう世界のアガサクリスティはさすがです。ずっと飽きさせない。人物が交差しながらそれぞれの人物像を浮き上がらせる。
ポアロの存在の安心感。最後の最後は清々しくそれぞれの場所に戻っていける
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再読
とはいえ、まったく覚えておらず新鮮そのもの。
クリスティのなかでは珍しい密室殺人。トリックよりも人間関係に重きがおかれているのがクリスティらしいところ。
寒くなって、家にこもる時にはありがたい一冊だ。
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訳者こそ違えど、既読の本を購入したことに気づいたのは30頁ほど進んでから。
記憶力が悪いと推理小説を何度でも楽しめてお得だ。
犯人も最後までほぼ分からず。やれやれ。
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ひょえ〜〜〜!そんな犯人もアリなのか!と思わず声が出てしまった作品。個人的に、先日読んだミステリーも〇〇が犯人で、〇〇も疑ってかからないといけないんだな、と少々複雑な気分です……。
それにしても。
クリスティーには「すごく面白い」か「面白い」作品しかありませんね、ええ。
タイトルがそのまま『ポアロのクリスマス』ということで、この時期が来るのを待ちわびていました。しかもこのタイミングで新訳版が刊行!
そのまえがきとして、クリスティーが義兄にあてたこんな言葉がありました。
「『もっと血が大量に流れる元気で凶暴な殺人」を読みたいと。どこからどう見ても殺人でしかありえないものを!
そんなわけで、これはあなたに捧げる――あなたのために書いた――特別なお話です。」
私は特別スプラッタものが好きというわけではありませんが、この不穏な出だしにはかなりワクワクしてしまいました。
大富豪の老人とその子供たちといえば、『パディントン発4時50分』も思い出されます。その際も個性豊かな子供たちが出てきますが、今作はそれがグレードアップ。
各々の人生、性格や考え方、他の家族との関係性が非常に丁寧に描かれています。そして彼らを支える妻たちも三者三様。だからこそ、すっかり「家族のストーリー」に惹き込まれて騙されてしまったわけですが。。
最後もハッピーエンドで、これが雨降って地固まるということでしょうか。彼ら「家族」が、これからはもっといい関係を築いていけたらいいなと思いました。
最後に、ミステリーにしては珍しく付箋を貼った場所をご紹介。こうした家族ならではの難しさって、万国共通なんでしょうね……。
p134
「で、家族が、一年じゅう離ればなれでいた家族たちが、また一同に会するわけです。そうした状況のもとでは、友よ、非常に強い緊張が生まれるということを認めなければなりません。もともと互いをよく思っていない者同士が、打ち解けているように見せなければならないというプレッシャーを自分にかけるわけですから!(略)でも、偽善は偽善です!」
p136
「無理してこしらえた状況は本来の反応を引き起こします」
(おまけ)p448
"わたしの場合は、いついかなるときとセントラル・ヒーティングだ……"
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クリスマスに間に合った!
新訳が出ているのに気づき、慌てて購入しました。
作品中の日進と同じようなペースで読み進められてうきうき。
たまたま「死との約束」の次に読みましたが、支配する家長とその家族という、対をなすようなテーマで、読み順も大正解でした。
こちらは作者が冒頭で「元気で凶暴な殺人」と表明したように、派手に楽しませよう!というエンタメ性が強いストーリー。
死との約束の方が好みではありましたが、こちらもまたクリスマスシーズンに読み返したくなると思いました。
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クリスマスごろから読んでいたはずなのにもう春がくる。
古今東西みんな好きだよね“家庭内不協和音”。
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富豪の一族が集まるクリスマスイブに偏屈な老当主シメオンが殺された。部屋は密室なのに明らかに自殺とは思われない殺され方…犯人は一体?
スーシェのドラマを何度も観ていたので犯人もわかっていたから楽しめるかな?って思っていたけど、ポアロが出てきてから一気に読めた。というか、シメオンが嫌な奴すぎて進められなかったというのもあるかも。
ドラマとは確か3兄弟だったのに原作は4兄弟でビックリしたし、他にもいなかった登場人物が…ただ、カタカナの名前を覚えにくい私なので4兄弟プラス3人の妻、誰が誰なのかなかなか大変でした(・・;)
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富豪が殺され、密室な殺人。いかにもの一族の不和。これでもかというクリスティー時代の王道を存分に楽しめました。