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投稿者:ママさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても温かい気持ちになる読後感の素敵なお話でした。
色々な人がそれぞれ生きてきて色々な過去があるけれど、心でなんとなぁく助け合ってそして又別れていく…又どこかで会えるかもしれない…
とても素敵です。
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カバーに惹かれて読みました。
桜木紫乃さんの作品は「ホテルローヤル」以来。
「ホテルローヤル」があまり私にはフィットしなかったので、この作品はどうかな?と思っていたけど、良かったです!
読み始めてすぐは章介の暮らしぶりの描写から湿っぽいお話かな?と思っていたけど、ショーに出演する3人が登場して章介と暮らし始めてからはガラリと変わった気がします。
この4人の関係がとても良かった。師匠もブルーボーイもストリッパーも、みんな良き人だった。
3人が釧路にいられる期間が決まっていたからこそのこの濃密な関係を築けたのかもしれないけど、3人と別れる時に章介が泣いて寂しいと思えるようになったことが良かったなぁと思います。
章介が転んだ時に助けてくれたタクシーのおじさんがよかった。あの場面が好きです。
釧路には行ったことがないのに、なんとなく釧路の風景が浮かびます。
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身を切るような北の地の寒さの中、諦観と無自覚な寂しさを抱えて日々を過ごす主人公。
マジシャンとブルーボーイにストリッパーという、個性の強い面々との出会いと、思いがけず始まった共同生活が、少しずつ冷えた日常をあたためていく。見守るような気持ちで読んだ。
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最高です!いやホントおもしろかった!
切なくて幸せで悲しくてほっこりする間合いが秀逸
久しぶりに本を読んで笑い声と涙が出た
スパイスの効いたロックでシャンソンなブルース
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桜木紫乃『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』角川文庫。
ちょっと変わったタイトルの1人の青年の再生の物語。ラストの余韻が素晴らしい。
人生というのは山あり谷あり。すんなりと山を登り切れないのが人生だ。静かに暮らそうとしても波風は必ず起きる。それが家族のことだったり、家庭のことだったり、仕事のことだったりと。しかし、何があっても家族の支えがあれば、大概のことは乗り切れるものだ。そして、そういう困難を乗り切る度に人は強くなれる。
昭和という古き善き時代の北海道が舞台。
母親から博打打ちの父親の訃報を聞いても、キャバレーの下働きで糊口を凌ぎながら、廃屋のような寮に帰って寝るだけという名倉章介の生活は一つも変わることはなかった。
しかし、年末に師匠と名乗るマジシャンのチャーリー片西、女言葉の男性シャンソン歌手のソコ・シャネル、ストリッパーのフラワーひとみの3人がキャバレーに出演し、章介が暮らす寮で奇妙な共同生活が始まる。
苦労の多い人生を送りながらも、毎夜キャバレーのステージを沸かす3人と触れ合ううちに章介の中で何かが少しずつ変わっていく。
時代は平成に変わり、章介は東京で働いていた……
本体価格740円
★★★★★
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「ボンと師匠とソコ•シャネルとひとみさん」
ギャンブル好きの父親 苦労させられる母親の姿を見て育った章介。幼少期家族との思い出も…。
言われるがまま人情薄く気がつけばヒモと思われても仕方がない生活。そんな彼がパラダイスに雇われたタレント個性豊かな3人と出会い賑やかな生活で人との出会い、別れが近づく寂しさを感じる短い期間で体験した素敵な思い出。
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初めての作家さんです。登場人物のキャラクターがどれも個性的で、物語に立体感がありました。北の地、夜の世界のお話なのに、しんみりし過ぎることも無く軽やかに進んで読みやすい。心に影を抱えた者同士の、程良い距離を保ったまま心を開いていく様子…ありのままの姿で繋がる温もりを、感じさせてもらえた気がします。
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あぁ、ここでこうなるんだな、と思ったところから涙が。
人との関わりが、人を変えていきそうで、そうでもなくて。
いい小説を読みました。
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俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
タイトルのメンツでの奇妙な共同生活が心地よかった。
難しいお節介も彼ら(彼女ら)には嫌味がなく、
かといって深入りしすぎない。
いつの間にかこの生活があと少し続くことを願いながら読んでいた。
実写化への熱量あふれるあとがきも良かった。
いつか観てみたいな。
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昭和の日本。
激しいのに何の規制もない日々。
人は一人ではないと。なんだか温かい気持ちになる。三島さんの後書きに企画があったように映画化を楽しみに、一人配役を妄想(笑)
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キャバレー勤めの主人公の元に現れたオカマ歌手、年増の踊り子、老いたマジシャンの物語。
ところどころ笑いあり、終盤は感動するシーンありでこの作品には喜怒哀楽が詰め込まれてると感じた。
この作品が自分の過去、特に恋愛について思い出させてくれたかな。
どこか昔が懐かしくなるそんな作品です。
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題名に惹かれて読み始めた、初・桜木紫乃さん。読み終わりに「師匠〜」と章介の視線と重なって涙が出てしまった。
昭和の終わり、極寒の地、道東の港町にあるキャバレー「パラダイス」が舞台。
博打うちの父が亡くなりようやく解放された母から骨つぼを押し付けられ、綺麗好きなひとなら気絶しそうな寮で寝起きしているキャバレーの下働きの章介が主人公。
そんな折、月替わりゲストにやってきたのは、失敗ばかりするマジシャン、お寺の次男のシャンソン歌手ブルーボーイと自称28歳の口の悪いストリッパー。キャラ強めな三人となぜか一緒に住むことになって…というお話です。
読み進めるうちに当たり前だけど本のページが減ってきて、少なくなっていく本の左側の厚みに寂しい気持ちが募って、読み進めたいけど、読み終わりたくない…となってました。
あとがき…是非とも実現してほしい。シャネルのその後、ひとみさんのその後も短編でもいいから読みたいなぁ。
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自分の中の色々な感情が重なるし交差するし、
とにかくパラダイスに関わりたい気持ちになる。
長くもないのに濃すぎる思い出。
ふと気になって、まぁ買ってみるかくらいで買ったのに、こんなに良いとは、、、、
結末は寝る前の時間に読んでほしい。
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久しぶりの桜木紫乃に、あぁやっぱり私が読みたい作家だと思っていたのに、しばらく進むと桜木紫乃を読んでいるということを忘れてしまいました。まるで高殿円の『グランドシャトー』を読んだときと同じ高揚感に駆られる。
博打のためなら女房も売るような人でなしの父親が死に、母親とも離れてキャバレーに勤める章介。わずかな喜怒哀楽を表す場面もなかったような日々が、ドサ回りの芸人3人とひと月共同生活を送るうちに変わります。
楽しくて、切なくて、永遠に読み終わりたくない気持ちに。北の国のキャバレーの話も最高だ。人生って、悪くない。
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今年のベスト10ランクイン候補!
この、物哀しいのに明るい、そして前に進んでいく話、大好きだ♡
桜木紫乃作品は3冊目、初の明るい作品。
舞台は作者出身地の釧路のキャバレー『パラダイス』
主人公はそこで下働きをしている青年:章介。
パラダイスに年末年始のショータレント3人がやって来る。
北東の果ての凍てつく土地の哀愁と、いろんな人生を背負った人たち。
タレント達と共同生活をする内に、章介も成長していくのだ。
ブルーボーイという表現を初めて知った。シャンソン歌手やストリッパー、マジシャンの海千山千の人生論に唸った。