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現代ホラーの傑作が揃った短編集。全編おすすめといえる高い完成度の1冊です。「芙蓉忌」は古い家屋の隙間から見える女に魅入られた話。女が誰か探る途中、警告を受けるも男はもはや止まる事が出来なくなり…
謎の猿を追う「シュマシラ」も良い。
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小林泰三さんと宮部みゆきさんは、このアンソロジーでなく読んでいたのですが、改めて、う! (ーー;)
岩井志麻子さんは日本らしい、湿気たっぷりのホラーで、やはりうまいですよね。
去年から読みはじめて、ようやく完読。
ことしは去年よりも読みたい本がたくさんあるので、出だしは順調でうれしいかも。
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「子供を沈める」
いじめを苦にして自殺した被害者が、4人の加害者の子どもに生まれ変わってくるというお話。
被害者は、加害者の子どもに生まれ変わって何がしたかったのだろうか。初めは復讐なのかと思っていたが、最後の加害者が、他の3人の(加害者の子達)分まであなたを愛すると伝えると、微笑みを返したという形で終わっている。
被害者には、前世でいじめられた(というより、怖い事をされたという曖昧な)記憶は残っていても、母親となっている相手が、そのいじめをしていた当人だと分かっている様子はなく、反省を求めるような素振りもない。
もしかすると、加害者自身が具現化した過去の罪と自ら向き合い、それを乗り越える事が、これ以上ない被害者に対する真摯な反省と償いになるということなのだろうか?
加害者4人が全員、追い詰められて自殺をしてしまっていたら、よくある怖い話。
もちろん、いじめは絶対に問答無用でしてはいけないことだが、加害者が現実を受け止め、これからも向き合おうとする覚悟を被害者も受け入れる展開になっている事で、何か救いのある贖罪の物語に昇華しているような印象を受けた。
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2010年代の発表作を中心に選ばれた現代ホラー短編7選
小野不由美、山白朝子、恒川光太郎、小林泰三、澤村伊智、岩井志麻子、辻村深月のラインナップに期待して読み進めましたが・・・
ホラーよりファンタジーな感覚の作品が多かったです。
ちょっと怖かったのは小野不由美と澤村伊智(さすが!)かな??
辻村深月は完全に「ツナグ」の世界観でした。悪くはなかったけど・・(^_^;)
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現代ホラー小説傑作集。これまた全部再読なのだけれど、傑作揃いというほかのないセレクションです。
かるかやシリーズの「芙蓉忌」、実はシリーズ他の作品に較べると印象が薄かったのですが。再読してみると、なかなかに怖いしひっそりとした切なさも感じる名作でした。なによりこのアンソロジーがこの一編で幕を開け、そしてラストが「七つのカップ」で優しく終わるという構成も素敵なのですよね(ラスト一歩手前が「あまぞわい」でとことんどんよりしたあとだというのもまた)。
小林泰三さんの「お祖父ちゃんの絵」をセレクトするというのもまたなんとも。これ、最初に読んでいるうちは「お祖母ちゃんの絵」の間違いじゃないの? って思うんですよね。それがタイトルの意味を知った時、なんという酷い意味なんだ、と。小林泰三作品にしてはまだましだと思ったのが、良い意味で裏切られた作品でした。
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小野不由美と山白朝子は既読でした。
私は影牢よりこっちが好きでした(向こうも面白かったけど)。好きな作家さんばかりだし、作品によってガラッと雰囲気が変わり面白いです。
特に辻村深月「七つのカップ」は短いながら印象に残るお話でした。