だるま娘とよばれて
2001/02/09 12:43
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投稿者：つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
中村久子という人をテレビで知った。壮絶な一生を送った人だ。
久子さんには手も足もない。だから「だるま娘」としてサーカスで芸をしてお金を稼いだ。それは驚くことに久子さん本人が望んだことだった。
手も足もなくても、ふつうの人と同じように結婚をし子供も産んだ。口を使って裁縫もした。
手も足もない、と私はここまで書いてきたが、久子さんは自分のことをこう言っている。
「私には付け根までの腕と、付け根までの足があります」
ないものでなく、あるものをみて、それを生かした人。偉大だなと思う。
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四肢を失いながらも懸命に生きた著者の自伝。
何よりも
あたしの祖母と同姓同名なんです。
だから ついつい目について離れなかったんです。
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【目的】
人生をより強固に生き抜くためのヒントを得る
【引用】
【感じたこと】
会社の外部研修で彼女の生い立ちビデオを見た。壮絶な人生。だが、決してあきらめない。腐らない。言い訳をしない。
【学んだこと】
ありがたい。感謝する。厳しい躾によって自らを自立の人にする。困難が続々と押し寄せてくるが、感謝する。
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生まれついてすぐに、難病で手足が腐ってしまった女性が、貧しい環境のなかで自立していった体験記。
飛騨高山にある真蓮寺には、久子さん直筆の書やメモノート、編み物や市松人形などが展示されている。
それらを見るにつけ、五体満足で健康な自分には、まだまだ努力が足りないと、励まされる想いになる。
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言葉が小学生では少し理解するのが難しいかもしれません。
けれど、言葉の意味が解らなくても、生かされていることに感謝する気持ちを持ち続けた凄い人なんだという事は、子どもと私の心に伝わっていったようです。そういう何かがこの本にはあるのだと思います。
我が家では娘の学校での朝読書用に持たせました。親子で会話を弾ませるきっかけを作ってくれた一冊です。
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この題名がニクイ！
最初に彼女の詩を紹介する
ある ある ある
さわやかな秋の朝
「タオルとってちょうだい」
「おーい」と答える良人（おっと）がある
「ハーイ」という娘がおる
歯を磨く
入れ歯の取り外し
顔を洗う
短いけれど指のない
まるい強い手がなんでもしてくれる
断端に骨のない柔らかい腕がある
なんでもしてくれる短い手がある
ある ある ある
みんなあるさわやかな秋の朝
久子さんは明治３０年に生まれ７１歳で永眠する
二歳の時
あかぎれが元で突発性脱疽（だっそ）という病気で
両手両足を失くし
その後も秋になると寒さで切り口が紫色になって痛み出す
そして四歳のときに弟が生まれ六歳で父の死と出合い
七歳で母の再婚となり
更に一時期盲目となり悲惨な生活が続く
母の再婚でますますカタワとして苦しい時をすごす
母には独り立ちできるように厳しく仕込まれ
祖母にも愛され高い知性を育てられる
学校に行けない分様々な本を読むことで学び
好きな裁縫や編み物や習字などに没頭して
手足の代わりに腕や膝や口を駆使して鋭い感覚を身に付け
包帯の巻き方やそこに差し込むヘラやらの道具考案する
大正五年の暮れにおじさんに自立を勧められて自ら身売りし
見世物小屋で「だるま娘」を演じる芸人となる
負けん気が強くお節介で聞かん坊で一途で正義感が強くて
プライドが高く義理人情に弱く自律心が強く
努力家で人一倍強い意志の持ち主だった上に
ズルイ人やウソツキや弱い人や傲慢な人や優しい人や人情家や
視野の広い人や色々な人と出会い手引きされ体験を広げることで
独自の人生を切り開き
小屋元ともなり体験を元に講演を頼まれるようにもなり
ラジオに呼ばれたり文を書くようにもなる
恋をし三人の夫と死に別れ三人の女の子を産み二人を育てあげ
障害者への生きる指針ともなっていく
面白いのはこの本を読むと
自分のことより周りの人のことばかりが書かれているが
娘さんの描いた本「わが母中村久子」を読むことで
具体的な生き様が浮彫りされてきて
久子さんの姿がリアルに見えてくることだ
