紙の本
日本の領土なのに
2024/02/04 10:18
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投稿者:ライディーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の取材力がまずもってすごい。
尖閣は日本の領土であると、様々な証拠があるにもかかわらず、相手は素知らぬ顔。
事実を曲げてまで手に入れようとする、盗人猛々しいとはこの事かと思います。
恥ずかしながら、この遭難事件については全く知らずでした。
とても感動しましたし、勉強になりました。
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終戦直前、軍の命令により石垣から台湾に逃げようとして、米軍の攻撃により遭難し、尖閣に流れ着いて助かった人々の物語。無論、皆助かったわけではない。死んだ人が多い。助かった人にもドラマがある。凄まじい戦いだった。
しかし、こう言うことの積み重ねでだけ尖閣を守ろうと言うのは寂しい。日本政府の弱腰はいかんとも。
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戦争の酷さ、表に出ていないところでこのような悲劇がある事を改めて認識したとともに、その中で懸命に生き抜く為に決死の覚悟で動いた英雄がいることを。
そして、尖閣についての歴史をこのドキュンメントを通して知ることができた。
尖閣の危機を他人事に見ることなく、日本国民として、先人が命をかけて守ったこの土地を守ることが必要だ。
こういった文献で後世に伝える形を作る門田隆将さんの功績は大きい。
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戦前、魚釣島には鰹節工場があり、そこで働く人々が暮らしていたことは知っていたけれど、戦時中の石垣島住民の台湾疎開、その最終の疎開船に乗る人々に起こった「尖閣戦時遭難事件」の事は全く知らなかった。沖縄以外ではまったく、沖縄ですら知っている人がほとんどいなくなっているらしい。生死をかけた壮絶な出来事、内容は本著を読んでもらいたいが、この時に亡くなった方のご遺骨がいまだに魚釣島に残されているのに、引き取ることも、手を合わせに行くことすら出来ないなんて。尖閣は日本固有の領土なのに。
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今もなお、尖閣諸島周辺の日本領海に中国海警局の船舶が侵入し続けている。(2023.12.18現在、2023年に入り42日)
中国によるこの領海侵犯の状況に何らの排除行為も取らない自公政権がいる。
許すまじ、覇権主義中国共産党、習近平、親中自公政権。
「魚を捕るのではないから許可は出ません、などと言われて「はあ、そうですか」と、引き下がれるはずがなかった。
そもそも日本人が「日本の領土」に上陸できないなどと誰が決めたのか。髙吉は「ふざけるな」という思いだったのである。」(245頁)
という状態は今も続いているのだ。
「「ひとのことはいくらでもしなさい」
珍吉は息子にそう教えていたというのである。私はそれを聞いて、凄まじい珍吉の行動の数々の光景を思い浮かべた。
沈没する船から人々を救い出し、銃撃で壊れたエンジンを直し、魚釣島に人々を上陸させ、そして決死隊となって、ついに石垣島への助けを呼ぶことに成功した男――その金城新吉が息子に伝えていたのは、「人のことはいくらでもしなさい」という素朴でシンプルな言葉にほかならなかった。」(271頁)
「尖閣戦時遭難事件は、それだけで尖閣列島が「日本である」ことを示すものである。
古賀辰四郎が「真水」を開拓してこれを確保し、人が住めるようにした「業績」は、時がどれほど経とうと、忘れられていいものではない。
本書に記したとおり、古賀辰四郎のその「真水」によって、多くの命が救われた。そのことを日本のジャーナリズムが描かなければ、尖閣に食指を動かす側の思いどおりにされてしまうことを私は思った。
本書でお届けしたのは、中国側がひと言も触れることができない、言い換えれば、絶対に触れてはならない決定的な「歴史の真実」にほかならない。
本書をもとに、尖閣の真の歴史を知って欲しいと切に願う。そこで頑張った先人たちの姿に、どうか思いを馳せていただければ、と思う。」(291頁 エピローグより)
(作品紹介から)
「命」を救ったのは「真水」をたたえた日本の領土だった――。
知られざる「尖閣戦時遭難事件」の史実が“中国の噓”にトドメを刺す
事件から「78年」という気の遠くなるような歳月の末に緻密な取材で浮かび上がった苦悩と感動の物語。
なぜ「尖閣列島」は日本の領土なのか。そのことを示す、ある遭難事件。中国はなぜこの事件に触れられないのか。すべてが今、明かされる。
1945(昭和20)年6月末、石垣島から台湾に向かって最後の疎開船が出た。沖縄本島で日本軍が米軍に敗北し、八重山への米軍の侵攻を恐れてのことである。
だが、200人余の疎開者を乗せた2隻の船は東シナ海で米軍機の攻撃を受け、1隻は沈没、1隻は奇跡的に魚釣島に辿りつく。「あそこに行けば真水がある」との疎開者の進言があったからだ。
明治時代に“無主の地”魚釣島で真水を開拓した実業家・古賀辰四郎。それに伴い国際法に則って日本の領土に編入した明治政府。疎開者たちの多くの「命」を救うことになる真水をたたえた魚釣島は、同時に食べる物がない飢餓の島だった――。
餓死者続出の中、石垣島に助けを呼ぶため若者たちによって「決死隊」がつくられた。疎開者たちは夜を日に継いでサバニ(小舟)を完成させ、決死隊を送り出す。決死隊の若者の額には「赤い鉢巻」が締められていた。その鉢巻の意味と、そこに込められた疎開者たちの思いとは……。
奇跡がいくつも重なり合ったこの遭難事件と救出劇が、なぜ尖閣の日本領有を示すものになるのか。哀しく、悲惨で、目を背けたくなる出来事は、同時に、どんな逆境でも信念と矜持を失わなかった日本人の「希望の物語」でもあった。
なぜ尖閣は日本の領土なのか。尖閣と無縁な中国が、なぜ、かくも理不尽な主張をくり返しているのか。
「本書を読み終わった時、その答えを知ると同時に、人間とは“極限”に追い込まれても、使命感と不屈の精神さえあれば、とてつもない底力を発揮することを知っていただければ嬉しい。そして、毅然と生きることが、日本人にとっていかに大切か、是非、思い出してほしいと願う」(「はじめに」より)
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久しぶりに門田氏の真骨頂ノンフィクションを堪能できた。中国との関係云々は抜きにしても、尖閣にまつわる歴史的事象を全く知らなかったので、とてもとても興味深く拝読させていただいた。太平洋戦争関連の史実で沖縄戦は詳しくてもこの内容を知らない読者は多いと思うので、門田氏を狂信的右翼と思っている方にも是非読んでもらいたい。
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▶︎これだけの証拠があっても中国の「核心的利益」論を説き伏せることができない日本の外交政策ってなんなんでしょう?
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この本は尖閣列島が日本の領土である証拠とその尖閣を巡る当時の様々な人々の生き様、死に様を事実として書き記したものである。
金城珍吉を始めとする男達の想いや執念は現代人に失われてたものを思い起こさせてくれた。
また、彼らが命懸けで作った歴史は生きている我々にとてつもない勇気をもたらしたのではないか。
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中国が領有権を主張するずっと前から石垣島民と尖閣諸島の深い関係。戦時中台湾に疎開しようとした船が尖閣諸島に漂着した歴史秘話を描いたノンフィクション。