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書店で平積みされていてた。表紙を見て、台湾の、綺譚花物語みたいだなと思い、帯には瀧波ユカリさんの推薦の言葉:なまなましさに心を奪われていると、「ない」ことにされてきた人々の痛みが抱え切れないほどの質量で迫ってくる。凄まじい表現力に圧倒され、何度も目を閉じた。
美しい二人の花嫁のイラストのカバーをとると本体の表紙裏表紙は、雪の中の女の子の足あとのようなイラストで映画雪道を思い起こさせる。
衝動買いして正解、そしてまさにそのインプレッションの通りの作品。
高校生くらいの課題図書にしても良いのではと思う。
本は大判で、絵も美しく、示唆的なもので大切に描かれている。
国家と家族は共謀する、は信田さよこ先生の著書のタイトルだが、まさに国家と個人と家の問題。
境界線の線の上にいる人々、たくさんいるのにそうと気づかない人、そうであるが故に生きることができなかった人、そうであることを無視したり差別したり攻撃したりする人、ほんとは誰もが誰かに引かれたなにかしらの線の上にいるのでは??そこからの共感が生まれるのでは?と思うが、世の中そんなふうにはなっていない。
帯で、下地ローレンス吉孝さんが、
誰かに線引きされた「歴史」の暴力によって消されてきた、人々の生きた姿。線場のひとは生きている。
と書かれていて、線場のひと には、わたしたち
とふりがなが打たれている。
まさに皆一人一人が線場という戦場にいたり線場という線のどちらかを行ったり来たり踏んだり踏み外したりしている。連帯や協働や共生ができるはずの私たちが今数ヶ月にもわたりパレスチナという戦場、線上、線場で行われて見せつけられている虐殺に目を覆い声を上げることが奇異に見られるこの国の現状。
下巻を待ち望む。
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内容を考えると手に取りづらかったのですが、表紙のイラストが頭から離れず購入しました。暗いストーリーに少しゾワゾワとした恐ろしさを感じつつも、読み進める手が止まりませんでした。私たちには馴染みのない戦争だけど、昔の人や現在外国で起こっていることを考えると胸が苦しくなりました。
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ラジオで「虎に翼」の脚本家の方が出演されたときに話題にのぼっていた作品。
いつでもそういう生き辛さを抱えていた人はいたということを描きつつ当時の女性の置かれていた状況を描く作品、
後編が待ち遠しい!