紙の本
コストパフォーマンスが高い一冊
2023/11/03 22:34
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:T.noo - この投稿者のレビュー一覧を見る
目次にある落語9席はQRコードを読み込むことで実際にYouTubeの動画で観れます。これは画期的です(前にもこういう本があったのかもしれませんが、私は知りません)。
定価が2200円+税なので、まあ一般的な寄席の入場料が3〜4千円ほどですから、コスパはいいと断言します。ですから落語の本としては、すこぶる素晴らしい出来だと自信を持っておすすめします。
文章はいつもの談笑師匠の語り口。ファンとしては公演で聴いている時と同じような心地よさ。まあブラックな部分は結構薄まってますが笑、だからこそ初心者の人は読みやすいんじゃないかなぁと思います。あとは好みですね。ゴリゴリの古典落語信者とかは違和感あるかも笑
とりあえず買ったら『金明竹』を観て聴いて笑って下さい。これを繰り返し聴けるだけでも本当にお得。
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つまらなくて飛ばし読みした。談笑ですら文章だとこの程度なのか。談志がやはりあまりにも稀有な例外であることを再認識した。
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落語は好きなのに、なかなか生で行く機会のないままにきた。
テレビでは観て(聴いて)きたけど、やっぱりいつかは寄席なり何なり生で聴きたい。
その前にこの本に出会えたのはよかった。
ますます落語への興味が増した。
これは落語の指南書であり、大衆芸能の歩むべき道筋を示した芸能論である。
あるいは、この本自体が落語なのかも。違うか。
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口述筆記なのか、そのように書いたのか、きっと師匠が語ってるのを聞くのなら、もっとずっと楽しめたんだろうと思う。
古典の現代化の改題パートは興味深い。
古い建築を現代的に改修する手順と通ずるところがある。建築であれば、断熱性能を上げることとバリアフリーにすることは必須であり、手法もおおむね確立されている。その上で、さらにどのような価値の向上を図れるか、どんなアプローチで切り込めるかがデザイナーの腕の見せ所である。
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家元談志が「落語が能かなにかのような伝統芸能になってしまう」ことに危機感を抱いていたのに対して、談笑が論じるのは「元来、落語はその時代その時代に応じて変化してきたものだ」という点だ。
そもそも、落語における「伝統」らしきものを作ってしまったのは、録音技術があらわれて生まれた「名人上手のレコードである」という視点が目新しくうつる。名人上手の、ひいては(先達に)教わった通りにやればいい、という思考は、ある部類の人にとってはとてもありがたいもので「それさえやっていれば食いっぱぐれない」という姿勢を産み、行く末としては停滞しか産みださない。このあたり、きわめて卓見だと思った。
ただ、ファンからすると「志ん朝談志だけ聴いていれば俺ァ満足だ」という心理もわかるんだよなぁ。「あのフレーズだけ聞いていたい」という心理とは別に、時代は前に進んでいくのだけど……。