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スピード感があって楽しめたけど
チームが一丸となっていないので
ピカソの贋作をつくって高く売る
というひとつの目的までに
あっちへ行ったり、こっちへ来たり
散漫な感じがした。
バタバタしてる間に
いつのまにか資金も材料も調達し
本物より本物な贋作が
出来上がってしまっていたような…
仲間を信じ切っていて裏切られた
とかならアリだけど
疑心暗鬼のまま命を賭けるなんて
できるかなーと
主人公のあやふやさに
読み切ったーという満足感はなかった。
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面白い!
ピカソの贋作を作る話が順調に軌道に乗り、ピカソを所有する某教団内にも協力者を取り込み、機材も万全に揃ってこれから贋作を作ろうとした途端の内部からの裏切り。それが何度も予想外の裏切りに見舞われ、八方塞がりに主人公を追い詰めてく過程は実にハラハラさせられ、今後の展開を予想だに出来ない追い詰め方をしてゆく。
嘘と裏切りと騙し騙されの駆け引き、贋作を作る”悪人”の主人公と対峙する裏社会、悪人と詐欺師が相手を見透かそうとする騙し合い。
贋作という芸術を題材にした優れたノアール小説だった。
今野敏と馳星周が帯を飾る意味が読後に納得できた。
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Amazonの紹介より
亡き父の友人だという山井からの提案が、
地獄の日々の始まりだった――。東大阪の施設に本物の「ピカソ」がある。それを一時的に持ち出しすべてデータ化して、本物そっくりの贋作をつくり、売る!
にわかには信じがたい話だ。しかし、元学芸員の下調べで真作認定済み、絵を持ち出す段取りも終えているという。狙うは中国人メガコレクター。騙し通せれば40億円以上での売却も夢ではない。チーム4人で割れば、一人頭10億円。だが、バレたら死が待っている。
多額の借金を抱えていた佐村は、この危険な賭けに乗ると決意する!本物より「本物」な贋作をつくれ!
少しでも嘘がバレれば、即破滅というサバイバル感のある内容でしたが、雰囲気もオドロオドロしく、終始いつ襲われるのか、ヒヤヒヤハラハラしながら読んでいました。
本物の贋作を作るということで、「やめればいいのに」と思いながらも、果たしてやってのけるのか興味津々でした。
昔とは違い、人の目で見るのではなく、最新鋭の判定機があります。それらをどう潜り抜けるのか?当時の画材や絵の具、そして乾き具合など寸分狂わず描こうとしますが、それまでの道のりがとてもサバイバルアクションでした。
多額の借金があるため、金融屋に襲われたり、はたまた仲間同士での裏切りや騙し合いなど危険な賭けの連続だったりします。登場人物みんな狂気性を放っていて、深呼吸する暇もないくらい、ずっと緊張感がありました。背筋も凍りました。
バレれば死。極限の状態で、絵は本当に完成するのか?幾多の困難に見舞われがらも、後半での取引現場は、まぁ手に汗握るばかりでした。
その他にも、主人公の父親の死の真相にも触れられています。それがどう仲間と関連していくのか?
