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紙の本
第一シリーズの完結。大団円。勘兵衛らしい生きざま。
2024/02/09 08:57
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投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
徳間文庫から出ていた『うぽっぽ』の第一シリーズ『十手綴り』の完結編。
ネタバレになるので、細かく書けないが大団円。勘兵衛の姿が目に浮かんだ。
長かったねぇ、勘兵衛さん。よく辛抱したねぇ、勘兵衛さん。
袖の下を一切取らず、同心として正義を貫く。しかし、単に正義というのでなく、事件の背景まで見透かして、やむにやまれぬ想いを掬い取る。人情という言葉では片付けられない温かさ。そこに、十手持ちの矜持を感じさせる。
十手持ちの矜持、それがいつまでたってもウダツの上がらぬ朱房の十手が物語る。朱房で上等、それが勘兵衛の生きざま、勲章と思う。
中公文庫で新作(第三シリーズ)として『うぽっぽ同心終活指南』が出ているが、この第一シリーズ『十手綴り』との間が飛んでいて、その後の勘兵衛と取り巻きの様子が分からない。勘兵衛の生きざまに変わりはないだろうが。
出来れば、徳間文庫で出ていた第二シリーズ『十手裁き』も引き続き中公文庫から出版して欲しいと思う。
ちなみに、この『うぽっぽ』と『北の御番所反骨日録』は、私のお気に入り。
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