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「名探偵のままでいて」の続編。
この続編を読んで、「名探偵のままでいて」の良さを再認識しました。
ミステリーの謎解きに無理があっても、この本は読む人を楽しませることを大切にしている本だと思いました。もう一度「名探偵のままでいて」を再読しようと思います。
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「楓。煙草を一本くれないか。」
そろそろ煙草を控えた方がよろしい安楽椅子探偵の碑文谷さんの物語『名探偵じゃなくても』は前作『名探偵のままでいて』の続編になります。ただ連作短編集の大筋にはクリスマスらしさを匂わせているので、冬の時期に読むのが良さそうですね。
前作と同様の登場人物たちと日常の謎を名探偵が幻視の中で解いていく流れですが、おじいちゃんの容態を考えると本作で完結してあげて欲しいものです。
前作『名探偵のままでいて』を未読の方は、本作を前に読了されることをオススメします。
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名探偵のままでいての続編。
今回も小学校教師の楓と楓の認知症を患っている祖父、楓の同僚の岩田、岩田の後輩の四季が登場。他に楓の友人の美咲や小学校教師だった楓の祖父の教え子である刑事の我妻などが出てきて、彼らの身近で起こる事件を楓と楓の祖父が解決していく物語。
特に四章と終章が面白く、ドキドキして読んだ。
前作で楓に心を寄せている岩田と四季、楓はどちらを選んだのか分からなかったのだが、今回も結局分からなかった。
どちらを選んだともとれる文章だった。
命懸けで楓を守った四季が有望な気もするけれど、どんでん返しで岩田かもとも。
再度続きがあるなら是非明らかにしてほしい。
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前作「名探偵のままでいて」の続編!
今回はレビー小体型認知症を患うおじいちゃんの病状が進行していて、
少し心配だったけど推移力は変わらず。
それぞれのストーリーの謎解きはどれも、なるほど~と思うことばかりで面白かった。
後半のストーリーがインパクトが強すぎて、
前半の印象がちょっと薄くなってしまった。
まさか前作のあの男がまた出てくるとは思わず…
かなりの執着心で読んでいて恐怖すら感じたな。
そして前作で気になっていた楓と岩田先生と四季くんの関係性。
2人なりに楓のことを想っての行動に愛を感じ、
特に四季くんの行動力がすごすぎました。
SF小説や名作ミステリ、海外映画作品のことも色々出てきたから
その辺りに詳しかったらもっと楽しめたのかな~と思った。
我妻さんという新しいキャラも登場したので、
これはまだ次回作があるのかな。。
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続編嬉しいです!
レビー小体型認知症の祖父の状態が少しずつ悪化しているのが気がかりですが、相変わらずの名探偵。
楓が前回からの流れで選ぶのは四季かと思っていましたが、まさかそっちだったとは。今回の流れでもしかしてって思いましたが、やっとハッキリさせましたね。
ストーカーも無罪で出てくるとは…
四季の捨て身の体当たりが本当に楓を想っていたってのが伝わってきて、格好良かったです。
『名探偵じゃなくても』。
タイトル回収が本当に切なかったです。
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前作ではとても素敵な経験をする事ができた。今作でも楓と岩田、四季の関係、祖父との交流が描かれる。
サンタクロースを見た男
居酒屋でのやりとりから前作の振り返りが読者に共有される訳だが、やはり一人一人に設定を詰め込みすぎている様に見える。冒頭で語られる楓の過去に起きた事件は特殊なものであり、今回は更に岩田の過去が明かされる。前作で岩田は養護施設の出身と明かされているが、更に詳しくフォーカスされる。
岩田少年が見たサンタクロース。その日から失踪した父親。そして11回の社宅から忽然と消えてしまったサンタクロースの謎。四季は岩田の夢物語だと相手にしない。まるであり得ない様なシチュエーションに対して祖父が紡ぐ「物語」とは。
真実は当然辛いものであるはずなのだが、二つ目の推理によって間接的ではあるが岩田の父親の想いをくみ取り、合わせて磐田へのエールの様にも感じられる結論だ。ミステリーは正しい事が正義だが、どの様な結末に至るか。という事を考えさせられた作品だ。
(冒頭からの三角関係継続は面倒だなぁ(笑))
死を操る男
カリスマ的な人気を持つフランソワという俳優。彼はファンミーティングにおいて自殺を仄めかし、そして自殺未遂の挙句、亡くなったと報じられる。彼のファン達の後追い自殺(未遂)が続く。楓の友人の美咲もフランソワのファンであり、事件の謎について楓に相談する。楓はその話を祖父の元に持ち込み、前回知り合った刑事の我妻、我妻の部下の城之内と共に祖父の推理を受ける。
僕は完全に小説派のミステリ好きの為、今回のヒッチコック談義にはついていけない訳だが、それでも名前を知っている様な監督で、ミステリに深い愛情を持った人物だと今作で知った。どんな物でも作者が生み出した状態が一番のものだと考えていたのだが、あらためようと感じた。
また、今作では未遂に終わっているが新しい形の殺人事件でありアイデアは面白い。祖父が目覚めてからの進行がとても魅力的だ。
泣いていた男
ミステリ小説なので様々な裏切りがあって然るべきではあるがやり過ぎると嫌味な作品になってしまう。今回の裏切りもある意味で読者を驚かす為の仕掛けであるのだが、あまりにも窓拭き先生の周りで事件が起き過ぎるし、今回の犯人についても焦りすぎだと思った。楓の要請に素直に従う警察官達にも違和感があるし、楓、岩田、四季パートはそれぞれの変化ぎ見られながらも今回は我妻に時間を使ってあげた方が読者を惹きつける意味では魅力的だったと思う。
