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みんなのレビュー36件

みんなの評価4.3

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36 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

発達心理学の素材の宝庫、冒険小説の精髄

2009/12/12 09:49

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:風紋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 トムは、活力あふれる少年である。悪戯はまいどのことで、くんずほぐれつの喧嘩は日常茶飯事。遊びに熱心だから当然勉強はできないのに、才覚をはたらかせて成績優秀者の表彰を受けたりする。たちまちボロをだして大恥をかくのだけれども。
 幼い恋をして、痴話喧嘩もする。しかし、彼女が失策をおかして窮地に立つと、自ら進みでて彼女の身代わりに教師の鞭を引き受ける。
 親代わりのポリー伯母さんから理不尽な叱責を受けると、友人をかたらってサッサと家出したりする。失踪した子どもたちが見つからないので、村民が彼らの葬儀を行っている最中に姿をあらわし、涙をたちまち大いなる歓喜にかえてしまう茶目っけもある。
 茶目気は愛すべきだが、ポリー伯母さんもたいへんだ。
 殺人を目撃して恐怖にふるえあがるが、誤認逮捕された容疑者を救うために敢然として証人として名乗り出る。なかなかの勇気だ。
 この殺人は、トムとハックルベリィ・フィンが宝探しに熱中している最中に生じた事件であった。宝探しの成果は・・・・未読の読者のためには言わぬが華である。

 子どもの心を生き生きとえがいて、他に比肩する作品は、ないとは言わないが、本書を凌駕する作品は稀れだろう。
 児童心理学の素材になりそうなエピソードが満載されている。
 たとえば、ロビン・フッドほか本で知った活劇を模倣するゴッゴ遊びは、少年が歴史を受け継ぎ、大人の仲間入りをする準備作業である。

 子どもの心をつうじて、おとなの心も洞察する。げにも、子どもはおとなの先生である。たとえば、動機づけの心理学。
 お仕置きで苦行を命じられると、苦行どころか、その逆に滅多なことではやれはしない楽しみだと芝居して他の子どもたちの関心をひき、塀のペンキ塗りをさせてやる。ペンキ塗りをさせてやる代わりに、彼らのささやかな財産を巻きあげて。
 この時、トムは「周囲に起こった変化を、あれこれ思いめぐらし」ただけだが、「大人でも子どもでも、あるものをほしがらせようと思ったら、それを容易に手に入れにくいと思わせさえすればいい」「仕事というものは人がやらなければならないものであり、遊びとは人がやらなくてもかまわないものだ」と著者は解説するのである。

 要するに、本書は発達心理学の素材の宝庫である。
 そして、本書は冒険小説の精髄である。世にあまたとある冒険小説は、本書をすこし巧緻にしたか、もしくは大がかりにしたものにすぎない。

  21世紀に生きる者としては、先住民に対する偏見が気になる。
 ある登場人物はいう。「それで、すっかりわかった。おまえが、耳をそぐとか鼻をたち割るとか言ったとき、わしは、おまえが、いいかげんなほらを吹いているんだと思っていた--白人は、そういう復讐をしないものだからね--だが、インディアンなら、やりかねない。インディアンとなると話が別だ」
 だが、これはあくまでも、本(原著は1876年刊)の中の一登場人物の意見である。 
 インディアンに対する著者の見解は述べられていない。しかし、つぎのくだりから、著者マーク・トゥエンの考えを推定することはできるだろう。
 物語の終わりに、トムはインディアン・ジョーに対する見方を変える。
 インディアン・ジョーは洞窟に閉じこめられ、飢えに苦しんでコウモリを食べ、ロウソクを食らい、なお餓死した。殺人の罪を他人になすりつけて平然たるインディアン・ジョーだったが、その末路にトムは「強く胸をうたれた」
 インディアン・ジョーの末路は、米国の、すくなからぬ先住民の末路を象徴している。

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