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【世界500万部、「2022年最も売れたデビュー小説」】60年代米国、未婚のシングルマザーの化学者・エリザベスは男社会で大奮闘するが――世界が共感した痛快エンパワー&エンタメ小説!
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くそみたいな男性が多すぎて読むのがつらい。
エリザベスやマッド、ハリエット、フラスクが「でも」とか言わなくていい世界を追求しましょう。
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「悲痛な話ではあるが笑えて痛快」という絶賛評を目にして、それは読まねば!と手に取ったのだけど、うーん、なんか違う。まちがいなく悲痛、でも特に笑えなかったし、痛快だとも思えなかった。評判がいいみたいなので、自分のような読み方は少数なのだろうけど、納得いかないことが結構あるので、そのあたりを以下に。
・なによりもまず、主人公ゾットを敵視する人たちの言動があまりにも不愉快でうんざりする。いやもちろん、ここで描かれるような(性)暴力やあからさまな差別的扱いが、舞台となっている60年代に実際にあったことだというのはわかるけど、それにしても不快指数が高すぎる。
・ラストでやっとゾットの願いがかなうが、それが「お金持ちに救われる」という形なのはどうなのか。あんまり「痛快」じゃないような。
・あえてそうしているのかもしれないが、ゾットに感化される女性たちの描き方が単純すぎる。そんなに簡単に考え方を変えたり行動を起こしたりするものだろうか。
・読み終えてやりきれない気持ちになる理由の一つは、ゾットの恋人ギャルビンが真実を知らずに死んだのが不憫でたまらないこと。それに、ギャルビンの母がずっと会いに来なかった理由に説得力がないような気がする。
・気の利いた言い回しがちょこちょこあって、それは悪くないんだけど、「ユーモアたっぷり」「大笑い」とは言えない。
ケチつけの最後に。ゾットの飼い犬シックス=サーティが、犬好きの人にはたまらなくかわいいみたいだけど、わたしは犬好きではないのでよくわからない。
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1950-60年代のアメリカ。今よりもずっと、女性が1人の人間として正しく評価され生きていくことが難しかった時代。
そんな時代に科学者として生きようとするエリザベスの人生は、理不尽でやり切れなくて悲痛なことばかり。それでも強く真っ直ぐ進むエリザベスに、気づいたら私は、一女性としてファンになっていた。
振り返ってみてもエリザベスの人生はあまりにも悲しいことばかりなのに、
軽快な語り口調と愛らしい周りの人(と犬)、
男社会に迎合せず真っ直ぐ立ち向かうエリザベス、
悲痛なのに痛快で愛らしい物語だった。
読み終わる頃には自然と涙が流れていて、
険しい道を歩み社会を変えてきてくれたこれまでの女性たちに思いを馳せると共に
私にとっても戦友のような本と出会えたなと思った。
きっとこれからも困難なことがあるたびに、私はエリザベスを思い出すと思う。
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1950年代のアメリカ。科学研究所で一人だけの女性科学者のエリザベス。女性というだけで理不尽な扱いを受け、真っ当に研究に没頭できない。ハラスメントやミソジニーが溢れていて女性への差別と男性の傲慢さがこれでもかと展開されていく。そんな中にあってエリザベスの主張が今の時代にも繋がるものでとても強いメッセージとなって読者に届く。
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KL2024.2.16-2024.2.18
1960年代アメリカ。
今よりはるかにひどい性差別、女性蔑視、偏見。とりわけ権力をもつ男たちの傲慢さ、卑劣さは驚くばかり。
エリザベスはそこに怯むことなく立ち向かっていくのだが、それでも状況が良くなるとは限らない。エリザベスでさえも撤退せざるを得ない時があるから、読んでいて苦しくなる時もある。
そして現代の今、程度は減ったかもしれないが、実は何もほとんど変わっていないことに愕然とする。
終盤は胸のすくような展開で、素敵なラストになっていてよかった。
ただ、キャルヴィンが"実の父親"を恨んだまま死んでいったことは残念でならない。
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1960年代アメリカの女性化学者が料理番組の出演者になるという物語。
現代と違い、男性社会の中でも特に女性蔑視のあった科学界。
イギリスやアメリカで大ベストセラーになったのは驚きである。何より主人公や聖職者でさえが「神を信じない」と断言する。
宗教の話はタブーとされてきた欧米で、この物語がどうやって迎え入れられたのかそこの方が興味深い。
この本がデビュー作という著者はこれからどんな物語を生み出していくのだろうか?
