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Web投稿プラットフォーム・noteで連載していた田所敦嗣さんの紀行文が、ひろのぶと(株)の田中泰延さんが見い出されて本となった、記念すべき著作第一号。
元々noteの連載のファンで、てっきり本も出ていると思っていたので、出版の報を耳にした時は喜びと共に納得感もあった。
以前、トークイベントで写真家のワタナベアニさんの言葉を借りると、田所さんは解像度が高いのだと思う。
それゆえ、文章そのものの抑揚は抑え気味なのにもかかわらず、臨場感が豊かなストーリーになっている。
そして、田所さんの文章は書き出しが素晴らしいと思う。好きなのだ。
きっとこの先第二号、第三号の出版があるものと信じて止まない。
noteの連載も含めて、ずっと追いかけたい作家が誕生した。
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旅行記は好きでいろいろ読んで楽しんでいるが、ここ最近でダントツに面白かった。
水産系商社に勤務されている著者が、仕事を通して世界各国(観光地ではなく辺境)を旅してそこで出会った人達との交流が書かれているのだが、辺境だけに、たどり着くまでの道中でのいろんなトラブル話、そのハプニングが故に現地の人に助けられた事など、文章も大変読みやすくテンポよく読むことができたせいか、手が止まらず夜中にいっきに読んでしまった。終わりが名残惜しい気分だった。
世界は広くて、いろんな人達がいて、生活を営み、生きているだなぁという事を本を通して感じて自分も一緒に旅している気分になってとてもいい気分転換になった。
一自分と似た色彩を持つ人に、出会った事はあるだろうか。全く違う景色をみて全く異なる世界を歩んできたのに、何かが似ている。そんな人はきっと、世界の何処かに今も生きている。
ある地点から別の地点へ移動するために作られた場は、毎日そこに人は集まっても、それぞれ違う目的を持っていて、そのほとんどは赤の他人としてすれ違う。そんな星の数ほどいる人と人が何かの偶然によって触れ合うこともある一
(本編より。気になったフレーズ)
一期一会の出会い。
もう二度と会う事がないだろうと思われる出会いがほとんどで、SNSも今ほど発達してなくて、まだスマホもなくネットの回線も不十分でいろいろ不便だった頃の旅話が主だったからか、とても懐かしく、自分自身その頃の旅行を思い出し懐かしく胸に響いた。
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世界は身近で、出会いはやっぱり素晴らしい
世界中を仕事で飛び回って、いろいろなトラブルがあっても現地の人と乗り越えて、純粋にすごくカッコいいし素敵な生き方だなと思った。
Googleマップで検索をして地図と写真を見ながら、会社のお昼休みに読んでいたんだけど、人や空気を想像して没頭して、すごく良い気分転換になった。
仕事に対する姿勢というのはやっぱり生き方が反映されると思っていて、それは他の国でもきっと一緒なんだろうな。言葉じゃなくても通じる感覚だとか思いだとか、そんな経験をいつかしてみたい。
旅行には行きたいなーと思う事は多いけれど、いろんな人に出会いたいなーと思ったのは、あまり無くてそれが嬉しかった。読み終えるのが寂しくて、あー読んじゃったーと呟いてしまった。
またいい本に出会えました。
田所敦嗣さん、ありがとう。