紙の本
生成AIをわかりやすく解説してくれるし、見通せないこともわかってくる
2024/03/07 10:42
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
AIが話題となり始めた頃はそれほどものではないと感じた人が多いと思う。しかし、ChatGPTが出てきてイメージが変わった人が多い。本書は、東京大学松尾研究室に所属する新進気鋭の研究者が、生成AIについて、わかりやすくまとめたものである。最近の研究について、大規模言語モデル等の生成AIにおける強化学習に興味を持って取り組んでいるという。新書という限られたところでどんな展開をされるのであろうか。目次を見ると、
はじめに
第1章 「生成AI革命」という歴史の転換点
生成AIは人類の脅威か? 救世主か?
第2章 生成AIの背後にある技術
塗り替わるテクノロジーの現在地とは?
第3章 AIのよって消える仕事・残る仕事
生成AIを労働の味方にするには?
第4章 AIが問い直す「創作」の価値
生成AIは創作ツールか? 創作者か?
第5章 生成AIとともに歩む人類の未来
「言語の獲得」以来の革新になるか?
特別対談 松尾豊×今井翔太
生成AI時代に求められるスキルとマインドとは?
おわりに
本書で使用した生成AIまとめ、参照サイトまとめ、参考文献
以上のように展開される。生成AIという分野(AI全体かも)は、どんどん変化していくので、1年といわずあっという間に変わっていくというとんでもない世界であり、率直に書かれている。生成AIとは何かを生成AIに答えさせ、優等生の回答をする。しかし、著者は補足する。背後にある技術も解説する。ChatGPTは新しい技術のよって作られたものではないことは多くの方が指摘している。これまでの技術的な積み上げ以上に、資金調達や組織的な取り組み等の影響が大きいといわれている。技術面でも裏付けてくれる。生成AIは人間にどんな影響を与えるのであろうか。難問であり、どんな労働、職業に影響を与えるかの予測は、少し時代が変わるだけで内容が変わってしまう。単純労働が駆逐されるというところから知的労働への影響が大きいとかである。わからなというか、先が見えない分野である。何がわからないかという理解も必要だろう。一読してほしい本である。
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RAG、LangChain、LlamaIndexのあたりの話題を知らなかったのでいい発見になりました。基盤モデルの進化を座して待つのではなく、自分たちのローカルなデータを使っていけるかもと夢を抱きました。
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生成AIが人に幸せをもたらすとは正直あまり思えなくて、本当にそうなのだろうか?と思ってこの本を手に取った。
読み終えて思ったのは、生成AIを手にしたからこそ、「人間中心の社会」が来るかもしれない、人間の豊かな感情を活かせるかもしれない、ということだ。
効率化や論理を至上とする社会にうんざりしていた背景もあるが、生成AIによってそこから解放され、創作なりスポーツなり情操的な活動に時間を使えるのなら、それが1番人間らしい幸福の形なのではないだろうか。少なくとも、私が日頃求めてやまない幸福に近いことは間違いない。
まだ自分の中で腑に落ちてはいないところもあるが、自分の幸福のために生成AIを使ってみよう、そう思えたのはすごくよかった。
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元ゲーマーで現在は東大の松尾研究室で人工知能の研究をやっている弱冠30歳の著者が書いた本。生成AIについては勉強しなくてはと思い、購入しましたが、専門的な本ではなく、AIの知識のない私でも3時間程度で読了できる本です。
2022年にChat GPTが公開されたということは、AIにとっての認知革命とも言えるできごとであり、AIが人間の知能を超えるのはもはや時間の問題となった。
これからの時代は、人間の知能の謎が解けることによって人間社会のあり方が大きな影響を受けるのだが、その研究をしているのは果たして人間なのだろうか?AIが人間の知的能力の大半の分野で人間を上回ることになった時には、私たちが犬や猫の能力の優劣にほとんど関心を持たないのと同じように、超知能の基準からすれば一般人とアインシュタインの間にも大した差異はないことになる。というのは怖しいことだと思った。
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さすがまさに強化学習・AIの研究者自身による著書で。ChatGPTやMidjourneyがどのような仕組みでできているのかをここまでわかりやすく説明できるとは。新書の分量ながら今後の見通しや著作権法などまんべんなく触れられており、単なる「こういうことができる」というのではない知識を得るのに良書。
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AIの出現による社会変革を深掘り。人間とAIの創造性を比較し、未来を予測。生産性の向上と、AI時代の人間の新たな役割を鮮明に描く。読む者に深い理解と期待をもたらす一冊。
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人類の知的活動のすべてを根底から変えてしまう生成AIの歴史から現状さらに将来と、わかりやすく整理されておりとても刺激的でした。まさか自分が生きているうちにこのようなものが出現すると思っていませんでしたので、本当に「間に合ってよかった」と思っています。
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知識の記述におけるボトルネック(暗黙知、枚挙の困難性、記述の解像度など)を、教師あり学習では正解例の提示で解決し、言語モデルでは組み合わせ的創造性で(おそらく)解決している。
ChatGPTの実現には、学習の面とモデル構造の面でブレイクするーがあった。学習の面では、(1) 自己教師あり学習(ラフに言うと穴埋め問題)による教師データを膨大に増やしたこと、加えて、InstructGPTにおいて、(2) 教師ありファインチューニングすなわちプロンプトと回答の正解例による学習)と、(3) RLHF (Reinforcement Learning From Human Feedback)すなわち人間による評価に基づいて強化学習で報酬モデルを学習し、その報酬モデルを回答の好ましさの評価に用いたことが、重要であった。また、モデル構造の面では、注意機構(入力内の予想間の関係を計算して注目すべき情報を重み付けする)を備えるトランスフォーマーが重要であった。