ダイイングメッセージについてはミステリ好きならワクワクするが、使い方が難しい。被害者が亡くなるまでの今際の時間で、どれだけ犯人を連想してもらうかは、冷静に考えて難題だ。今回は上手くまとめているのだが、「新聞について」からの一連がイマイチピンと来ていない。
消えた男、現れた男
前作からの構成としてこの流れは面白いし、四季の様子が変化した動機も面白い。僕は四季が殺人を犯す(楓を救う為)と想像していたが、被害者側になる事も納得出来る。残念な事は次章に残すが、バッドエンドが相応しい物語をバ��ドエンドに出来ないミステリ作家は残念だ。九鬼の結末が余りにも呆気なく、もう少し悪役として活躍させるべきと残念に思う。
時間旅行をした男
締めは美しく見事な着地で、とても読みやすい作品だが、結局ミステリとしての刺激から逃げている様に思った。四季が犯人、四季が被害者、どちらでも衝撃的で心に残る作品になった筈だ。全体的に物語を急いでいた気がする。
最後、楓の愛する人の後ろで猫が鳴いており、相手は岩田と考えられるが、結局四季が猫を返してもらったとも捉えられる為、どっちつかずになっている。我妻も登場し、美咲の存在感も増しているので、登場人物を変えていくいい機会だったはずだが、現状の構成で次作もあるのだろう。
長編でどの様に変化するか見てみたいと思った。
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一作目の『名探偵のままでいて』より面白い!
登場人物も新たに増え、前作より事件っぽい事件を解決していく祖父。
まだ踏み出せない恋と過去のトラウマに揺れ動く主人公。
子供の頃のキズと向き合う教師に、ツンデレな演技者。
主人公や登場人物の心の動きにドキドキして、ハラハラして、切ない。
今後も恋の行方や進む認知症、それぞれの人間関係に目が離せない一冊。
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前作同様面白かった。登場人物も増えてストーリーにも深みが増した気がします。
個人的に岩田先生推しなので続編があれば大逆転を期待しています。
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登場人物は魅力的で作風も好みで古典作品のオマージュでもある。
そんな小説、好きに決まってる。
楓と祖父のやり取りに切なくなったり、岩田と四季の信頼関係を微笑ましく思ったりとミステリー以外の要素でも楽しませてくれる。
作中の人物が熱く語ってくれたおかげで、ヒッチコック作品を観てみたくなった。
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シリーズ累計10万部突破『このミス』大賞受賞作
『名探偵のままでいて』続編
クリスマス直前、居酒屋で〝サンタクロース消失事件〟について議論していた楓たちは、紳士然とした男性・我妻に声をかけられた。
彼は、かつて小学校の校長を務めていた楓の祖父の教え子なのだという――。
〝連続自殺未遂事件〟や〝泣いている死体〟など、楓や我妻が持ち込む不可解な謎を、レビー小体型認知症の祖父が名探偵のごとく解決する。
しかし、その症状は一進一退を繰り返しており……。
認知症の祖父が謎を解くという何とも斬新な手法が面白かったですが、ちょっと強引な部分があるかなという印象が強かったので、続編はどうなのかなと正直期待は薄いまま読みました。
読んでみると、強引さは薄い印象で、むしろこちらの方が好きでした。有名な映画監督作品が登場したり、前作に出ていたあの人が登場したりと前作よりもミステリーとしての面白さ・楽しさが増していました。
前作を読まずにこちらを読む際は、ご注意を。というのも、前作の真骨頂となるメインの話の犯人が登場するので、知りたくない方は前作から読むことをお勧めします。
推理する部分では、(冷静に見たら、ちょい強引かもしれませんが)これこれこうしてこうなったというしっかりとした着実感だけでなく、意外な犯人が現れたり、アクティブに行動したりと飽きさせない展開が良かったです。
全5章の連作短編集で、話の構成が面白かったです。最初はジャブのような軽いミステリーから始まり、エピソードが変わるごとに段々と密度が濃く、衝撃も段々と大きくなるので、全然楽しめました。
当然、祖父の推理力がメインなのですが、周囲の登場人物達の活躍も魅力的でハラハラもしました。
孫の楓、その友人、因縁の犯人、そして新たなキャラクター・我妻など、上手く「出来事」に絡みながらの後半の展開は、今までの「静」から「動」へかのような躍動感があって、飽きさせませんでした。
そして、ラストはまた「静」へと変化し、静かに幕を閉じるので、その余韻も良かったです。
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「楓。煙草を一本くれないか」
第21回このミステリーがすごい!大賞
に輝いた「名探偵のままでいて」の続編。
レビー小体型認知症の祖父が、安楽椅子探偵として、次々と事件を解決していくミステリー。
冒頭で前作「名探偵のままでいて」の犯人のネタバレがあるので、前作から読むことをお勧めします。
主人公「楓」、岩田、四季の3人、そして名探偵の祖父、楓の友人「美咲」、今作から登場の我妻。キャラクターの書き方が上手い。それぞれに過去や悩みや葛藤があって、そして事件がある。
ミステリーや映画など、知らないと分からない事も多々ありますが、作者の知識の深さに関心してしまいます。沢山の伏線も散りばめられているので、謎解きとして、そこまでアンフェアな感じではない。
いや〜、ネタバレになるので、全然書けない。
病状が進行していく祖父。
楓と岩田と四季の三角関係はどうなるのか?
