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ずっと気になっていた本作。
単行本も手に入らなくて諦めてた頃に嬉しい文庫化。
東日本大地震の2ヶ月後に皇族が博士学位授与式?に渡英?と最初はちょっと微妙に感じたけど、でも全体的に彬子女王の人柄がでていて良かった。
なんとなくプリンセス、プリンセスって言葉が出てくる度に、言いようのないちょっとした引っ掛かりを感じてしまった。いや、実際プリンセスだし、皇族だし、日本で自由のない節度ある生活を強いられてるし、皇族好きだけど、なんだろ?
彬子女王も事実として書いてるだけなのも理解してるんだど、うーん。難しいな。
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優等生の四角四面なレポートではない血の通った留学日誌、大変面白かったです。ご専門分野の知識はもちろん、担当教授やご家族、護衛の方々への優しい眼差しや、皇族としてのご矜持、国民に対する責任感なども書かれており。読んでいるだけで心洗われるよう。
イギリス王室のように、日本の皇族の方々もどんどん情報発信していただきたいな。明日からのオールナイトニッポン、楽しみ!
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このエッセイは,皇族である著者が,オックスフォード大学に学士~博士課程学生として留学した時の経験をまとめたものである.
最初は,皇族の方の留学記という物珍しさからこの本に興味を持った.実際,その特殊な立場ならではでのエピソードもふんだんに盛り込まれている.けれども,読み進めていくうちに一人の人間が留学先で奮闘した記録として,この本をとても好きだなあって思うようになった.
特に,文章から著者の丁寧な人柄がとても伝わってきた.作中では留学でお世話になった人たちとのエピソードや博士学生として苦労した話がいくつか紹介される.その中で嬉しいことや大変な思いをしたことは素直に表現されていて,読者としてもなんだか応援したい心地になった.
また,皇族だからといって特別扱いを受けることもなく,一人の博士学生として学問に真摯に向き合うさまはとても励みになったな.色々な場所に調査に行ったり,たくさんの人とコミュニケーションを取る著者の奮闘ぶりはとてもすごいと思ったし,そういうひたむきさがこの留学記の厚みを生み出しているのだなあと感じた.
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英国の名門オックスフォード大学へ留学し、女性皇族として初めて博士号を取得された彬子女王殿下。5年間におよぶ思い出と学びが詰まった留学記は、もちろん皇族であられる特別な方の特殊な体験(エリザベス女王とのお茶会など)もさることながら、誰もが直面する困難や語学の壁にぶつかる話なども赤裸々に、そしてユーモアを交えながら記されており、大変楽しく読ませて頂いた。
以前、今生天皇徳仁陛下の留学記「テムズとともに」を拝読していたので、オックスフォードでの教育体系や伝統などについては、おさらいしながら読めたというのもあるが、彬子様の書かれる文章はより分かりやすく親しみを感じるものだった。留学前に当時皇太子であられた今生天皇陛下とご面会された際には、留学生活のアドバイスをいただいたそうだが、洗濯の失敗話もされたのかななどと想像し、失礼ながらくすりと笑ってしまった。それにしても、皇族であられる彬子様であっても、皇太子殿下とのご面会はとても緊張されるものだとは意外だった。
どのエピソードも大変興味深く読ませて頂いたが、特に印象に残ったのは2つ。1つは側衛の方々についてのエピソード。我々一般人が想像する窮屈なイメージとは異なり、実際には家族のように接せられているというのはなんだか嬉しくなった。武術の猛者たちが海外では彬子様に頼りっぱなしで、何度も世話を焼かれている様子はおかしくも微笑ましい。
もう1つは留学生活中の食事にまつわるエピソード。外国人が一緒に行こうと誘うジャパレスは危険だとか、やっぱり海外生活では日本食が恋しくなるとか、日本食材を買おうと思ったらとんでもなく高価で諦めたとか、いわゆる「海外あるある」な出来事が面白おかしく書かれており、畏れ多くも親しみを感じずにはいられない。
皇族という特殊な立場であられながらも特別扱いを嫌い、研究者として調査やボランティアに打ち込み、時にはストレスで体調を壊したり困難に直面されながらも、必死に博士論文を執筆・完成されたことは、彬子様ご自身の熱意と努力の賜物であることに間違いない。そのひたむきに努力されるお姿とチャーミングでユーモア溢れるお人柄に、強い感銘と感動、そして元気をいただいた。
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話題になっていた本の文庫化と聞いてずっと読みたかった1冊。
皇族の方の留学記と聞いていたのでどんな感じだろうと思っていました。ロイヤルなエピソードも面白かったのですが、私は研究の部分が印象に残りました。特に論文作成のために奮闘する部分は昔の自分を思い出して胃が痛くなりそうでした。(涙)
留学と学位の取得にあたって多くの人が支えてくれたとありましたが、筆者のお人柄あってのことだろうなと思います。読んでいて胸が温かくなりました。
読めてとてもよかったです。
文庫化してくださりありがとうございました!