大いに化学変化のある物語であって欲しい。
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『新洋書ベスト500プラス』で気になっていた一冊。
短い期間で読破するのがもったいないと思いつつも、時間の許す限り読み進めたせいでなかなか一区切りつけなかった笑 そして今はじんわり涙腺が緩んでいる。積読本さえなければ一から読み直したいのに!
やっぱり「気になる」の勘はバカにできないな。
才能ある化学者エリザベス・ゾットは不当な理由で所属していた研究所を解雇される。未婚でシングルマザーとなった彼女は、生活の収入を得るため不本意ながらも料理番組に出演することに。
「料理は化学です」前代未聞の化学×料理番組のオンエア…果たして視聴者の反応やいかに?
「何よりひどいのは、論理のめちゃくちゃなこの話し合いが科学のための施設でおこなわれているということだ」
「この国で男性が一日だけ女性として過ごすことになったら、お昼までもたないでしょうね」
「フェミニズム」というと極端な主張を振りかざす人がいるようなマイナスイメージが先行しがちだが、本書の舞台は1950−60年代の米国。つまり女性の地位が男性優位社会によって貶められており、寿退社は当然の事ながら功績をあげても男性に横取りされる、今よりずっとおぞましい時代だった。
求められるのはただ一つ、「感じのよい女性」になること。そういえばエリザベスの料理番組も当初は、「仕事帰りの男性」が喜びそうな美しくてセクシーな女性講師像が求められていた。
不満を覚えたり反発しても結局は男性が好き勝手に作り上げた規範に「そういうものだから」と丸め込まれてしまう。(エリザベスの言葉を借りるなら)その規範には科学的根拠が一切ないというのに。
「わたしはエリザベス・ゾットでいたい。それは大事なことなの」
フェミニズムだけではない。家族の在り方・宗教と科学の衝突・メディアにおける発言の自由と、さまざまな論争が本書では繰り広げられていた。
特に宗教の問題は根深い。それはエリザベスと恋人キャルヴィンの生い立ちや、親世代にまで強く食い込んでいる。五世代牧師家系のウェイクリーですらそれを疑問視していたくらいだ。
「血の繋がった者しか家族と認められない」というこれまた厳格な宗教規範が、エリザベスの娘マッドへの宿題「家族の木」にまで及んでいる。(イラストの木に沿って正しく「家族」の名前を埋めなければいけないのだ)
フィクションながら残酷な仕打ちである。
一方で、最終的に981個の人語を解した飼い犬シックス=サーティ(風変わりな名前だけど、命名の理由が論理的でありながらハートウォーミング!)や天才的な5歳児のマッドは未来への希望だ。ゾット家では宗教的な家族観を飛び越え、それぞれが対等にある。
性別や立場etc.といった妙な規範に囚われず、自分が望むままに生きる。彼らなら、そして一緒に物語を生きた我々ならきっと大丈夫だろう。宗教改革ならぬ意識改革を国中に波及させた、あのエリザベスの「家族」なんだから。
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本書を3分の1ほど読み進めた頃、NHKで朝の連続テレビ小説『虎に翼』の放映が始まった。
舞台は1931年の東京。後に日本初の女性弁護士となる主人公は女学校卒業間近、聡明で社会の出来事に関心を持ち、新聞を丁寧に読んで、疑問に感じたことはすぐ口にする。結婚こそ女の幸せとする世間の風潮に戸惑い、初対面の男に「女の癖に生意気だ」と怒鳴られる。
…なんだか、似たようなハナシを今、読んでいるぞ?
