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読者の皆様、明けましておめでとうございます。
この時期のメインイベントといえば、初詣。
初詣で多くの人が授与所で頂くものといえば、お守り。
そんなお守りのルーツをたどると興味深いことが分かった。
「いつ読むか、今でしょう」ということで、読んでみた。
最古のお守りはいつだったのか。
それは長岡京で延暦9年(790)の秋から冬にかけて、原因不明の疫病と受け止められた天然痘が広まり、人々は感染するのではないかとおびえていた。
そういうときに人々が頼ったのは、素盞鳴尊(すさのうのみこと)の故事に傚った「蘇民将来之子孫者(そみんしょうらいのしそんのもの)」と記された呪符木管だった。
長岡京跡から発見された。
「疾病の大流行がお守りを誕生させたとは、なんと皮肉なことではありませんか」と著者は述べている。
現代でもコロナ禍で話題になった「アマビエ」があるくらいだから、いつの時代も何かにすがりたくなる心理は変わらないようだ。
神社やお寺で授与されるお守りは、明治時代になってからのようだった。
一般にお守りと呼んでいるものは、「守り札」の尊称で、神仏の名号(みょうごう)や、社寺の名を記したお札(またの名を護符とも言う)をコンパクトにした、お守り=お札。
この習慣が広まったのは、中世以降だそうだ。
日本人は、昔から大きいものを小さくまとめるのが好きなのかなとふと思った。
ここで大きく関わったのは「御師(おし)」というブラタモリで何回か登場した「現代のコンシュルジュ」(byタモリ)だ。
熊野権現(熊野大社)の御師は、八咫烏(やたがらす)という熊野権現の使いを意匠した「熊野牛王符(くまのごおうふ)」と呼ぶ特殊なお札を全国に広めた。
江戸時代になると伊勢神宮の伊勢御師(伊勢地方では「おんし」と呼ぶ)が、活躍して、毎年一度、御師檀家宅を訪れ、「大神宮」と書かれている「大麻」と呼ぶお札を配布した。
神社やお寺に参拝して頂くことのある「お守り」について知らないことが多くあったので興味深いなあ。