投稿元:
レビューを見る
大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中にはなしかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗はーー「違う羽の鳥」 調理師の職を失った恭一は家に籠もりがちで、働く妻の態度も心なしか冷たい。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人からもらったという。隼からそれを奪い、たばこを買うのに使ってしまった恭一は、翌日得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れるがーー「特別縁故者」 先の見えない禍にのまれた人生は、思いもよらない場所に辿り着く。 稀代のストーリーテラーによる心揺さぶる全6話。
投稿元:
レビューを見る
6話からなるコロナ禍の犯罪をテーマとした短編集。どぎつい赤い表紙とテーマが犯罪と知って、一度はスルーしようかと思いながらも読んじゃいました。
そしてやはり一穂さん、『スモールワールズ』を彷彿とさせる、いろんなタイプのお話たち。不穏なものやゾワリとするものもあればほっこりするものもあり…一穂さんの短編は本当によくできていておもしろいですね。『特別縁故者』が一番好きでした。
投稿元:
レビューを見る
新型コロナウイルスのパンデミック下での犯罪=「ツミデミック」なのかー。なるほど!
6話の犯罪短編小説、どれもが不穏で少し怖くて…でもその中に人間味みたいなものも感じられる。
ちょっと不思議な読後感だった。
個人的には「特別縁故者」が一番良かった。
投稿元:
レビューを見る
パンデミックで今まで生きてきた事が当たり前ではなかったと気づいてしまった。ぞっとする話もあるけれど、どんでん返しもあったり、人情を感じる話もあって次はどんな話なんだろうと思いながら読めた。個人的には縁故者が好きだった。
投稿元:
レビューを見る
個人的に今本屋大賞に1番近いと思っている著者 の短編集。コロナをテーマは買うが、なんだか三面記事的な感じで、期待するところとは違うような気がします。
投稿元:
レビューを見る
コロナ パンデミックの頃の短編集。
あんなに大騒ぎしたのに もうずいぶん前のことの様に感じてしまう。
オドロオドロしいミステリーやホラー系もあるけど どれも怖いと言う感情より 悲しさや優しさが伝わって来ました。
そんな中での「特別縁故者」は通常で読むより 更にホッと出来るいいお話に感じますね。
投稿元:
レビューを見る
パンデミック時の情勢をベースに、した6篇の犯罪小説短編集
その名は、ツミデミック(罪デミック?)
本屋大賞第3位『光のとこにいてね』とはまた違う、魅力的な作品でした。
パンデミック時の閉塞感、焦燥感
緊急事態宣言、ワクチン摂取、ネットでのバッシング、自粛警察(パトロール)、持続化給付金詐欺、マスク、消毒液騒動、医療従事者への対応 ‥etc.
ある意味、パニック状態に陥って、人間性を問われているような時期
そんな時に犯してしまった犯罪、
犯罪に至らないまでも、それに近い行為、
それでも前向きに生きて行こうとする人々を丁寧に拾い上げ、掬い上げ、一遍、又一遍と紡いでくれた作品だとおもいました。
個人的な、評価ですが・・・4篇目の『特別縁故者』は、面白く、5篇目の『祝福の歌』に心撃たれました。
投稿元:
レビューを見る
サクッと読めたし、一話一話がそれぞれ違った作風で面白かった。
スモールワールズの時にも感じた一穂さんの世界観が楽しめた感じ。
投稿元:
レビューを見る
最近好きな作家さんの一人、一穂ミチさんの本。
装丁がパッと目を引くので、本の内容はさほどきにせず、「ツミデミック」という造語の題名もよくわからないまま読み始めた。
コロナ禍という非日常的な中でおきた犯罪だったり、不思議な話が6篇。
ちょっと背筋がぞぞっとする話や、最後に心がほっとあたたまる話があって、あっという間に読み終えてしまった。
一穂さんの短編集もいいな。
投稿元:
レビューを見る
このゾクゾク気持ち悪い感じ…
読む手が止まらない1冊だった。
コロナの“パンデミック“の最中に起こった、