ドラマ化しそう。
作者は森博嗣も好きなのかな?
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ラスト数ページから感情が昂って、最後の一文を読みながら涙が溢れた。前作同様表紙に描かれている花に着目し、読後マリーゴールドの花言葉を調べた時、各話に込められた思いにまた胸が熱くなって、まるで花束を抱えている気持ちになった。
“オレンジのマリーゴールド”なのがまた良い。
兎にも角にも、わたしはおじいちゃんが大好きだ。
たとえ『名探偵じゃなくても』
また一緒に物語を紡げるなら。
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「名探偵のままでいて」の続編である本作。前回同様、認知症の祖父が、安楽椅子探偵となって日常のミステリーを解決するという設定ですが、今作は前作よりもマニアックになったような印象を受けました。
物語の構成としては5編からなる連作短編集で、ストーリー展開は先述の通りの、安楽椅子探偵ものです。今回のシリーズでは、人の消失トリック、集団自殺、奇妙な死に方といった内容となっております。
今回のシリーズでは映画監督のお話や「警察内警察」など、私にとって馴染みのない単語が多く、前作で感じた、馴染みのある設定のミステリー感がないので、前作の方が好きだったかなぁと。ただ、物語の進行とともに、主人公とその周りの人たちとの関係性も進展していることがわかったのは好みでした。
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思いの外早く届けられた続編に少々不安を感じながら読み進めましたが、完全に杞憂でした。前作同様、文中から溢れ出るミステリ愛と小西さんの人柄、そして前作以上に躍動する愛すべき登場人物たちに最後の最後まで魅了されっ放し。更なる続編も期待しながら。
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『名探偵のままでいて』の続編。
“レビー小体型認知症”(DLB)を患う祖父が、孫娘・楓の持ち込む不可解な謎を解き明かしていく安楽椅子探偵譚、連作四章&終章が収録されております。
前作の“リドル・ストーリー”的なラストで、楓の中で岩田先生or四季君への想いがどうなったのか・・気になるところだったのですが、本書でも岩田先生と四季君の間には“不可侵条約”が結ばれていて、表向きは相変わらずな三人の関係性が続いている感じです。
そんなレギュラーメンバーに加えて、今回から楓の祖父のかつての教え子で現役刑事のイケオジ・我妻さんが登場。
お祖父ちゃんに事件の情報を流すのも厭わず(汗)、お知恵を拝借に来ておりましたが、哀愁漂ういぶし銀キャラで、なかなかええ味だしておりました。
さて、今回も日常系から事件性のあるものまで、謎解きのときだけ“覚醒”するお祖父ちゃんが、ちょっと強引ではありますがキレのある推理を見せてくれます。
因みに、第三章「泣いていた男」のコンタクトレンズのくだりは、コンタクトユーザー歴ン十年の私からすると“ええ~・・?”と首を捻ってしまうところではあったのですが(私だけ?)、お祖父ちゃんのキャラに免じて見逃すことにします。
(美咲さんは“コンタクトあるある”と言うてましたが、私的には“ないない”なんですけどね・・)
そして、前作同様クラシックミステリやSF作品へのオマージュは健在で、本書では特にヒッチコック作品が多く取り上げられていましたね。
このように、お祖父ちゃんの推理を楽しみつつ、楓の“想い人”を予想しながら読んでいたのですが、後半“アイツ”がまさかの再登場したのには思わず戦慄しました。
そこからは怒涛のサスペンス展開で、“アイツ”から楓を守る為にとった、四季君のまさかの行動にビックリ&グッときました。
そして、気になるのは、終章で楓に“メリークリスマス”と伝えたのは、どちらだったのですかね?・・“CATが側にいたということは、あの人?・・あ、でも両方可能性あるか・・ブツブツ・・”なんて、結局“想い人”はわからんままでしたね。
そうそう、終盤の“すずちゃん”には、“そういうことだったのか!”と納得しつつも少し切なくなりました。
切ない、といえばお祖父ちゃんのDLBの症状が進行していて、ちょいちょい“向こう側”に行ってしまうのが心配なところなのですが、今後も謎解きをしてほしいので、続編を希望したいところです。
あ、勿論“名探偵じゃなくても”、素敵なお祖父ちゃんなのですけどね~。