紙の本
あいまいにまみれて
2024/03/25 14:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あいまいにまみれて楽しかった。
日々、あいまいな表現に惑わされたり、あえて楽しんだりしていた。今回、詳しく解き明かしてもらいすっきりした。
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人によって、文章を読むと捉え方が違う。そのパターンを丁寧に解説した本。SNSやインターネットが普及した昨今、いわゆる「どちらにも意味がとれる」内容で炎上沙汰になった(炎上を見た)ケースが多くあるだろう。書いた人はそんなつもりじゃなかったのに、といった言葉足らずというより情報の不足だったり、日本語独特の句読点の切り方だったり。自分もLINEやメールを送る時に、客観的に読み返してあいまいな文章になっていないか、話し言葉で説明するときに情報は足りているか、注意するように気をつけようと思う。事例がとても良い。アンジャッシュのコントなどわかりやすく巧みな「誤解を引き起こす」例が用いられ、読み進めていてとても楽しかった。
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ちくまプリマー新書に待ってましたの川添愛!
「本書では、言葉のすれ違いの事例を紹介し、それらをもとに言葉の複雑さや面白さを紹介していきたいと思います。本書で目指しているのは、読者の皆さんが言葉の曖昧さに少し敏感になり、言葉のすれ違いを早めに察知できるようになることです。同時に言葉をさまざまな角度から眺める経験を、頭のエクササイズのような感覚で気軽に楽しんでほしいと思います」(はじめに)
言葉の曖昧さによる誤解・すれ違いはどのようにして生まれるのか、具体的な例を使った解説で楽しくおもしろく読める十章仕立て。表記、単語や文法の多義性、単複や比喩、修飾など文の構造、並列、否定や疑問のスコープ、代名詞、さらに「言葉」をいくらみてもわかりえない言外の意味まで、人によって受け取り方が違ったりすれ違ったりしてしまう理由や仕組みが分かれば、それを意識することでより伝わりやすいコミュニケーションができるようになる(具体的な指南も多数)、という非常に実用的ですぐにでも役に立ってしまう一冊。そのおもしろさは田窪先生、大津由紀雄先生ら言語学界隈の御大の折り紙付き。
あいまいさを100%なくすのはほぼ不可能だけれど、多くの人がそれを理解した上で発信したり受信したりできればSNSなどでのトラブルなども減るだろうし、そのあいまいさを逆手に取った言葉遊びなどを楽しむこともできる。そんな著者(はじめ言葉マニアすぎるわたしたち)の思いがたくさんの人に伝わるといいなと思う。こういう言語学入門的なことを学校でももっとまなべるといいのだけれど。
個人的には、プリマー新書初期の藤原正彦・安野光雅「世にも美しい日本語入門」と藤原正彦・小川洋子「世にも美しい数学入門」につづくひさびさの「世にも〜」タイトルがなんだかうれしい。
そして読み終わってみると、このタイトルがまたいろいろに読めて、それだけでごはん3杯ぐらいいけると気づく。
***
「UP」(東京大学出版会)連載の「言語学バーリ・トゥード」第24回にこの本の番外編として「日本語は「世にも曖昧な言語」なのか」(←答えはもちろん否)があり、曖昧さというのは人間の言語とは切っても切れない性質の一つだと改めて指摘していて、たしかにこのレベルの誤解ははやく解けてほしいものだと思った。
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「七割以上の問題」を取り上げているのがすごい。何度もゆっくり読めば違いがわかるのだが、すっと読んでしまうとなかなか把握できない。今年最後に出会えた良書。
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国語の副読本にしたいと思いました.あいまいな言い方を平気で使う人に是非読んでいただきたいと思います.
