紙の本
中学受験が地獄にならないように
2024/05/13 17:48
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
関東圏の中学受験は大変だというのが、まずは感想。学歴がまず第一という時代は、過去のものになりつつあるのに、大人たちは思い違いしているのかもしれない。中学受験は家族が成長する機会を得るかもしれないので、子供の生きる力を育むように、子供に機会を与えるが、方向性を親が決めないほうがいいと思う。中学受験は大変なこともあるけれど、うまく働くと、学歴だけではない資質への財産を産む気がする。
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中学受験のメリットを説いた発信ばかりが注目を浴び、その危険性については話題にならず、過熱する一方の中学受験。
あえて「挫折」を味わった中学受験組の子たちへの取材を通して、幸せな中学受験とは何かを考える一冊。
構成が興味深い。
タイトル通り、中学受験をしてから10年後を迎えた22歳前後の子たちへの取材を中心としている点、志望校不合格や進学後の不登校といった「挫折」を経験した子たちを取材対象としている点だ。
世の中受本の多くは、塾講師等の受験業界の人がものしており、彼らは数千人もの受験生と接してきた長年の経験をもとに「一般論」を説いている。
それに対し本書は、十数人の個別具体な事例から、中学受験とは何かを照射する。
(中学受験経験者のうち大きな挫折を経験した人間は少数派なのだから、本書の執筆動機を考えれば当然そういう構成になるとも言える。)
章立ても良い。
ギリギリ合格の功罪、受験過熱地域の功罪、親の声掛けの功罪、狭まった視野で中学受験を強制することの功罪・・・といった挫折経験から見る受験や志望校選びのヒントから始まり、
数々の挫折を抑止するためのヒント(睡眠の重要性や塾や志望校の選び方)と続き、
最後は、挫折を経験したにも関わらず、取材した子たちみんなが中学受験を良い経験だったと振り返るのはなぜか・・・。そこに焦点をあて、中学受験の本当の目的を見つめ直す。
これ、とっても面白いのは、冒頭で述べた「受験業界の人が書いた一般論」と本書との間で、殆どの観点において結論が同じなのである。
多くの受験成功者を含む一般論から見ても、受験を経て挫折を味わった人たちから見た個別論から見ても、
「幸せな中学受験」を送るためのヒントは、共通している。
そのことが、本書を読んで、自分の中学受験に臨むスタンスをまた一つ強固にしてくれたように思う。
読んでよかった。
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現在高3の子供が中学受験はうまくいかず、でも期待通り本人の希望通りの高校で充実しているようなので、本書の内容身に染みる。
子供にとって中学受験は負担が大きすぎたのかもしれない。基礎学力は、身についたから中学での勉強と受験勉強は圧倒的アドバンテージがあったようだが。
「子供はそれぞれ自分なりの伸びる時期を持っている」。