ツミを犯した人々を描く“ツミデミック“
「違う羽の鳥」
同級生を死に追いやる原因を作ってしまったかもしれない男。そんな彼がコロナ禍の最中出会ったのは、亡くなったはずの彼女だった…
「ロマンス☆」
「あのイケメンの配達員に会いたくて…」。人目見て好意を持ってしまった配達員に会うべく、配達注文を繰り返す主婦。最後に彼女に降りかかる災いとは…
「憐光」
自分は死んでいる。でもなぜ亡くなったのか思い出せないー。そんなときに高校のときの先生と親友が自分の生家に訪れる。徐々に判明する悲しき結末とは。
「特別縁故者」
家の近くのお年寄りは大金を持っている。はじめ主人公の男は、お年寄りからお金をもらおうと計画を企てていた。しかしその計画は失敗に終わり、男は相続の金を目当てに「特別縁故者」になろうとお年寄りに近寄ろうとする。彼らに訪れる衝撃の結末に、こんなに胸が温かくなるなんて。
「祝福の歌」
高校生の娘が妊娠した。父は色々な悩みを抱えながら、実母の元を訪れていた。そこで実母から隣の部屋の夫婦の様子がおかしいと知る。本当なら今子どもが生まれ、子どもの気配があってもいいのにその気配がない。果たしてその夫婦の真相とは、娘は子どもを産むのか、色々なものが交錯したあとに聞こえる「祝福の歌」とはー。
「さざなみドライブ」
SNSで出会った様々な年代男女。彼らは集団自殺を行うべく集まった。自殺者条件は「パンデミックに人生を壊された人」。果たして彼らは安らかに自殺できるのかー。
後味が気持ち悪いものもあるが、
この気持ち悪さが癖になる。
でも、どこか温かい後味を残す作品もある。
これが一穂ミチの凄さなのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
短編集。
自殺志願者が集って自殺を実行しようとする「さざなみドライブ」が良かった。
自殺実行日当日に知り合い、互いをHNで呼び合う仲なのに、互いの来し方を知ると湧いてくる感情。
死にたくなったことがないから分からないが、絶望の中にいても、同じく絶望している他人に感情移入するものなんだね。
最後の展開には驚いた。自殺者を止めたい人間が、紛れ込んでいたとは。志は凄いと思うが、間違って死んでしまったらどうするんだ笑
「特別縁故者」も好きな話だ。へえ、そういう制度(?)があるんだと思いながら読んでいたが、まあ、そんなうまく特別縁故者になれる訳がないよな。下心8割、残り2割は純粋な同情心で近づいてくる人間なんて、見分けるの難しいだろうな。私が金持ちの立場だったら、とりあえず近づいて来る人は全員金目当てだと思ってしまうだろう。
しかし、この話の金持ちの高齢者はちゃんと人間を見分けることができていて、最後は心温まる展開になる。
いずれの話もコロナウイルスに影響された人たちが出てくるが、決して辛い話ばかりではない。
本書のように世の中が明るい方向へ向かうことを願う。
投稿元:
レビューを見る
コロナ禍、パンデミックと苦しい状況の中で起こる“罪”の数々
特別縁故者の物語、家賃を肩代わりするでもなく、自分の力で何とかしろ(できるだろ?)という気持ちが伝わる終わりでよかった
ウクライナのことまで絡んでくるとはと、世界的な変化の起こった時代を感じる一冊
投稿元:
レビューを見る
闇が深い
が、
もっと深くていい
中途半端に救いようのある話はいらない
お前は悪魔の使いか
と思わせるくらいの作品求む!
投稿元:
レビューを見る
イヤミス短編集
「特別縁故者」が一番よかった
最初は嫌なストーリーの流れで始まったが最後には心温まるお話に変わった
投稿元:
レビューを見る
パンデミックならぬツミデミック
2021年11月号から2023年7月号まで
コロナ禍に「小説宝石」掲載された短編 6編が時系列で並んでおり、ラストはずばり「パンデミックに人生を壊された人たち」の物語だった。
全編に不穏さがただよっており、早く読み進めたい気持ちにさせるので、あっという間に読了。
「祝福の歌」が非常にデリケートな内容で、しかも今まさに起こっている事態と関係していた点で衝撃的かつ印象深かった。
この短編集で、一穂ミチさんの新しい一面を知り、力のある作家さんだと再認識した。