紙の本
シリーズ完結
2014/09/16 18:44
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投稿者:あずきとぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ブラック・ジャック」連載当時を中心に、手塚プロでの作品制作の実態やその周辺について、関係者の証言を元に描いてきたシリーズも、この5巻で完結となった。
全5話が収録されている。
第20話「ふたりのピノコ」
4巻では、手塚の長男眞が取材を受けていたが、ここでは長女るみ子、次女千以子の二人が登場。
それぞれの幼少期から手塚が病没するまで、父・手塚治虫と人気漫画家・手塚治虫について、二人各々の視点から語られる。
第21話「砂かけ男」
手塚が、しばしば締切り間際まで原稿が遅れてしまうことは、1~4巻でも描かれてきた。
だが、原稿が編集部に届いても、それだけでは雑誌は出来ない。
編集部(出版社)から印刷会社、製本会社、配送会社を経て、やっと全国の書店に雑誌が並ぶのだ。
ここでは、この雑誌作りにおける出版社と印刷会社とのぎりぎりの攻防を、秋田書店製作部の荒木を中心に据えて描く。
第22話「歯医者はどこだ!?」
歯学部在学中、一年だけ休学して手塚プロに入ったアシスタントによる思い出話(12ページの掌編)。
第23話「手塚治虫は困った人なのだ」
手塚をよく知る赤塚不二夫と、手塚・赤塚両者の担当を経験した編集者による証言。
当時の名物編集長カベさんも登場。
手塚の原稿が遅いと愚痴や悪態を口にする編集者たちを、赤塚は一喝する。
赤塚から語られる、手塚の思いとは。
最終話「最後のひとり」
手塚プロに17年アシスタントとして在籍していた伴俊男の証言による、執筆時の手塚の姿。
そして、最晩年のエピソード。
入院してしまった手塚の指示を待ち、一人手塚プロの仕事場で電話の前に座る伴。
ようやくかかってきた電話で、伴は手塚から激しく怒鳴られてしまう。
シリーズ完結。
ぜひ全五冊を読み通して、「天才」「漫画の神様」と呼ばれた手塚と、手塚プロスタッフ、編集者らの漫画に懸けた思いを、追体験していただきたい。
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主な登場人物(手塚治虫以外)
第5巻
第20話 ふたりのピノコ
手塚るみ子、手塚千衣子
第21話 砂かけ男
荒木勝時、壁村耐三、青木和夫
第22話 歯医者はどこだ!?
鈴木信一
第23話 手塚先生は困った人なのだ
赤塚不二夫、小林鉦明、壁村耐三、石森章太郎、壁村美津子
最終話 最後のひとり
伴俊男、三浦みつる、井上智、寺沢武一、福元一義
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マンガの神様と呼ばれた人間は、肉体を酷使していた。ということを、今の若い人が知る。それがどれほどに意義あることなのか!ふるえる。この熱量で書ききった作画担当の吉本さんに大拍手!
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途中から、
ブラックジャックの創作というより、
手塚治虫さんの半生を綴ったものになってて微妙でしたが、
気にしない。
で、
やっぱり努力できるって才能ですよ。
努力は誰にでもできるものではなくって、努力する才能がある人が居るんです!
と、
結論づけた!
マイペースにのんびり行こう。
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手塚治虫は凄い人で、それを支えていた人々もまた凄い人たちで、さらにはそういう凄いことがまかり通っていたもの凄い時代でもあった。
というわけで、意外と長期連載となった本作も完結。「漫画の神様」としての手塚治虫のイメージに、そのカウンターと言うべき「酷いエピソード」が時たま挙げられたりもしていましたが、当事者の言を交えてそれらを一つに繋げた、より実際に近い手塚治虫像が面白かった作品でした。吉本浩二さんの作画も、それを伝えるのに最高のものだったのではないでしょうか。
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気合が入った絵だけど、やっぱり上手いと思えないし、好きでもない、って感覚は終始変わらず。でも、内容は手塚治虫の情熱が十二分に伝わってきて、同氏の作品をあまり知らない自分でも、十分楽しめました。
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複数の視点からのエピソードに食い違いがあっても、それは「藪の中」ではなく、手塚治虫という人物の強烈な個性を示すもの。丁寧な取材と圧倒的な熱量。手塚全集に加えても良いのではないかとすら思う。
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人間ドラマもいいがやはり第一の魅力は漫画ハードデイズナイトな実録にあると「砂かけ男」のメチャクチャに思う。今まで見たことのない手塚治虫劇、堂々の完結。
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砂かけババアのくだりが一番面白かったです(笑)
最終話のわりに盛り上がりにもかけたようにも思えますがおおむね面白かったです。
大人の本気を見れた気がしましたし。
手塚治虫って自分自身に一番厳しいんですね。
自分のやりたいことをやり抜いた人生って感じでかっこよくも思えます。
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仕事をしてる人、とくに何か作る立場にいる人は頑張ろうと思うきっかけになる。天才と呼ばれた手塚治虫でも、こんだけやってんだと驚いた。ブラックジャック、再読するかな
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クランポン社 やっぱりヌイグルミはお尻だね 長引いた反抗期が途中で打ち切られたような… 大日本印刷五反田工場生産管理部 ここから取次店への配本がスタートします 奈良県生駒市 旧態依然とした医師会 寺沢武一ぶいち 市川市行徳 手塚先生はマンガの神様 赤塚先生はギャグの神様 …黒澤明からお花が来てたから。 新座スタジオ 遅刻するような厳しい量じゃないでしょう 自ら創作しようとしない不肖の弟子… 手塚治虫物語 1992年5月手塚プロダクション解散 人は二度死ぬ