主人公が段々と狂気へと化す描写は読みごたえがありました。
ホラーのような雰囲気も放ちつつ、デビュー作ということで、今後も期待が高まります。
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二転三転としながらも贋品制作にかける熱意を飽きずに楽しめた。しかし、騙し騙されながら贋品を完成させていくドキドキ感はありながら、登場人物たちの心理や心境が強く伝わらず個人的にちょっと入り込めなかった。追い込み、追い込まれ、死を覚悟する場面もあるのだが、読んでいるだけで口の中が乾いてくるような緊迫感を感じたかったというのは贅沢だろうか?ただ、それを求めたのは個人の願望なので、没入できればしっかりと楽しめると思う。
贋作の準備や制作、光学調査の描写はとても興味深かった。特にその調査により何層にもなった油絵を解き明かし、内部も表面もいかに真作と同じように仕上げるかの部分はワクワクした。制作過程の絵の印象と完成時の絵の印象の違いを発見して贋品制作に携わる画家が、まるでそれまでとは別人のように没頭する様は、こちらもグッと入り込んだ。
状況は待ったなし急展開の連続で、制作をしながら少しずつ明らかになる過去、当初の目的だけではなくなる制作する意味、飽きさせず最後まで進む。再読してみたらスリルも感じるかもしれないな。
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オランダの美術館から盗まれたピカソの絵が日本の宗教団体にある。その絵を借り出してそっくりの贋品を作り、48億円で中国の富豪に売りつけようとする。
贋作屋たちが借金まみれだったりしてあまりカッコよくなく、ピカレスクロマンとは違う。様々な機械を使って真贋を見極めるのがなかなか面白かった。
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タイトルの通り贋作作りのお話。
贋作に傷つけられ、贋作に賭けた男女が主人公。スリリングな展開で先が気になり、スルスル読めた。
贋品も誰も見抜けなければ、真品となる。
こういう犯罪小説を読むのは久々で新鮮に感じた。
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最新の3Dプリンターと各種科学解析を駆使して作る最新の贋作の話は興味深かったが、肝心の登場人物に誰一人魅力的な人物がいないせいで読んでいて辛くなってくる。ネタが類を見ないだけに少し残念な読後感だった。
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40億円?! ピカソの名作アルルカンの贋作づくりは成功するのか… スピード感抜群の犯罪小説 #贋品
■あらすじ
主人公の青年佐村は、かつて父と知り合いだった画家の山井に贋作づくりに誘われる。ピカソの名作アルルカンの贋作を作成し、闇売買で40億円を稼ぐというのだ。
しかしその道のりは険しく、資金集め、データ収集、材料集め、交渉など様々な困難が待ち受けている。しかも次々と追手が迫り、仲間たちも次第に…
■きっと読みたくなるレビュー
いやー、興味深い作品でした。絵画の贋作を作る犯罪小説なんですが、現代のニセモノづくりってこんなにも徹底的なんですね。
今や絵描きが偽物を描くんじゃなくて、3Dプリンターが描くんですね。びっくりです、ハイテクだなぁ。しかも材料も当時の年代にあるものを使う。キャンバス、木枠、絵具、膠などはもちろん、釘一本の錆び具合まで超念入りなんです。どこまでリアルな話かは不明ですけど、犯罪の世界も日進月歩でビビった。
また本作は単に贋作を作るだけの話ではなく、想定外な出来事から彼らは逃げ惑うことになる。まぁ次から次へとストーリーが展開されて、プロットづくりが上手いなんですよ。ただ豊かな表現が少な目ではあるんだけど、しかしその分スピーディーで面白いんです。
さらに推したいのは、登場人物たちの関係性です。決して仲良しではない、常に疑心暗鬼な結びつき。それでも中盤以降に明かされる過去の繋がり見え始めると、読み手としても感情移入してしまうですよね。
特にこの命を懸けたプロジェクト、同志としての支え合いが徐々に絆に変わっていく。最後の最後まで、誰も彼も何も信用できないんだけど、贋作づくりに懸ける魂だけは熱く繋がっている。決して真似したいなんては思わないけど、ここまでやりきる根性は見上げたものです。
登場人物では女中国人の文紅がシブかった!最後の最後までクール。いやーでも決して関わりたくないんだけど謎めいた女性には惹かれちゃいますよね。精魂を注いだ贋作づくり犯罪小説、サスペンスっぷりもたっぷりな作品でした!
■ぜっさん推しポイント
かつてお金に困った知り合いがいたんですが、彼が宝くじを当てるために、並々ならぬ努力をしていたのを思い出しました。当選が出た販売所で買い、神社にお参りに行き、金運アップのプロに祈願を依頼する。合理的な人には考えられない行動なんですが、本人は真剣そのものなんですよ。
本作においても、この信じることの純粋さと恐ろしさが描かれている。まさしく美と狂気は表裏一体。決して真似できないニセモノづくり&犯罪体験をさせていただくことができました。
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ピカソの名作の贋作作りに奔走する3人組。3Dなど、現代のアイテムを駆使しながらも当時の膠やキャンバス生地にこだわる点がリアル。3人に魅力がないし、特に主人公の佐村のキャラに不満が溜まった。スピード感があっただけが良かった。
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最初から怖かった。
私は精神的にもたないからバクチは打てない。
誰を信じたらいいのか?
今どうなってるの?
時々筋がわからなくなる。
贋作を作って売るという単純な話しをずいぶんと引っ張った。
登場人物は誰も印象に残らない。
(どんな本も星は5つつけています)
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贋作作りのノウハウに圧倒された。そしてこのスピード溢れるプロット。年明け一発目は大当たり。今年こそ良い一年になりそう!