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「スタンフォード監獄実験はイカサマだった!」というややセンセーショナルなカバーが印象ですが、論文掲載誌のインパクトファクターと論文の被引用回数ばかりを気にする今日の科学界に疑問を投げかけ、研究者たちが自らシステムを改革することを訴える真面目な本です。
いつの時代にも世間の話題になる研究がたくさんあるのですが、そのうち少なくない数の研究が、データ捏造など意図的な不正だったり、不正までいかないにしても各種のバイアスだったり、あるいは単純なミスだったりで、本来あるべき結論とは異なる結論を導いています。STAP細胞の話も出てきます。現在の論文出版システムは、そのような間違った研究を検証する機能が不足しているというのは、全くそのとおりでしょう。(やったことないけど)論文の査読とか面倒くさそうですしね。
おしまいの方に、助成金の審査が無駄でくじ引きで決めた方かいい的な記載があって、まさにそのとおりだと思いました。助成金申請のために申請書書いてる時間がまったくムダ。もう今の日本とかまさにこれなんじゃないですかね。文科省は選択と集中とか言ってないで、研究費くじ引きでばら撒けばいいと思うんですけど。
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感想
再現性の罠。有名な実験は再現できない。でも超能力なんてトンデモは簡単に再現できる。システム化された科学界。そこには綻びが存在する。
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科学論文も科学者の地位や名誉や利益などの思惑から正確でないということはわかったが、この本でその先に進むのかというと目次を見る限り何もなさそうな気がして、読むのを停止中。
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科学に対する信頼が大きかっただけに、科学の抱える構造的なもろさにとても驚いた。こころのざわつきとどう向き合っていけばいいか。
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胡散臭そうな分野の怪しい研究は再現性のないものが多かったことがよくわかる。生物が関わるとか人間が関わるような分野の研究では,再現性や検出力の問題は避けて通れないであろう。
自分が関わっている研究分野では再現性は担保することが容易であり,検出力を高めることも容易なので,でっち上げなどは殆ど不可能なのでよかった。
プレジデントオンラインで広告されていたので,図書館から借りて読んだ。待ち行列は長い!
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大学生のとき卒論を考えるにあったって薄々感じてことが、本書のp値ハックにあたるものであった。
科学屋ではない自分の立場からすると、本書の主張をそのまま受け取るならば、巷に溢れている研究たちは、話半分に受け取るのが良いと思う。自分の中の主義主張をしっかりとメタ認知し、大事にしたいことを揺らしすぎないようにしたい。
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話題になっていたので読んでみたけど、知っている内容が多かったかも。この手の本を読んだことない人にはおすすめ。
研究の世界は性善説がほとんどだけど、それが出世欲や金銭欲と結びつくとろくなことにならない。
分厚いけれど、引用が多いのでさくさく読めます。
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科学における不正・怠慢・バイアス・誇張が生じるしくみ
<目次>
◎第1部「あるべき」と「ある」
第1章 科学の仕組み
科学研究活動の基本の流れ/真の科学が備える価値観
第2章 再現性の危機
再現性が失われた原因/医学における大きすぎる代償
◎第2部 欠陥と瑕疵
・第3章 詐欺
科学の歴史上まれに見る汚点/単純な手口による悪質な不正/
操作された画像/ノイズの消されたデータ/不正な科学の蔓延/
科学者に紛れ込む詐欺師/一度の不正から広がる影響
・第4章 バイアス
発表されないNULLの画像/メタアナリシスで科学を再分析する
「良い値」が出るまで何度もサイコロを振る/
研究成果をゆがめる利害関係者のたくらみ/バイアスは人間の性である
・第5章 過失
数値の誤りをどう見抜くか/サンプルサイズと検定力の関係/
候補遺伝子研究の教訓/謙虚で控え目な科学はどこへ
・第6章 誇張
注目される研究の重要性が誇張を生み出す/ポピュラーサイエンス本の誇張された期待感
科学者が注目を集めるテクニック/栄養学研究の期待と現実/正しさより誇張を強いるシステム
◎第3部 原因と対処法
・第7章 逆インセンティブ
駄論文が量産される2つの原因/被引用回数が自己目的化する
質を低下させるインセンティブ設計
・第8章 科学を修正する
科学を治す潮流/データ・手法から対策する
事前登録の運用と効果/広がるオープンサイエンスの思想
誇張を抑制するプレプリント/科学を修正するためのさまざまなシステム
技術革新により高まる気運/「退屈で信頼できる」科学へ
付録 科学論文の読み方
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心理学者の著者が、心理学・経済学・社会科学から医学・生命科学まで様々な分野における再現性の危機の原因や対策を取り上げる。既存の出版文化をいかに変えるべきか、その中でデジタル技術をどう活用していくかの議論に焦点が収束していく。
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科学的、というと正確であることを示している印象があるが世の中に発表されている科学論文は想像以上にフィクションが混ざっている。
非常に面白い内容でした。おすすめ。