言語生成については言語モデル、画像生成については拡散モデルが支配的。
スケーリング則と能力創発。
少数例プロンプト、CoTプロンプト。
研究プロセスの自動化:課題策定、研究実行、成果発表のフェーズごとに、生成AIの読解・執筆・アイデア生成の機能を利用。
Computational creativity:組み合わせ的創造性、探索的創造性、革新的創造性。
画像や音楽に対して、プロンプトという言葉で制御できる範囲が限定的。ControlNetのような、細かい特徴をお好みで制御することを容易にする技術は他の分野でも発展しそう。
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これまでの経緯・これからの事象を掻い摘んで把握するのに丁度よいボリュームの新書。日本で先端にいる研究室に所属している著者とその師匠の対談も収録。
以下いくつかピックアップ。
・「極端な行動を取ること」
・「自分自身のメタ認知をもう少し上げたほうがいい」
・勝負に勝つには、人ができない努力を淡々とやり続けたり、勝負どころを見極めて「ここだ」と思ったら一気に仕掛けたりすることが必要です。
・「自分の人生」というゲームの主人公は「自分」です。どんなシナリオであろうが、うまくプレイすることができるはずです。みんながそういうの心構えで自分の人生をコントロールすれば、結果的に日本全体が良くなるのではないでしょうか。
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わかりやすい。
最後の松尾先生との対談だけでも読んでもらおうかな。
メタ認知あげる、やる人はやる。
研究でも仕事でも同じ。
人に教えを請う時点で出遅れてるってのも、その通り。
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AIの進化は日進月歩であり、ここ最近はものすごいスピードで変化していますが、本書では、生成AIの登場から発展について、わかりやすく説明してくれています。
AIが発展することによる最悪のシナリオは、人類がAIによって支配される世界、ではないでしょうか。ChatGPTの存在を知って以降、もしかするとそう遠くない未来に起こりそうにも思ってしまうのでは、と考えなくもないです。
また、AIの発展により、無くなる職業がある、という話も人々を不安にさせる要素の1つかもしれません。どちらかというと、ホワイトカラーの職業がAIによって無くなる可能性が高いようですが、本当は仕事が無くなる、と考えること自体が間違った思考なのかもしれません。
恐らく、私が想像する以上に、AIでできることはたくさんあり、人間でしかできないと思っていることでも、簡単にできるようになるかもしれません。そもそも、人間の創造力にしたって、過去の様々な創造を組み合わせてできあがったものも多くあり、過去の経験や記録を活かして新しいものを作り上げるのならば、AIにはお手の物だと思います。また、本来は人間にしかできないと考えられていた『暗黙知(言葉で表現できる以上のことを知っている】に関わる非定型作業でさえ、AIは可能にしていっています。
今まさに、人類の価値観は大きく転換していこうとしているのだと思います。人類史上、誰もが経験したことも予測もできない時代の転換期にいるからこそ、起こるかどうかわからない未来に対する不安ではなく、自分たちがどう生きていくのか、なのかもしれません。
AI技術は、私たちの生活に利便性をもたらしてくれるものでもあります。同時に、その利便性の中で、自分たち自身がAIに従う生き方をするのか、AIを活用する生き方をするのかが問われているのかもしれません。何も考えることなく、利便性を享受するだけだと、人は大切なことが見えなくなっていくのかもしれません。
AIというデジタルの発展と共に、精神性や思想、思考と言った人の内面性を高めていくことも必要なのではないかな、とも思います。時代の変化は必ず訪れます。その変化に適応しながらも、自分の軸をしっかりもって生きていきたいものです。
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生成AIの仕事への影響を考えた時に、「労働補完型」か「労働置換型」かという視点の話は面白いと感じました。高所得の仕事も生成AIで代替される可能性もあるというのは生成AIの成長ぷりを恐ろしく感じてしまう。
プログラミングの世界も「ノーコード」「ローコード」でできるのは、プログラミングが苦手な私には嬉しいかも。
またAIの食料源であるデータに対する著作権の問題も、法律が新しいものに対していつも後追いだけど、これからのAIの進歩を考えると、日々、改正されないと破綻するのではと思ってしまう。
それでも、生成AIに限らず、新しいものに興味を持つだけで終わるのか、実際に利用するのかは、巻末の松尾豊氏との対談でもありますが、好きになれるかなれないかの大切な要素でしょうね。
ChatGPTの好き嫌いに関わらず、これから先は必須のスキルになるのでしょうね。
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生成AI革命・歴史の転換点:この世にない新しいもの 超知能の誕生 技術―テクノロジーの現在地:言語モデル・穴埋め問題 スケーリング則 能力創発 条件付き生成 消える仕事・残る仕事:ポランニーのパラドックス 労働補完・置換型 生産性向上・自動化 創作の価値:AIは創造性を持つか 組み合わせ・探索・革新 新技術→新たな文化 人間がつくったか 人類の未来―人類の言語の獲得以来の革命:デジタルコンテンツ 送り手と受け手希薄化 DL=眼誕生 生成AI=認知革命 凡人とアインシュタイン 予測不能な高次の領域 メタ認知
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AIを受け入れる人、受け入れられない人。
AIを駆使できる人、出来ない人。
AIを使う人、AIに使われる人、、、
AIの進化でますます二極化がすすむと実感。
今の段階では生成AIへの指示書をいかに上手く書けるかが鍵のようだ。
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生成AIについてわかりやすく解説した本。
生成AIについて知りたいなら、まず本書を読むことをオススメします。生成AIのしくみや、生成AIが社会に与える影響など、生成AIについて最低限知っておきたいことが書かれています。