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とても面白くて、一気に読んでしまった。(当時はそもそもまだ留学中だったので連載も始まってなかったけど)大学一年生くらいのときに読んでおきたかった一冊。
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短期間の語学留学でも毎日の課題で大変だったのに、本当にすごいというか努力の方。元々与えられている様々な恩恵を差し引いても、論文提出までの苦難の道のりはいかほどだったかと思う。文章も親しみやすくて読みやすいし、アンパンマンの好きなキャラクターまで書いていて笑ってしまいました。こういう皇族の方をもっと外交の分野で活躍させるべきなのに。それにしても、エリザベス女王にお茶を淹れてもらったなんて!束の間の、素敵な英国疑似体験をさせていただきました。
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Twitterで話題になってたんだけど紙の本が無くって、いずれ図書館で探そうかと思ってたら文庫化すると聞き、速攻で予約しました。
皇族の方の私生活を垣間見たり、お人柄の良さにほっこりもするけど、これは英国オックスフォードで博士論文の執筆に苦しむ研究者の本じゃないかと思う。研究に対する姿勢とか展覧会準備に奮闘する学芸員の話とか、研究者のエッセイとしても面白い。もっと色々お話聞きたいですね。
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この本が文庫化するということで話題になっていると聞きつけ読むことに。読んだのは文庫ではないのですが当初の書籍の登録がないのでこちらへ。
文章がすっきり簡潔。わかりやすい。読みやすい。各章の締めに軽いオチ。特に留学に関連する皇室ならではの諸事情も興味深く、最後まで楽しませていただきました。
個人的には、博士論文を提出するところで色々感じいってしまいました。一番最後に指導教授のティムになかなか読んでもらえず、帰国のスケジュールもあってあきらめかけたところで「自分がアキコの指導をすると言ったのだから」と、隅々まで目を通していただき無事に提出終了。大切なことを大切にすることの重要性と、そうすることの意味や価値。日本では義務とか責任とか信頼とか、そういう言葉を簡単に持ち出したがりますが、本当はもっと深い意味があるよね、と思わずにはいられませんでした。
この留学記連載中に父上がお亡くなりになり、その際の特別寄稿も収録されています。そして私がこれを読み終えるタイミングでお亡くなりになった祖母の高松宮百合子様、喪主は孫である本書の著者彬子女王とのことです。
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あまりにも軽やかなエッセイで、皇族の方が書かれているのを忘れてしまう程自然体で良かった。ものすごい努力して博士号を取られたことが伝わってこちらも嬉しくなった。
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普段はこのような個人の海外の体験記は
読まないが、皇族の人が書いたとの事で
前から興味があり、購入
いやー面白かった
皇族の話はもちろん、留学やイギリスの生活を
書かれてあり、皇族も我々とも変わらないと
論文を書く考え方は仕事を進めることにおいても
共通している
大人が読んでも面白いがこれから進路を決める
中高生に是非読んで欲しい一冊
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1 百側学海(ひゃくせんがっかい)中国の格言「百川海に学んで海に至る、丘陵は山に学んで山に至らず」どんな人も立派な人を手本にしてつねに修養・努力すれば、待望を成し遂げることができるの意。
おわりとはじまり
