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#読了
2024/5/18
極楽に至る忌門/芦花公園
得体の知れないものを信頼して崇めてはいけないね。正体がなんでどう言う由来があるのかは分からないが、わからないものこそを人は恐ると言う話はある。すでに狂ってしまった人目線のところもあるから、ちょっと読むのにしんどいところも。
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芦花公園の他作品と物部繋がり。物部で止められなかったとはどんな凄まじい怪異か、と恐ろし楽しみに読み進めてみると、なかなか終盤まで全貌がわからない。主となる不気味な話が3話、3話目の終盤で何となく話が見えてくる。見えて来たと思ったらかなりの胸糞因習村だったが、全てが見えた後にはやりきれないものと若干の切なさが残る。土着の神や祟りの成り立ちには説得力があり、物部の考え方には作者の思いが乗り移ってるような感じを持った。物部の存在感、キャラがとても良いな。サイドストーリー的でもあるけど、またこういうものが読みたい。
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訳が分からず理不尽だったのが頷き仏、救いがなく悲痛でしんどかったのが泣き仏、怪異も人間も恐ろしかったのが笑い仏、後日談の外れ仏。
因習村ホラーというのか、これぞジャパニーズホラーという雰囲気でよかった。
田舎の村の閉塞感がよく描写されている。
別作品に出ている物部斉清が登場する。笑い仏がこの話の「解答編」に当たり1番好きだった。
カクヨムにスピンオフが掲載されていて、スピンオフまで含めて本編。津守日立は良い人だったんだよ。
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シリーズモノとは知らずに読んだので、単体作品としての感想ですが、ホラーの中でも、古くからの因習や土着信仰等を題材にした所謂「民俗学的ホラー」が好きな私にはとても面白かった。
人の信仰心、神や仏、化物等の人ならざるモノに対する畏怖や恐怖の念というのが、思い込みから狂気にまでいくと、周囲が何を言おうが、救おうとしても、何の意味もないというのが、怖い。
章の中心になる人物が揃いも揃って、ドツボにはまっていくのが、救いの手を伸ばしてくれた人を拒絶するのが、読んでいて苛立ちもするし、そして怖い。
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芦花公園の作品で所々でキーとなる、最強の拝み屋物部斉清でも解決できなかった四国のある集落の話。
大きく3つの話で、最後にプロローグでコレまた「ほねがらみ」の斉藤教授もでてきて、物語をしめくくる。
芦花公園のファン心を、物語の恐ろしさとともに鷲掴みにする混作。
一つ目の「頷き仏」はさわやかな話の始まりなのに、だんだんドロドロしたものに変わっていき、『え?そうだったの?』と戸惑い、二つ目の話にも救いがなくて、三つ目の話で斉清登場に希望が見えるけど、絶望に終わる、、、。そんな感じ。
げに恐ろしきは人の業。
芦花公園は本当にこの手の物語が最高にうまい。
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津守さん、物部さんと、拝み屋メンバーが登場して、とてもよかった。
人の欲望が風習を作り、文化を作る。
描写の迫力があって、とても面白かった。
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あまり救いのないサイコホラー
作者さんの過去作品を読んでからの方がより楽しめるのかもしれない。
カクヨムに後日談的作品を投稿されているが、それも救いがなくてテーマを一貫されていて好感が持てる
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著者の作品は、角川ホラー文庫30周年記念アンソロジー『堕ちる』で短編を一編読んだのみ。最近勢いに乗っている作家さん(私見。)ということで、せっかくなので長編にもあたってみることに。(著者の代表作はシリーズものみたいなので、避けてノンシリーズの本作をチョイス。)
「四国の山奥にある小さな村。そこに祀られる石仏、その背景にあるは猿神信仰。"極楽に至る鍵"を欲した人々がその土地に醸成したのは、手の施しようのない"歪んだ神"と"怨嗟の呪い"だった―――。」
土着信仰をテーマにした、救いのない恐怖。実力のある拝み屋すらも匙を投げてしまう程に、人々の欲望によって穢れてしまった土地。人々は、その"呪い"に翻弄され、餌食になるのみ。
ストレートに恐怖を味わうことが出来る民俗系ホラー。ストーリー展開に特筆すべきものはなく、ある意味シンプルなホラー作品。良い作品であったとは思うが、記憶に刻まれるようなインパクトはなかった。
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初っ端オチでびっくりした
ナチュラルにいれてくる
でも面白かった!
