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読み始めると何故か寝てしまうせいで半月くらい読んでた。
オチまで読むと全部ちゃんとしっくりくる。
梨さんだしまたモキュメンタリーかなと思ったけど。
あんまりこの言葉使わないんだけど感想としては『エモい』ホラー小説だなと思った。
私も、もし終われたらそう言って欲しいよ。
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梨さんらしい淡々とした資料考察型ホラーに、ジュブナイルが組み合わさった小説。
「おや?」ポイントに読者自ら気づいてヒリヒリして、それが回収されていく流れは「かわいそ(笑)」と同じですが、どちらかというと今回はその全容を小説として読ませるパターン。
個人的に、前半と後半は別物(別ジャンル)でとらえたほうが楽しいかも?と思いました。私はホラーが読みたかったので、前半と後半の評価を足して2で割ってこんな感じです。
前半の湿度と、後半の湿度はかなり違います。後半は「小説的」なので、登場人物に感情移入できなかったり、ホラー小説ならスルーできる違和感がスルーできない点になる可能性もあります。ホラー展開と彼らが抱くリアルな問題がもう少しうまく絡みつけば……と思いました。(不躾ながら、ぼぎわんシリーズみたいに)
ただ、これは私がもう高校生世代じゃないからこう思うだけで、小説の「彼ら」と同じような感覚を抱くかもしれない同世代にとっては、救いと共感になるのかもしれません。
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ホラー小説のはずなのに青春映画のように爽やかな不思議な物語。
自分たちの力では抗えない現象に死ぬ気で抗ってそして死んでいく。
自分で死を選ぶ事は必死に生きた事の証明で、怖いと感じられるの生きているから。怖いという感情から逃げるのではなく、どこまでも怖がる事で怪異に対抗する。
彼、彼女らは恐怖に抗い続けたからこそ自ら死を選んだのだろうなと思った。命を絶った二人に心からの賞賛を送りたい。
今まで私が読んできたホラー小説とは恐怖への解釈が全く違ってとても新鮮だった。
これまでの梨さんの作品とは方向性の違う物語だった。
梨さんという作家のターニングポイントの一つになる作品だと思う。
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冒頭の資料部分は事前に公開されてたのでその部分だけは読んでいましたが、書籍として刊行された結果、序章的な部分のごく一部でした。
前半、考察型的に進んでいくのか?という姿勢で読んでいくと、後半の小説体裁になった時に理解して馴染むまでに若干面食らった感じはありましたが、慣れればそこからは勢いで読了できる感じ。
血生臭い不気味さだけが募っていって全然謎が解けない感じの前半と、後半の当事者であるリオを通して少し角度を変えて見た真相の物語。
ただし、「本当に真相か?」は少し疑問が残る点もある。遺書のような録音には蝉の声だけで声が入っていなかった。では、文字起こしの元は結局どこから来たか?
狂った先の死に救われたのは、救いを求めて解放されたのは誰か?そんな人はいるのか?いなかったのか?
いくつかの「?」は残しつつ、素直に文面を受け取るなら、不思議と読了後の清涼感がある。
あえて、なんとなく残った「?」のいくつかを無視して終わるのも読み方のひとつだと考える。
そして、見つけた第8章。内容がひっくり返る文章だとしたら、それこそなかなかゾッとする。
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これ系は最後にゾッとする種明かし的なものがあるんですけど、いい意味で裏切られた結末でした。最後まで読んでから八章を探してみてください。梨さんの作品で1番好きかも。
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読む前と読んだ後で、タイトルの印象はガラリと変わる。
ストーリーも想像していたものとは違った。
ホラー小説を読む気でいたのに、いつのまにか青春小説を読まされていた。
こういう関係性をもアリなのかな。
誰からも理解されなくても関係ない。
たとえ友情とは呼べなくても、相手に対する尊重の気持ちはあったと思うんだよなあ。
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タイトル、表紙に惹かれて読みました!!