本書の舞台は1960年代のアメリカ。『虎に翼(1週目)』から30年後のアメリカですらこの体たらくな訳で、『虎』の主人公たちの道はまだまだ遠い。
日経新聞の書評欄で本書の存在を知り、図書館で予約したら、例によって日経パワーで数日も待たずに届いた(笑)。帰宅後、長女に本の内容を話して「虐げられた女性が、自らの能力と努力で、男どもをぎゃふんと言わせて成功していく話は痛快だよね」と言ったら「ふぅん?」と、ぴんとこない顔をした。
あぁ。現在大学生のこの娘は、女だからって差別されたり罵られたりの経験がないんだ。学校の名簿は男女区別ないし、家庭科の授業も、男子技術女子家庭科じゃなくて男女一緒に受けてたし。
日本は未だに、世界的にもジェンダー平等レベルは低いけれど、それでも少しずつ、牛歩ながら良くなってはいる。と思いたい。
物語の内容は、全体としては、とても面白かったのだけれど、…少々都合よすぎ、かなぁ? 爽快ではあるが偶然の要素が多いし、主人公はスーパー過ぎだし、犬が人間の言葉で思考するってのは化学というよりファンタジーだし。似たような名前の登場人物が多くて混乱したし、最後の種明かしも、説明不足だった。イヤ面白かったんですけども(2回言う)。
昨秋にテレビドラマ化されていて、町山智浩がラジオで解説していたのを聴いた。配信サービスに加入していないので観ることはできないのだけれど、どうやら大分改変されている様子だ。いつか観る機会があったとして…、面白くなってるといいな。(2024-03-26L)
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女性の能力が活かせない時代の閉塞感をまざまざと感じました。エリザベスが何を言われても自分を貫き料理を化学で伝えるところ、そして女性に自信を与えるところが実に痛快です。私たちは毎日化学の実験をしてるんですね。素晴らしい事業を成し遂げていることに自信が持てました。楽しく読めました。
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★5 キュートすぎる! 女性の社会進出をテーマにした家族愛あふれる物語 #化学の授業をはじめます
■あらすじ
60年代アメリカ、女性科学者の主人公エリザベスは研究所に勤務していた。当時は女性の研究者は成果を認められない社会で、所内ではセクハラも当然のように横行していたのだ。将来有望とされる研究者キャルヴィンに出会い、二人は恋仲になってゆく…
その後彼女は、思いがけないことから料理番組の司会の仕事をもらうことになる。料理を科学的に紹介していく彼女は、テレビ局の反感を買ってしまうが、次第に人気番組になっていくのだった。
■きっと読みたくなるレビュー
面白いー!★5
2022年から23年にかけて、ずっとNYタイムスのベストセラーランキングでTOPに君臨していた本作。大人気だな~と気になっていたので、翻訳されたら読んでみたいと思ってました。
時代背景は50年代後半から60年代、アメリカでも性差別や人種差別が横行している時代。セクハラ、パワハラなんて当たり前で、女性の社会進出なんて発想の概念すらない。現代でもまだまだ男社会は残っていますが、この時代はもはや虐待レベルにヒドイ。
そんな社会で生きぬくエリザベスなんですが、これが超カッコいいんですよ。生まれ育った家庭環境も反面教師にし、たゆまぬ努力を重ねやりたいことに向かってゆく。自身の研究が認められるためなら、絶対に、死んでも、なにがなんでも、信条を曲げないんです。実際近くにいると合わせるのが大変なんでしょうが、こういう人たちが世の中を変えていくんでしょうね。
傍若無人ではあるんですが、ちゃんと理解さえすれば、実は誰よりも素直。昔気質のオヤジじゃないけど、人間味あふれる愛らしい人なんですよね。
本作ではその他登場人物たち全員が、めっちゃイキイキ踊ってるの。お気に入りのキャラたちをご紹介します。
●恋人 キャルヴィン
まぁ典型的な研究者ですよ。でもエリザベスのために、自身を犠牲にする姿はまるで自分自身を見ているかのようです(ちと自己過大評価)。
●娘 マッド
ママの片鱗が出てるところが愛らしいんですよね~、末恐ろしい女の子。素直で元気、やっぱり女の子が欲しいと思っちゃいました。
●TVプロデューサー ウォルター
イチ推しキャラ。もうね、涙流しながら笑い転げましたよ。横暴なチーフPと絶対に芯を曲げないエリザベスに挟まれ、まさに中間管理職。息絶え絶えに吐き出される台詞が、可哀そすぎて大爆笑させてもらいました。
●ご近所の奥様 ハリエット
彼女は名プレイヤーでしたね~。女房役のキャッチャーみたいに、主人公をしっかりと支えてくれました。「自分を優先する時間を持つ」このセリフは刺さりましたね。私も妻が育児に奔走しているときに、もっとしてあげられることはなかったのか…反省をしております。
●6時30分
なぜ時刻がキャラ名なのか、読んでいただければわかります。可愛い、とにかくかわいい。
他にもおすすめキャラがたくさんいますが、特に悪者がイイ!ほとほとクズだなぁと呆れますが、現代でも似たようなことをやってる奴がたまにいるので、正直笑えませんよね。
ストーリーもテンポよく展開され、次のプロットを読ませるのが上手。どんどん読んじゃいます。終盤からラストにかけて、意外な真相が涙腺に来ました。すでに映像化されてるとのことで、AppleTVでレッスンinケミストリーの無料エピソード見ちまったよ。はー、続きが観たい。