英語の壁
2 大信不約(たいしんふやく)中国古典『礼記(らいき)』の一節、「大信は約せず」と訓読する。
ほんとうの信義は約束などなくても守られるもので、信頼関係のない約束や誓約は意味がない。
側衛に守られるということ
子どものころからの習慣
外国でのハプニング
3 苦学力行(くがくりっこう)働いて学費を稼ぎながら勉学に励むこと。苦労を重ねて学問することの意。
授業のこと
古代ケルト史を学ぶ
4 日常坐臥(にちじょうざが)
「坐臥(ざが)」は座ることと寝ること。
いつでも、ふだんの意。
マートン・コレッジの一日
フォーマル・ディナーの楽しみ
5 合縁奇縁(あいえんきえん)「合縁(あいえん)」は仏教用語で、恩愛から起こる人と人との結びつき。「奇縁(きえん)」は思いがけないめぐり合わせ。
現地の日本人事情
海外で頑張る日本人留学生たちの進路
6 一期一会(いちごいちえ)茶道の心得。どの出会いも生涯一度だけの機会と考えて応接に専念せよの意。
JRの恐怖
「浮世絵はどのようにみるものなのか」
とにかく妥協を許さない人
7 千載一遇(せんざいいちぐう)「千載(せんざい)」は千歳、千年に同じ。「一隅(いちぐう)」は思いもかけず出会うこと。またとない絶好の機会の意。
アフタヌーン・ティーを女王陛下と
バッキンガム宮殿へのお招きの連絡
8 危機一髪(ききいっぱつ)「一髪(いっぱつ)」は一本の髪の毛の意味。ほんのわずかでも間違えば非常に危険や困難に陥るかどうかの、きわめて危うい瀬戸際。
英国の電車の思い出あれこれ
幽霊列車(?)に乗る
9 多事多難(たじたなん)事件や困難が立て続けに起こること。↔️平穏無事の反対。「事(じ)」は事件・出来事、「難(なん)」は困難・苦難の意味。
パスポートは茶色
格安航空券の落とし穴
10 奇貨可居(きかおくべし)『史記・呂不韋伝(りょふい)』の故事に基づく。「奇貨(きか)」とは珍しい品物のこと。時を待てば値上がりするかもしれないから、いま手元におくべきだという意。
再び英国へ
入学許可に必要なもの
11 五角六張(ごかくろくちょう)5日に「角宿」にあい、「張宿」にあうという意味。古代中国の天文学で「角宿」と「張宿」は星座運の悪い暦日とされ、物事がうなくいかないとされたことから、転じて何をやってもうまくいかない日、凶日のたとえ。
ヴァレンタインの思い出
二度目の留学
何をやってもうまくいかない日
12 一年通天(いちねんつうてん)固い決意を抱いて一心に取り組めば、誠意は必ず天に届き物事を成し遂げるとこができるという意。訓読は、「いちねん、てんにつうず」
宝探し㏌大英博物館
法隆寺金堂���画
13 日常茶飯(にちじょうさはん)日々のありふれた事柄。いつものこと。「茶飯」は食事で、毎日の食事と同じくらい、取り立てていうほどのこともない、ふつうのことの意。英国の食あれこれ「英国の料理はまずいよ」
一人暮らしの自炊生活
カバード・マーケット
友人との食事会
14 骨肉之親(こつにくのしん)親子・兄弟・姉妹のように血のつながりの濃い肉親の間柄のこと。また、そのあいだの深い愛情をいう。
英国でおかあさんになる
子育ての喜び
15 前途多難(ぜんとたなん)これから先、多くの困難や災難が待っていると予期されること。「前途」は今後の道のり、「多難」は困難や災難が多いさま。
初めての展覧会で大騒ぎ
美術史研究者の試練
16 一以貫之(いつをもってこれをつらぬく)
『論語』(里仁篇りじん)にある孔子の言葉「わが道は一以って之を貫く」に由来する。ほかに目移りすることなく、一貫して変わらずおのれの道を進むこと。
プライスさんのパンケーキ
自然光でみる大切さ
私の小さな自慢
17 玉石混淆(ぎょくせきこんこう)よいものとつまらないもの、価値あるものとないものとが入り混じっていて、容易に見分けがつかないさま。中国東晋時代の道士・葛洪(かつこう)が世の風潮を嘆いていった「真偽顚倒、玉石混交」に由来する。
オックスフォード某重大事件(?)