URコードを読み込んだり、フォントが変わっているのが面白くて今までしたことがない読書体験でした。
正直に言うと、内容が分からないところがあってページをめくる手が止まってしまうことがあったけど読み終えると、
表紙、タイトル、購入特典のノート、御札の意味が分かりました。
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タイトルの意味を図りかねて気になって読んでみた。作りとしては『近畿地方のある場所について』のようなモキュメンタリー・ホラーで、調査記録やインタビューの場面が書かれている部分で得体の知れない怪異に対してのアプローチが恐怖がありつつもミステリー要素としての面白さもあって二重に楽しめた。また小説パートで男子と女子の高校生二人組が導きだした怪異への決着の付け方が斬新だったのも印象に残った。ホラーを読んだのに何故かスポ根小説を読んだような爽やかな読後感が本書の持ち味だとも思った。
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私の理解力が乏しい事は前提ですが、終始よく分かりませんでした。最後まで読みましたが、モヤモヤ。文章も少し難しい。同じ立場の人が読んだら共感できるのかも。
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ストーリーを把握するのがやや難、一気に読まなければ、どこがどうつながるのか分からなくなる気がする。(分量としては、短期間で読み終える事はできる)
怪異や恐怖に対して、新しい捉え方をしているように思った。
一部、不気味ではあったけど、期待してたような雰囲気ではなかったか。
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ある高校で自殺をした生徒の噂とそれにまつわる怪談を調査する前半と、真相と思しき物語が描かれる後半の二部構成の小説である。分類はホラーなのだろうが、手法としては推理小説に区分しても良い。特に、死の装飾というのは多くのミステリで行われていることで、その特権性によって生は強く彩られる。
昨今、にわかにホラーブームが訪れているが、まさに上記した死の特権性を描く物語として、それは流行しているのではないか。世界では、戦争が勃発している。以前は推理小説が担っていた、大戦間小説としての埋没した個人の死を復権させるための行為として、ホラーブームが起きているのかもしれない。
最後に一点、彼の死を過剰に装飾した彼女の死を描いた文章は、一体誰が書いたのだろうか。そして、そこに装飾はなかったのか。もしも、切ない物語として本作を読んだ人間がいたとしたならば、それは恐怖を過剰に演出しようとした第一の作者と同じように、せつなさを過剰演出する第二の作者の掌の上だ。
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結論から言うと面白かった。
過去に読んだ『かわいそ笑』や『6』と違い、他の読んだ方たちの考察を読まなければ落とし込めないものではなく、ラスト二章で事件の全貌や真相は見えてくるのもよかった。
QRコードからGoogleドライブに飛ばしてアーカイブを読者のスマホに取り込ませる手法だったり、付属のしおりが恐らく作中で登場したと思われるお札だったりと、手の込んだ演出も面白かった。第八章も密かに存在していたのは、他の方の感想を読んで初めて知った。
ただ惜しむらくは、『かわいそ笑』や『6』と違い分かりやすい話であるものの、ラスト二章は「梨さんらしさ」があまり感じられなかった。前半のアーカイブパートでは、梨さんの世界観を感じられたものの、真相パートでは梨さんの世界観でなくても成立しうる、もっといえば他のホラー作家さんでもそれなりに成立しうるのではないかと感じた。あまりに梨さんの世界観を出し過ぎてしまうと、話の全貌が見えづらくなる弊害もあるが、それも梨さんの世界観なのではないかとも思ってしまう。
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前半が考察。
後半が小説からなる解答。
考察部分を読むのがしんどいー。いや、小説部分もかな。
考察だからなのか、言葉を難しくしてより難解に見せてる感じ?
ある高校に伝わる怪談「きれいな本」というのがあって,それの考察から始まる。
1章はそれに関するUSBメモリーが文芸部の棚の後ろから発見されて、QRでその中身を読むことができる。
そこから、いろんな人に話を聞いて、その見解をまとめている。
主軸となるのは、
ある年に「基地」と呼ばれていた高校の裏,ちょっと離れたところにある倉庫でコーラス部がつかっていた小屋のなかで、男子生徒が自殺したらしい。見たことない薬や、ビリビリに破いたお札、塩がぶちまけている口の中に自分の髪の毛が大量に入っていたという。死因は窒息死。
その様子を書かれていたのが「きれいな本」らしい。
もちろん本物はなく、封印されたらしい。
それらのことに関しての取材。
それらの後、小説部分では解答。
「きれいな本」がいかにできたのか、どういう意図があったのか、
そして、学校の怪談ってこうやったら広まるんだよね的な部分もあり。
考えたくない事がどうしても頭から離れない時に、恐怖があれば、考えたくない事は頭の中から消える。
そのために自分で、「恐怖」を摂する。
でも結局,自滅だよなー。
私は怖いドラマとか見ちゃって,お風呂入れなーい!眠れなーい!暗いとこいけなーいって時は、エロいことを考えるといい!というのを聞いて実践してるんだが、よっぽどその方が平和的じゃないかなっ(o^^o)
まぁ,それとは違うんだろうけど。
この本、まあまあ爽やかな装丁なんですよね。
内容と全然違う。
これは完全ネタバレなのですが、
「きれいな本」を作った人が、作るならこんな表紙にしようよ!って言ったそのまんまが、この本の装丁となってます。
つまり、
この本自体が呪われた「きれいな本」ってことで、読んだ私たちは・・・・
ちなみ、
目次では7章までしかないのですが、
8章が隠されてました。(そんなに見つかりにくい場所じゃない)
Rって・・・・?
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読んでいて恩田陸氏のドミノを思い出し、確か読みにくい内容だったなぁ。似てるけど恩田陸氏のドミノを再読したいと思いはドミノに行ってしまった。若者層の本なのだけど高校生向けの言葉の羅列。あえて難しく単語を並べているのか、頭のいい学生に設定しているのだろうか?と思うのは私に語彙力がないのと中学生並みの頭脳だからかも知れないが、理解して読むのに難義ではあった。
自殺した原因ではなく、自殺したくてもできなかった同級生の子が自殺をし目的を達成できた祝福として自殺を学校の怪談として広めていこうと手を尽くしていく話だが著者の意図がわからない。
噂はこうやって人の手によって波紋するといいたいのかな???
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ある男子学生が自殺した。
遺体の周りには錠剤、ビリビリに破れた御札、
口内に絡みつく本人の髪の毛。
不可解な状況に何か儀式めいた事を
行っていたようにも見える。
文芸部で発見されたUSB、きれいな本の噂、
合唱部からの聞き込み、学校の怪談の検証・・・。
一見無関係な情報のようで、実はある真実に繋がっていた。
前半の不気味な雰囲気が漂う情報部分は面白かったが、後半の真相に行くまでの過程が理解もイメージも出来ず、なかなか読む手が進まなかった。
全て読んだ上で装丁に感じていた違和感は、
そういう事だったのかと納得。
初回特典の御札、プロフィール、ノートも
読み終わった後なら意味がわかった。