願いを叶えてくれる代わりに残虐な要求をしてくる怪異は多いし、それが神格化した伝説も多いと思うけど初めて読む話だった。
オリジナルなのかな?
時代背景がよくわからなくて混乱したけど、一番最後のYouTubeガキのはわかりやすい。
1話目 平成
2話目 昭和
3話目 令和
エピローグ 数年後くらい?令和
って感じかな。
ガキがめちゃくちゃ今時のガキでうざかった
2話のお姉さんはちょっと可哀想過ぎたなぁ
物部さん出てきて興奮した!
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お化けも神様も怖いけど、人間の欲が1番身近で恐ろしいなあっていう。
芦花公園先生の他作品を読んでからの方が、より楽しめると思います。ナリキヨが出るよ!
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救いがあるのか、無いのか
まさにホラーな感じがとても良い
佐々木事務所シリーズ未読でしたが、それでも
かなり面白かった
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物語は常に不穏。
なるほど、なるほどねぇ。
村ホラー(人怖)系の分類でいいのかな?
もう一押し重さがほしかったかな。
どこか遠くの話という概念が消えなくて、読んでる間は怖い空気がすぐそこにいて欲しい私としては少し置いてけぼり感が。
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村八分の観点と悲劇的な猿神信仰をテーマにしたホラー。
テーマと各エピソードとの繋がりや、テンポの良さはとても良かったです。
怖さはほどほどでしたが、それよりも夢と現実の境が曖昧な異世界感の演出はとても上手だと思いました。
ただ、人格描写やキャラクター設定(セリフや感情表現)のリアリティに甘い部分を感じました。
サブカルチャー的な価値を超えた、文学と言えるホラーではないかな。
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これは本当に不気味ですし、何度か読み返すことになります。
あらすじ
隼人が大学で出会ったのは山奥の田舎出身という薄幸の美少年、匠だった。物腰穏やかで優しい匠と仲を深めていると、実家に遊びに来ないかと誘いを受ける。せっかくだからとその誘いに乗るが、匠の実家は村八分を受けているようで嫌がらせの電話を受けたり、村人に無視されて驚く隼人。匠の祖母が頷き仏を家に近寄らせたと話したことで匠もおかしくなってしまい…。
様々な人物の目線で頷き仏について語られるので一回読んだだけではわかりにくいと思います。隼人くんと匠くんが出てくるのも1話だけですし。それでも1話目からゾクゾクするのに、話数を重ねるごとに悍ましさが増し増しになります。
そして、今回のテーマは猿神です。山神っていうとやっぱり蛇とか大木とかだと思いますが、まさかの猿。人に近い分、不気味さが半端ないです。獣でもなく、人でもなく、その中間にいて惑わす感じがよく本に表されていて、あと引く怖さでした。ただ都会に住んでる人にはまるで関係ないのでしばらくしたら忘れそうな怖さでもあります。
非常におすすめです、面白かった!
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最強の拝み屋、あの物部さんでも止められなかった土地の因縁と怪異と聞けば読まずにいられない。
四国の山奥の村に帰省する友人に同行した大学生が巻き込まれる「頷き仏」、母の日記に戦慄する「泣き仏」、前二章の集大成でもあり小学生に容赦なく襲いかかる絶叫恐怖体験「笑い仏」の各章に散らばる怪異の断片を集めて浮かび上がるのは、因習の業を深くし神も仏も歪めてしまう人間の醜悪な一面。
大切なものを見失った末路に震える。
人の心の闇を見透かす怖さと主要キャラクターが魅力的な芦花公園ホラー沼からは抜けられないなとまた確信を深めた。