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正体が面白かったので読んでみた
染井さんの最新作
後味がすごく良い
(ハーピーエンドでは決してないし、バットエンドかと言われるとそうでもない、誰が幸せになったわけでもない、相手を想い、許す許さない関係なく、最後のエピローグ含めて多くの想いが絡み合って終わるところが、表現し難い後味の演出になってるのかしら)
途中から石神がマイキーにしか見えなかったがw
英介と石神の心理戦(読みあい)は、頭の良さ、鋭さ、天性の嗅覚が絡み合って、仕掛け合いのところは非常に面白かった
復讐する側、される側だけの話ではなく
警察内部も、そりゃあるよなの内通犯との最後の絡みも、私は気付けませんでした
京子の妹設定は最後まで気付けなかった
最後の20ページぐらいの盛り上がりと
伏線全部回収してくれたところは心地よさは久しぶりに感じました
フィクションではあるが
ソーシャルで犯人援護の賑やかしなどは
現代に通づするし、自分が英介の立場、海老原の立場ならどうしたか、、、同じことするかな
罪犯しても、復讐してしまうかな。
法治国家である以上だめなんだけど、裁かれるだけでは納得できないかな。当事者と外野の温度感かリアルであり、追い込まれない限り軽はずみなことは言えないけど、家族が当事者になると、自分とか関係なくんだろうなと。自分事化をするのも恐れ多いが訪れないことを祈るってことしか出来ない。。。
ネガポジ関係なく
大変考えさせられる結末で
大満足です
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罪と罰と救済。一度犯したことは消えることなく廻り続ける。後半のたたみかける真実はさすが染井さんの作品だと思った。登場人物に感情移入するタイプの話ではなかったが、登場人物が全員巻き込まれてぎっちりと隅々まで詰め込まれていた。各々の立場での情景が分かりやすく描かれている。真実を知った時、やられたと思った。
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新刊が出たからと1冊、違う本屋で見つけたサイン本が欲しくなりもう1冊、さらにTSUTAYA限定で特典小説が付くと知りもう1冊。同じ小説を3冊も買ったのは初めて!笑 布教していこうと思います。
被疑者、被害者、警察…いろいろな立場からの視点で書かれていて、同情できるはずのない被疑者にも一般人と同じような日常があるんだと肩入れしそうになったり、でも被害者たちと一緒に憤りや虚しさを覚えたり、アワワ海老原さん…ってなったりと感情が振り回される小説だった。とにかく伏線回収がすごい!さてはこの人が英介だな?って思っていたら大外れ。読み進めたら、そっちか!って思わず額に手を当てた。良い意味で騙され続けた小説だった。
陽介の自分がまるでペットみたいだという台詞には悲しみで胸が痛んだし、英介の死んだ後母親と陽介の元には自分は行けないという修羅の道を進む覚悟を決める姿は、揺るぎない決意をもう変えることはできないことを察しつつももうやめてくれ…って何度も思わされた。まさに鎮魂、安らかに眠ってくれ…。
終わり方がまた残酷で、正義とはなにかを考えさせられた。一歩のように更生しようとする人間は、確かに過去を清算することはできないけれど救いが もなければならないと思う。英介が託した最期の望みを消してはならないと思った。
そして最後に特典版にて。一歩の味方がいてよかった。
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最初から最後までおもしろかった。単なる半グレと記者のやりとりなのに先が気になって読み進める。やがて謎が重なり答えを知りたくなる。少しずつそれが解明されていく。しかし単なるミステリーではない。加害者、被害者、関係者、さまざまな視点で出来事を捉えることで、物語の深さを感じた。
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理不尽に巻き込まれる事もある。
理不尽な振る舞いをする人達は存在する。
理不尽に巻き込まれる事はあり、理不尽はいつ襲ってくるかわからない。
但し、理不尽は人を選ばない・・・
罪は償えるか?
罪は償えない。
罪は一生悔いるべきであり、許されるものではないという事を自覚する必要がある。
罪には浄化できない罪もある。
罪を裁けるのは被害者であり司法を含む第三者が裁くという行為が誤りである。
他人の幸せを理不尽に奪った人が、その後幸せになるという事を法は許しても個人的には許せない。
本書を読んでいて考えさせられました!
日本で1番の半グレ集団の凶徒聯合のメンバーが何者かに次々と殺されていく!?
この、死んでいく凶徒聯合のメンバーは何かしらの表のビジネスで成功を収めた人物達である反面、かつて人を半殺しにして心と身体に生涯残る傷を負わせてきた、出来る事なら自分の人生に関わって欲しくないような人達です・・・
凶徒聯合のメンバー、殺人者、ほぼほぼ関係の無い第三者、警察の其々の視点から物語は進行していく!!!
登場人物達の隠れた関係性がミステリーの要素を秘めている!
反社の人達や、過去に大きな罪を負った者達が胸を張って生きていける世の中だけにはなって欲しくない。
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出先の書店で入手した一冊である。「続き?」が酷く気になる展開で、頁を繰る手が停め難くなり、素早く読了に至った。
これは深い怨恨の故に、巧みに犯行を繰り返す者の物語であり、繰り返される犯行で犠牲になる者達が関わった事件に永く携わった経過の在るベテラン捜査員の物語である。そして繰り返される犯行の対象となる者達の物語という要素も入り込む。多層的に語られる、静かに熱いという物語だと思った。
或る夜、或る男がバーで出くわした2人の男達の話しが耳に入る。
もっと若かった頃の“武勇伝”めいた話しをしている男が在るが、話しの内容が悪名高い所謂「半グレ」の集団の関係者らしい。そしてもう1人の男が、丁寧にその男をもてなすかのように接している。“武勇伝”めいた話しをしている男が席を外した際に尋ねると、“武勇伝”めいた話しを聴いていた男は出版社の編集者で、所謂「半グレ」の集団に纏わる本を出版しようとしているのだという。或る男は、所謂「半グレ」の集団の者達による理不尽な暴力で、友人が人生を棒に振るような被害を被ってしまっている経過も在り、この編集者に対して憤激を覚える。
そういうことが在った翌朝、男を訪ねて年配の刑事の古賀と、少し若い窪塚という掲示が訪ねて来た。その朝、「半グレ」の集団に属する男の遺体が見付かったのだという。この男が寄っていたバーで、同行していた人物と言い争いになっていた人物が在るということになった。そこで御話しを伺いたいということになり、男は驚くのだった。
こういうようなことから事態は動く。犯行を重ねる者の、深い怨恨に至る物語と、それを少しずつ解き明かす捜査員の動き。所謂「半グレ」の集団の者達が深く酷く蔓延っている様と、その密かな影響によって生じている状況も在る。
物語は適宜視点人物を換えながら進んで行く。“悪”たる所謂「半グレ」の集団の者達が殺害されることを「正義!」とする声も拡がる、或いはそういう声を広げようとする者が現れるということも筋書に加わる。そして重層的な物語が展開する。或いは、合法も非合法も含めて様々な活動をするようになった所謂「半グレ」の集団の者達の変化―30代の後半、数年で40台に入るという年代に差し掛かっている―という様子も描かれている。
本当に、頁を繰る手が停め難くなる。非常に強く引き込まれながら読み進んだ。御薦め!