ビジネス書だった?
2024/09/03 08:56
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投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
前に読んだこの筆者の本は、子供の言葉の習得のことやオノマトペについてのことが書かれたものでした。同様のジャンルの本かと思っていたのですが、読んでみると、どちらかというとビジネス書といった感じの本でした。すらすらと読めて、なるほどと思うことも多かったですが、ちょっと面白味は少なかった気がしました。
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とても面白かった! 構成が分かりやすく、そして「分かり合う」「分かるように伝える」という簡単ではないことをそれでも工夫して実現するには、というスタンスがとても好きだった。
「伝わる」までの壁や仕組みを順を追って説明しながら、定期的に認知バイアスの種類にはこういうのがある、と例をまとめてくれるのが構成で分かりやすかったな、ありがたかったな、と思うところ。
内容面では、まず冒頭での「我々は言葉のやり取りを過信しているのではないか」という言葉から、言葉を扱うことが好きな自分としては刺さって引き込まれた。
読みながら納得したりハッとしたりしたのは、「理由があって結論を出しているのではなく、価値観に基づいた結論を出してから理由を後付けしていることがほとんど」、「感情に配慮した方が合理的」、「我々は異なるスキーマ(考えるときのベース)を持っており、察する力がない、経験能力の優劣と思われがちなものもスキーマの違いによることがある」、「相手をコントロールしようとする限りいいコミュニケーションは取れない」、「直観は天から降ってくるのではなく、長い道のりをかけて養うもの」、などなど。
そして「おわりに」のメッセージが個人的に胸アツで大好きだった!
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なんだかあっさりとしている 過去の他の本で感じた面白さをこちらには感じなかったのは、ターゲットとされた層に私が含まれなかったのかもしれない
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p.178 上司という立場、あるいは先生と呼ばれる立場になると、周囲から「確認してください」と言われることが多くあります。しかし、それは本当にその人が確認しなければならないものなのでしょうか。もしかしたら確認を頼んだ当人が、自分ですべき判断を避けているのかもしれません。
上司や先生と呼ばれる立場ならば、「確認してください」と言われた際には、ときには厳しく、
「これは『確認してください』という内容のものではないよね」
と伝えることも必要です。こうして、互いには見えない心の内を擦り合わせていくことで、「相手の立場に立つ」ことに近づいていけるのではないでしょうか。
ビジネスで頻繁に使われている「確認してください」という言葉は、非常に曖昧で、甘えのある言葉です。この言葉を使う場合には、「誰かに責任を押しつけることになっていないか」ということを、確認を頼む側も、頼まれる側も意識したほうがいいでしょう。
「相手の立場で考える」ことに関連の深い、「メタ認知」についても見ていきましょう。
「メタ認知」という言葉は、マインドフルネスなどの分野でも使われることも多いため、最近では聞いたことのある方も多いと思います。平易にいうと、「自分自身の意思決定を客観視すること」です。
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの著書「ファスト&スローあなたの意思はどのように決まるか?」(ハヤカワ文庫)によると、私たちは意思決定の大半を「直感」で行っているといいます。
カーネマンは、この直感による意思決定を「ファスト思考」、別名「システム1」思考と呼び、時間をかけて熟慮する知的活動を「スロー思考」「システム2」思考と呼んでいます。そして私たちの意思決定は大半が実はシステム1思考に委ねられていること、そしてシステム1思考による意思決定は人間にとって効率がいいだけでなく、「おおむね正しい」ことが、本書では指摘されています。
システム1思考による意思決定は、「おおむね正しい」。それは、裏を返せば、ときに間違っていることがある、ということです。この間違いをシステム2思考によってチェックすること。これが「メタ認知を働かせる」ということです。
p.189
①Excuse me, I have 5 pages. May I use the xerox machine?
「すみません。5ページだけなんですが、コピー機を使わせてもらえませんか?」
②Excuse me, I have 5 pages. May I use the xerox machine, because I have to make
copies?
「すみません。5ページだけなんですが、コピーをしなければならないので、コピー機を使わせてもらえませんか?」
③Excuse me, I have 5 pages. May I use the xerox machine, because I'm in a rush?