■ぜっさん推しポイント
女性が、妻が、母親が、いかに重責で大変な環境で生きているか理解できる作品です。可愛らしさや笑いもあるし、思いっきり楽しみながら学ばせていただきました。やはり能力と乗り越える意思がある人達は、みんなが応援してあげられる世の中にしたいですね。
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昨年、観るつもりのなかった「Barbie」を猛烈に薦められて観て、猛烈に心動いた以上に、超猛烈な感動です!おもしろく、痛く、深く心揺さぶられました…1986年男女雇用機会均等法第一世代の女性が部署に入ってきて、3年後、彼女が結婚するという報告を受けた時に「おめでとう!で、いつ会社辞めるの?」と発言したこと、今でもその当人から揶揄されます。その人はもちろん寿退社などせずに仕事でも頭角を表し、その分野での第一人者に、そして会社でもリーダーの一人になっています。不適切にもほどがある黒歴史です。お恥ずかしい限りです。その遥か以前の1960年代がこの物語の舞台です。光文社新書の「アートとフェミニズムは誰のもの?」を読んだ時にジャクソン・ポロックとリー・クラズナーの関係を知り動揺しました。アートという感性領域でももちろんですが科学というアカデミズムの世界ではさらなるジェンダーギャップの積み重ねがあるのでしょう。mRNAでノーベル賞を受賞したカリコ博士の闘いも思い出されます。そう言えば、東工大の入試の女子枠の問題もありました。差別の解消なのか、逆差別なのか…エリザベスの問題は今も続いているのが、この本が600万部も売れている理由なのでしょう。本書の中の徹底的な悪役たちを嗤うこと、本当に出来るのか、30年前の発言のようなコンサバ成分、今の自分には皆無なのか?自問自答させる苦さも感じる読後です。
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すごく売れている本みたいやけど、私にはあんまりピンとくるものは無く。
このストーリーだったらページ数が半分くらいでもよかったのでは、、と思ってしまった。
ラストも予想できたし、全体に話も設定もまとまり過ぎ、分かりやす過ぎて面白みがあまりなかった。
私にとっては行間を感じ自分の血肉にしていく読書の喜びも特に無かった。
でもこれが今めちゃくちゃ売れる理由はすごく分かる。
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ここで私がみなさんにお伝えしたいのは
「正しい」って気持ちいい!ってことです
はい、というわけで秋さんの本棚から『化学の授業をはじめます。』です
相変わらず秋さんのレビューは「読みたいゴコロ」くすぐって来やがるので危険です
読みたい本が増え過ぎて困るんでみなさんも秋さんのレビューあんま読まないほうがいいですよ
これマジで言ってますw
時は1960年代アメリカ、それはもうガッツリとカトリック的家族観に支配された世界
女性は良き妻であり良き母になるための存在であり、しかもその「良き」は男性にとってだけ都合のいい基準でした
うーん(゜-゜)
やばいめちゃくちゃ面白かったのよ!
この「めちゃくちゃ面白かった」を伝えるにはある程度あらすじにも触れたほうがいいんだけど、めんどくさくなってきた
どうしたもんか…
( ゚д゚)ハッ!
秋さんのレビュー読んで下さい(いや読んだほうがいいんか悪いんかどっちやねーん!ていう)
まぁとにかく主人公のエリザベスが真っ直ぐで気持ちいい!
そして真っ直ぐな人にはいつの間にか味方が増えていって気持ちいい!
悪い奴らは懲らしめられて気持ちいい!
善き人たちはみんなハッピーエンドで気持ちいい!
わいの大好きな勧善懲悪の物語
「正しい」って気持ちいい!
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大学で有機化学を専攻し、卒業後化学会社で合成ゴムの技術開発部に勤めた後、めぐり巡って調理師になっていた。自分のつくる料理は化学反応だったし、パン生地をこねて焼くのはタイヤ用ゴムを成形する工程と似ていた。「料理は化学です」とブックカバーにあったからこの本を手に取った理由。
しかし、本編は、そのフレーズの後に続く「それなら、あなたはなにを変えるか」を背景にしていた。
とにかく、嫌な奴がいっぱい出てくる。嫌なシーン、どうしてこうなるとか、偏屈さ、もう読みたくなくなるようなシーンが続く。どれも自分の中に居る、男、女、人だから、読んでいて気分がどんどん落ち込んでいく。1960年代アメリカが舞台となれば、これはどこまでいっても救われないではないかというのと、いや、小説だ、何処にハッピーが出てくるはずた。
人は自分の中でいろいろ勝手に考える。化学の実験はその手法が仮説を立てて実験し、結果は成否がある。この方法こそが変化を導いてくれるだ。この本が実話要素を含むのは、この2020年代のジェンダー平等や女性の地位向上の一旦(日本においては入口に立てたか)にあることだろう。皆、誰もが力を発揮し正当に評価において夢を持って生きていける世の中ができることを改めて思わせてくれる本だった。力があるのに、自信を持たずに進めないでいるあの人に読んでほしい。あなたはすごいだから。