チャリティーショップでお宝発見
謎の侵入者
18 古琴之友(こきんのとも)自分をよく理解してkれる友人のこと。中国の春秋時代、琴の名手伯牙(はくが)が自分の演奏を理解してくれた友人・鐘子期(しょうしき)の不訃報を聞いて琴の玄を絶ち、二度と弾かなかった故事に由来する。
お雑煮とスコーン
生まれて初めての「お正月気分」
ジェイミーのスコーン
19 傾蓋知己(けいがいちき)初対面で意気投合すること。初めて出会った者同士が、以前からの友のように親しくなること、「蓋」は馬車のほろ。路上で初めて出会った
孔子と程子が、互いの馬車を止め、ほろを傾けて親しく
語り合ったという故事に由来する。
スイスと私
オックスフォード伝統の社交場
四人のスイス人
アルプスでの休暇
20 忍之一字(にんのいちじ)何かをやり遂げるために最も大切なことは、耐え忍ぶことであるという意。中国北宋の人・呂本中(ろほんちゅう)が著した役人の心得集『官箴(かんしん)』にある言葉「忍の一字は衆妙の門なり」に由来する。
理解できない英国あれこれ
水と熱湯
バスの話
危うく一大事
21 当機立断(とうきりつだん)機会をとらえて素早く決断すること。「当機」は時機、機会に臨むこと。「立断」は即刻、ただちに決断すること。
修士課程から博士課程へ
寝耳に水の提案
22 随類応同(ずいるいおうどう)人の能力や性質に応じて、それ相応に指導すること。「類に随い(したがい)同に応ず」と訓読する。もと仏教用語で、仏が人の心や性格、素質などの種類に応じて説法したことに由来する。
スーパーアドバイザー
二つのアドバイス
23 七転八倒(しちてんば��とう)激しい苦痛のために、ひどく苦しみ悶えるさま。転んでは起き、起きては転ぶこと。中国南宋時代の儒者・朱子の言葉「商のすえにあたりて、 七転八倒、上下崩頽す」(殷末には世の中が混乱し、総崩れになった)に由来する。
博士論文性胃炎
オックスフォードのカフェ
入浴剤の香り、日本からの便り
24 進退両難(しんたいりょうなん)進むことも退くこともできない困難な状態。「進退。両つながら難い」と訓読する。どうにもしようがないさま。二進も三進もいかないさま。
博士論文への二つの壁
ティムという壁
25不撓不屈(ふとうふくつ)強い意志をもって、どんな苦労や困難にもくじけないさま。「撓」はたわむこと、「屈」は折れ曲がること、中国の史書『漢書・叙伝下』にある「楽昌(がくしょう)は篤実、撓まず屈せず」に由来する。
人生でいちばん緊張した日
たくさんのおめでとうのあとで……
生まれて初めての猛抗議
心からの「最終報告書」
【特別寄稿】父・寛仁(ともひと)親王の思い出
留学記執筆の経緯とは
父とやりとりした手紙
「医者のいうことは聞かない」
最期まで「トモさんらしく」
「おとうま」へのプレゼント
あとがき
赤と青のガウン。
ご留学記に乾杯 解説にかえて
学習院大学元学長 福井 憲彦(ふくい のりひこ)
文庫版へのあとがき
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彬子女王のオックスフォード留学記。
皇族の方の私生活って想像もつかなかったけど、当たり前だけど1人の人間なんだよなぁ。
すごく大変な思いをして博士号を取得された経緯が綴られていて、目標に向かって頑張る姿に勇気を貰えた気がする。
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日本にも女王がいらっしゃるのですね…
(皇室事情に疎くて恥ずかしい)
今作を手にしたのは、Twitterでバズってたことがきっかけ。文庫版を書店で見つけて、1日2章ずつ程度にゆっくり読み進めた。
皇族の方が執筆される文章を初めて読んだが、とても美しい言葉が並んでいて…いつもとは違う読書体験。
でも書かれているのは英国留学での奮闘記、そして皇族ならではのエピソードやエリザベス女王とのお茶会…などなど、私が知る由もない世界が広がっているけど書き方のおかげか親しみやすく、時々笑ってしまう。
とても面白かった。
終盤は「研究してきたことを論文にまとめ、口頭試問合格後に博士号取得」という、大変厳しいターンが綴られていて、海外でとんでもない挑戦をされていたのだなとまた驚いた。
ちょうど読み終えたタイミングで、徹子の部屋に彬子女王が出演されるそうなのでこちらもチェックしたい。
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ずっとずっと気になっていた1冊。
オックスフォードで博士号を取得されるまでの日々のお話で、留学生活や日常の出来事がクスッと笑えてしまうぐらい読みやすく書かれていた。論文を書き続けることによる孤独を感じつつも奮闘し乗り越える姿に心をうたれました。