「すみません。5ページだけなんですが、急いでいるので、コピー機を使わせてもらえませんか?」
これらのお願いに対する成功率は次の通りです。
①60%
②93%
③94%
3 gas
①は、「because (一ので)」というような「理由」を伴わないお願いの仕方でした。
この場合は、60%の成功率で、割り込みをさせてもらえました。
一方、す%と一番成功率が高かったのは、急いでいるので(becauseTm in arusb)」と理由を示した③のお願いです。
ただ、ここで注目したいのは、②のお願いです。このお願いには確かに「理由」と思われるものがありますが、それは、「コピーをしなければならないので(becauselhave to make copies)」。コピーをしている人も、並んでいる人も、誰もが同じです。本来ならば割り込む理由にはならないはずなのに、①とほぼ変わらない成功率だというのは、驚くべきことでしょう。
188ページでも理由の大事さには触れましたが、改めてこの実験から、いかに「理由を伝えること(because)」が大事かということがわかります。
p.275 部下は会社員である前に、1人の人間で、生活者です。
仕事の場を一歩離れれば、別の話題で盛り上がることができる。プライベートが大変な時期には、少し仕事の加重をコントロールできる。こんな関係性が心理的安全性につながり、自発的に貢献し合える職場がつくられていくのかもしれません。
p.280 プラスのフィードバックで、不測の事態を防ぐ
「どんなときにも話を聞く」といっても、上司も人間である以上、自分に都合の悪い話を聞く際に「イヤだな」と思ってしまうのは、ある程度、仕方のないことかもしれません。私たちの思考や行動と感情は切り離せないということは、これまでもお伝えしてきた通りです。そのため、聞きたくない話を聞いた瞬間に、無自覚のうちに顔をしかめてしまった••・・というようなことは、誰にでも起こり得ます。
この一瞬が、相手に与える影響は多大です。「先生に注意された」という事実が、「先生は声を荒らげて怒鳴りつけた」という記憶に変わってしまうように、そこにネガティヴな感情があると、相手の些細な行動もネガティヴに脚色されてしまいます。
そしてその脚色を含んだ記憶が、現実に起きたことのように記憶されてしまう恐れがあるのです。
部下が失敗の報告をするときには、すでにそこに「ネガティヴな感備」があります。
ですから上司は、自分の態度にいつも以上に注意深くあらねばなりません。
無意識の表情の変化すら、相手に影響を与えてしまうのですから、上司としては、「イやな報告を受けたときこそ、相手をめる・感謝する」くらいの心づもりが必要です。
「リスクを早く報告してくれたから、早めに手を打てて助かった」「君の報告のおかげで、何とか取り戻せたよ。ありがとう」こうした「部下のホウレンソウ(特にネガティヴなもの)に対してめる」というフ
イードバックを続けているうちに、「失敗を報告したら、選めてくれた」という話が、部下の間に広まるようになります。そうすると、ポジティヴサイクルが回り始めます。
ミスの報告に対するハードルは大きく下がり、部下は小さなミスでも報告をしてくれるようになるはずです。取り返しがつかなくなる前に、皆があなたに報告をしてくれるようになる。このサイクルを生み出すことができれば、現場の把握は驚くほどラクになるはずです。
p.294 工夫を凝らした訓練(deliberate practice)」だと述べています。実は人のデフォルトの思考はシステム1。直観的思考です。でも、訓練しなければ精度が低く、どちらかといえば「いいかげん」なものなのです。
メタ認知を働かせて自分を振り返り、自分の課題を分析し、その課題を解決し、向上するための訓練を考える。この「真剣で工夫を凝らした訓練」はまさに、システム
2の訓練です。目安は1万時間。システム2による集中した訓練を長期間行うと、自然に知識が身体化し、考えなくても頭と身体が連動するようになる。それが「達人の直観」の正体なのです。
言い換えれば、最初は「すばやいけれど精度が低い思考」だったシステム1を、システム2による長年の訓練によって、「すばやくて、しかも精度が高い、最高の判断ができる思考」に変える。これが達人になるために必要なことだと言えます。
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日常生活で、なんでこれで伝わらないんだろう?、ということはちょくちょくある。その「なんで」が少しでも解明されるかもなので読みたい
#「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?