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読み進める程、日本語はここまで曖昧になってしまうことが多い実感が湧いてくる。「この先生きのこる」など知ってる人の多いような話や、ロバート、アンジャッシュなど芸人のネタも混ぜてきたりとネタも多彩で、真面目な本という印象を与えないのも良い。曖昧にならないようにはどうしたら良いかを書きつつも、曖昧であることが面白い遊びも生むし悪いものではない、というまとめも納得だった。勉強になった。
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「頭が赤い魚を食べる猫」
これだけで腹抱えるほど笑うことになるとは誰も思わない。
途中までは、曖昧な文章を多面的にとらえないで自分が意図した意味が正しいというのはけしからん!とか思ってた。でも読み終わる頃には曖昧な日本語オモロいwマジ最高wwwってなったので、べつに正確に伝わらない文章にいちいち苛立ちは覚えなくなった。笑
コールセンターに勤めてるので言葉の問題は非常にウェイトが大きい。お客様が意図したことを正確に伝えてない場合もあれば、こちらが意図したことを伝えられてないこともある。でもそれ如きでお互いがイライラするのはナンセンス。言い換えて伝えればいいだけ。むしろ、言い方が曖昧だったことをそっと楽しみたいくらいだ。
この本はホント笑かしてくれた。そして大事なことに気づかせてくれた。少なくとも、意味を正しく伝えられない人を糾弾する本では無い。
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日本語の曖昧さを、実例により解説したもの。
普段何の疑問もなく使っている言葉が、実は曖昧であることがよくわかる。曖昧であるが故、話した本人はそのつもりでも、聞いた側が必ずしも同じように理解しているとは限らないのだ。
話している時は文脈で理解していることもあるが、抜き出してみると、結構あいまいなやり取りをしていることに気づかされる。
普段使っている言葉を例に取り上げているので、理解に入りやすいが、言語学者である著者による詳しい解説もある。多少難しい内容もあるが、使っている言葉の意外性に気づいて興味深い。
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読みやすく、楽しい。中学生であれば問題なく読み進められるし、小学校高学年でも楽しめると思う。(言葉の題材で桑田佳祐氏の歌詞が出てくる箇所があり、小学生が読むなら要注意)
身近な言葉を通して、自分の外側に別の見方がある可能性に自然と目が向けられる。多くの子どもたちに楽しく読んでもらいたい。
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著者が「お笑い好き」「プロレス好き」なのが伝わってきました。
久しぶりにしかも偶然、友達にばったり出会ったとき、
「いま、何してるの?」って聞かれたらどう答えたらいいか迷いますよね。
あと「なんで来たの?」と聞かれたとき、理由を聞いてるのか、手段を聞いてるのか。
そんな言葉のスレ違いを解析してくれています。
よくそんなにたくさん例が浮かんでくるなぁと感心します。
仕事上でメールのやり取りをすることがあると思いますが、ハッキリ言って何を言いたいのか分からない時がありますよね。
わたしは自分では十分に気をつけて書いているつもりですが、これからももっと気をつけていきます。
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著者の既出の著作とやや内容が被る部分もあるが、新書としてコンパクトにまとまっている分、読みやすく、充分に楽しめた。例が具体的で丁寧な解説が付いていることに加えて、ユーモラスな表現が随所に散りばめられて思わず「くすっ」となる癒しの要素も満載。「おわりに」の章で曖昧さは日本語だけに生じる特性ではない、という補足にも思わず首肯した。
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言葉の曖昧さを書いた本だが、導入部分で揚げ足取りな文章に見えて途中で読むのをやめてしまった。なかなか難しいテーマかもしれない
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◆東京新聞TOKYO Web(2024.2.18):<書評>『世にもあいまいなことばの秘密』川添愛 著:誤解の根源か 面白さか
[評]サンキュータツオ(日本語学者・漫才師)https://www.tokyo-np.co.jp/article/309894
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ことばって本当にあいまい。
だから言葉を寸分違わず正確に伝えたり理解することなんて無理なのかもしれない。
でもそのあいまいさが言葉の面白さでもありますね。
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以前に同じ著者の書かれた本が面白かったので、今回また手に取ってみた。
今回のテーマは、曖昧な日本語。読んでいて、確かにそんな風にも解釈できるよね、という話が万歳だった。たくさんの事例が示されるが、著者は曖昧さを否定する訳ではない。 曖昧さが有るからこそコンパクトになる部分もあるという話は一理あると思ったし、誤解のリスクを減らす表現も示されており、このような表現を心がけることが、少しでもミスコミュニケーションを減らすという意味では大事だと感じた。