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紙の本
男にしてやっておくんなさい
2024/05/03 07:56
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて写真家・篠山紀信さんが歌手で女優だった山口百恵さんを
「時代と寝た女」と評したことがあった。
ドキッとするような表現だが、言い得て妙でもあるし、
人気アイドルだった山口百恵さんに限らず、「時代と寝る」ものはあり得る。
東映のヤクザ映画もそうだった。
まさしく「時代と寝た映画群」といえる。
フリーライターの山平重樹さんの『東映任侠映画とその時代』という本を読むと
そのことがよくわかる。
「はじめに」で山平さんはこう綴っている。
「なぜ東映任侠映画がかくも大衆の支持を受け、あれほど熱狂的なファンを呼び込んだのか?
その現象は、時代と切り離して考えることはできない」
では、東映の任侠映画の始まりはいつだったか。
この本では昭和38年3月封切りの「人生劇場 飛車角」とし、
昭和48年1月封切りの「仁義なき戦い」という実録路線が始まりまでをその時代としている。
この本では、その後の実録映画や「極道の妻たち」までも描いているから、
もっと長い期間としてとらえてもいい。
もっともその期間は、東映の任侠映画の立役者である俊藤浩滋プロデューサーの人生と
リンクさせているのが、本書の特長といっていい。
では、東映任侠映画が寝た時代はどんなものであったか。
「学生運動の高揚とともにあり、学生運動の終焉とともに」あったと、
山平さんは書いている。
つまり、戦後の日本にあって、もっとも熱い政治の季節に
任侠映画の様式がピタリとおさまっていたということだろう。
だからこそ、今観ても、任侠映画に心を揺さぶられるのだろう。
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