#今井むつみ
24/5/9出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
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#読みたい本
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まさに今、こういう事を知りたかった。
目から鱗が落ちるってこんな感じか。
「どれだけ言い方を変えても伝わらない」と頭を抱えていた昔の自分に読ませたかったな。
認知科学と心理学の視点で語られるコミュニケーションの本質には驚かされる。
と、同時に「やっぱりな」とも思う。
メカニズムを知ると冷静に物事を見られるから良い。
特に、スキーマの話が分かりやすかった。
まずは『人は自分の都合が良いように誤解する生き物』という前提でコミュニケーションを図る必要がある。
それにしても、相手の意図を読むなんて日頃からしているつもりだったけど…案外出来ていないのかもしれない。
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「なぜ説明しても伝わらないのか」を認知科学の視点で原因と対策を述べている。
一般的に人は「伝わらない」と感じると、説明の仕方や表現方法に問題があると、思ってしまう。
なので、分かりやすい説明の仕方や、正しい表現方法を学ぼうとする。
本書はHOW(どのように)を変えることで、伝わるようになるのかに焦点を当てている。
結論は、人は今まで経験や学んだことで形成されたスキームにより、言葉を理解している。
相手にどんなスキームがあるのかを理解すること、
どんな認知バイアスがあるのか知ることで、伝わる言葉を選ぶ必要がある。
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コミュニケーションの難しさ(何度説明しても意図したとおりに伝わらない)を、コミュニケーションの本質を押さえながら説明した本。
人間の思考には意識されずに使われる枠組み(スキーマ)があり、知識、経験によって人それぞれ違う。スキーマが違うと同じ言葉でも理解が異なる。このコミュニケーションの本質をひとつ理解出来ただけでも、自分にとっては大きな習得だった。
常に相手の立場にたち、相手のスキーマにあったコミュニケーションを心がけて、なるべく誤解を生じないやり取りを行っていきたい。
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もともと人間の記憶力はいい加減なところがあるし、育った環境によって言葉の捉え方が違ってくるし、価値観も違ってくる。スラスラ話されると信じてしまう認知バイアスがあるのには納得した。
相手をコントロールしようとせず、いい関係を保ちながら、相手の目線に立って、共通の具体例を挙げながら説明する。
失敗を検証し、シュミレーションしながら直感力を磨く。
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◆ 言語は意図のすべてをそのまま表現できるわけではない、つねに受け取り手によって解釈され、解釈されて初めて意味あることとして伝わる。
◆コミュニケーションの前提
・言葉を尽くして説明しても、相手に100%理解されるわけではない。
・同じものを見たり聞いたりしても、誰もが同じような理解をするわけではない。
・「言われた」ということと「理解した・わかった」というのは根本的に別物で、「言われたけど理解できない」ことも往々にして起こり得る。
◆ 私たちの記憶容量は「1GB」ほどしかない
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今の仕事(社内企画総括)で使えそうな考え方ばかりでした。
・お願いするときは理由セット→なんとなくやってるが、実験結果で具体的にわかった。
・言葉は情報圧縮ツール
最後の、優れた直観を得るには、天から降ってくるものでなく、日頃の努力の積み重ねによって一部の人がやっと手に入れられるものという趣旨の言葉は、やはりそのとおりだと思う。
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「話し方」のスキルよりも「心の読み方」のスキルを身につけたい。
話し方や表現の仕方などのスキルを磨くよりも、前提を理解した上で、「相手のスキーマを理解するスキル」を身につける能力を磨くことに徹する。
⇛具体的には相手のフレームを知るようにする。
同じものをどのように見ていて、どう考えているのか?を常に意識してコミュニケーションを取る。
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とても分かりやすく、読み進めやすく、するすると最後まで読むことができた。
中高生であっても読めるのではないか、私もその頃に読みたかった気がする。
色々なバイアスに自覚的になること、諦めずに悩み続けることを大事にしたい。
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300頁ある本書の227頁目に、こう書いてある。
「ここまで本書を読んできた皆さんも、文書の一言一句を覚えているわけではないでしょう。一言一句読んでいっても、その具体的な言葉は読んだそばから忘れていき、だいたいの内容だけをつかんで、読み進めているはずです。」
今まで読書が上手くできずに悩んでいた私の目から鱗が落ちた。忘れてしまう事に罪悪感を覚えていたのだ。
記憶にまつわる脳の仕組みを丁寧に解説したうえで、だから、コミュニケーションにはどう気をつけるか、どう訓練するか、といったことが書かれている(と記憶している)。目次だけ見て手っ取り早く第3章から読みたくなる気持ちをおさえて、はじめから読んでみて良かったと思う。
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「何回説明しても伝わらない」場面は嫌と言うほどある。結局諦め妥協するのがオチだ。
そんなモヤモヤを解消したく楽しみに読んでみた。
そもそも丁寧に伝えれば理解してもらえるものではない。
人それぞれスキーマを持っており、同じワードでも感じ取り方が異なる。
しかも、その時の感情も理解を左右する要素とのこと。
少しでも意図したことを伝えるためには、相手のスキーマに思いを寄せその時の感情を推しはかり、ワントーンではなく具体と抽象の振幅を加えることが求められそう。
要は一方通行ではなくしっかり聞くことで相手を慮る姿勢が必要だろう。決して論破するのではなく。理性よりも直感の大切さも教えてもらった。