紙の本
また新訳が出版されました。
2024/02/29 19:48
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投稿者:キェルケゴ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここ数年、「老人と海」の新訳が立て続けに出版されているので、気になって読み比べています。
角川文庫版は表紙にヘミングウェイの晩年の写真がアップで使われているので、古き良き昭和の文庫感を醸し出していて好感が持てます。
訳文は読みやすく、解説も充実していて様々な解釈が知れて勉強になりました。
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老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づかう。老人はそんなマノーリンをたのもしく思いながら、まだ自身のプライドも捨ててはいなかった。
翌朝、ひとりで漁に出た老人の釣縄に、巨大なカジキがかかる。そこから、老人とカジキの命を賭けた闘いが始まった。不眠不休の極限を超える死闘のなかで、老人は次第にカジキへの畏敬の念と、強い絆を感じるようになっていく。やがて運命の瞬間が訪れ、満身創痍となった老人に、しかし海は、さらなる試練を課すのだった――。
先日読んだ「傷を抱えて闇を走れ」に、「老人と海」にまつまる問答があったので、初めて読んだ。
小学校国語の教科書に出てくる椋鳩十の「大造じいさんとガン」に重なる部分もあるが、ヘミングウェイの描く老人は、とても人間くさい。
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1920年代から30年代にかけて活躍したアメリカの作家たちを指す「失われた世代」という言葉の響きが、若い頃の私にはやたらと格好良く思え、それらの中心的存在だったヘミングウェイの小説に俄然夢中になった。当然、代表作の「老人と海」にも目を通したのだが、現在となってはあまり記憶に残っておらず、ほとんどが忘却の彼方へと消し去られてしまった。此度、新たな解釈による訳本が出版されたのを機に、およそ40年ぶりに本作と向き合った
90日近く獲物に恵まれずにいる老漁師と巨大なマカジキ、サメらとの攻防を描いたストーリーには、神話にも似た荘厳さが漂い、その研ぎ澄まされた描写はまさにシンプル・イズ・ベストの極みと表現するのが相応しい。単身で大海原の沖合へと小舟を進めた主人公サンティアーゴはさかんに独り言を呟くのだが、そんな彼の様子を一人称ではなく三人称を用いて著した点に斬新な印象を受ける
これまで一般に「少年」と訳されてきたサンティアーゴの相棒マノーリンを本書ではハイティーンの「青年」として捉えた。疑似父子の側面が窺える彼らの繋がりを考えれば、こちらの解釈の方がシックリするのは確かだ
ピュリッツァー賞とノーベル文学賞を受賞し、傑作として名高い「老人と海」だが、かつて読んだときには、正直言ってたいした感想は持てなかった。だが、今回は違った。万物に対して尊敬の念を向けるサンティアーゴの生き方に心を揺さぶられ、終盤で疲弊しきった彼が尚も闘う姿には涙腺が緩んだ。それは多分私自身が年を取り、老いつつあることと関係しているのかもしれない
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ノーベル文学賞を受賞した作品。
巨大な魚に小さな舟でとるのは無謀だが、何日もかけてとることが出来た。
しかし、サメ達に食べられてしまって骨と頭しか残らなかった。
正直何が面白いんだろう。まだ未熟な自分には作品の本質が理解できなかった。