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上巻での伏線がキレイに回収されました!
インターネットでつながりが広くなった世の中ですが、結目は昔より緩くなったように感じます。「つながり」がテーマの本作でしたが、主人公のサムを通して、改めて私自身もつながりについて考えさせられました。大好きな小島監督の作品だったので脳内再生できましたが、独特な世界観なので、人を選ぶ作品ではあるかな思います。ただ是非SF、ミステリーが好きな方には読んでいただきたい作品です!
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41:枝葉を適度に端折りつつ、小説として最小限の改変をしつつも、原作に忠実なノベライズでした。
クリアしてから読んだので、あちこちで「本編では……」と思い出が噴き出てきて大変だった。一方で、本編では収拾要素である過去の話もほとんど全て収録されているので、自力コンプを狙っている方は注意。
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この本は小島秀夫監督のゲーム「DEATH STRANDING」をノベライズしたものです。
死者の世界と通じるデス・ストランディングという謎の現象によって人類が絶滅の危機に瀕してるところから物語は始まります。
ゲームは未プレイなのですが、引き込まれて一気に読んでしまいました。
それは寡黙で人とのつながりを避けているサムに共感と好感を持っていたからだと思います。アメリカ再建という大きな荷物を無理やり背負わされて、イヤイヤ配達するしているのが、最後は人類の為に饒舌に語るシーンがたまりませんでした。
あと、それぞれの人物の背景がしっかりえがかれていて、初代メタルギアソリッドっぽいなと思ったり、「阪急電車」のようなところもあって、私の好きな要素が満遍なくちりばめられていてお気に入りの本になりました。
ゲームのトレイラーを観るとデス・ストランディングの世界に入っていきやすいと思います。
本を通じて世界とつながっていけたらいいな
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敵との対決では敵が視点人物になって描かれる(下巻168頁以下)。バトル漫画では敵キャラが倒される時に敵の視点で回想や独白が入ることがある。最初から敵視点は斬新な描き方である。バトル漫画では敵視点の独白で敗北を認めて受け入れる。本作品の敵は滅亡を求める存在であり、自分が倒されたがっている人になることも、ある意味自然である。
物語は最初から最後まで一人に振り回された感がある。そこまで巻き込まなければならなかったものなのかと言いたいが、実は誰かの意思通りだったという展開はゲームという枠組みでは珍しくない。
世界の根本的な謎の解明には至っていないが、むしろ個人の物語としては、それが良い。反感を抱いていた、つながりに救われる面があったものの、つながりを全面的に肯定する昭和の集団主義への先祖帰りとしなかった。任務を達成したら束縛から解放されるという初志を貫徹している。
昔ながらの共同体が崩壊し、共同体の支え合いの機能もなくなったために人々は苦しくなった面があるが、昭和の集団主義に戻ることが幸せではないとのアナロジーを感じた。
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デス・ストランディングとは、「世界を襲った謎の大異変。死の世界から座礁
した反物質が、この世の物質と接触し、対消滅を起こす現象。」という解説が冒頭の用語集に記載されている。この解説だけで、理解できる人は少ないだろう。
興味を持った人は、本書を読めば、どんな世界が広がるのか体験できる。
これがゲームで体感できるとのこと。
この小説を同じ結末を迎えるかを検証してもいいかなぁと少し思った。
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圧巻の物語は、小説でも健在だった。
【以下、ネタバレあり】
本作は、PS4ゲーム「Death Stranding」のノベライズ小説。
ゲームをプレイしてから読んだ。
ゲームをプレイした時は、あまりに重厚なストーリーに、自分の理解が追いつかず、消化不良になってしまっていた。エンディングで泣けなかったのが悔しくて、小説でもう一度物語を楽しむことにした。
小説版は、登場人物の心理描写が一層丁寧似されていて、物語への没入を随分助けてくれた。
小説で読んでも、物語をきちんと消化できたとはいえない。
しかし、ゲームをプレイした時よりは随分理解が進み、終盤、胸に迫るものがあった。
クリフが守ろうとし、アメリとブリジットが命を繋いだサムが、アメリとの繋がりを失い、世界を延命させ、UCAの人々と繋がる。しかし、最後には、UCAとの繋がりを絶ち、ルーとの繋がりを、未来との繋がりを選ぶ。
彼は、クリフとリサから繋がれた命のバトンを、次につなぐことを選んだ。
この物語が、読者の胸に色々な想いを去来させる。
人は寄り添って生きるもの。
一つの繋がりを失っても、また新たな繋がりが得られる。
ときには既にある繋がりを絶ってまでも掴むべき未来がある。
Tomorrow is in your hands.
本作に込められたこのメッセージの意味が、ようやく少しだけ分かった気がする。
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ゲーム体験が1番。このシナリオはゲームというメディアでこそ違和感なく成立したのか?
時間経過や旅程の描写が浅いため、つなぐ旅の壮大さも浅くなってしまっているような気がした。
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ある日アメリカで突然幾つもの爆発が起こり政府が壊滅状態に。
人が死んだ際しっかり焼却しないとそのまま死体が核爆発の様な状態を起こす。大地には時雨と言う浴びると時間が進んでしまう雨が降り、核爆発状態になった死体は魂がいつまでもこの世とあの世の狭間を彷徨い人間を襲う。
何故死者の国と生者の国が繋がってしまったのか。
アメリカを再建出来るのか…
設定はめっちゃ面白い。
ただ後半に行けば行くほど同じ説明が何度も繰返されている感があり、どうしてもくどいと感じてしまう。
きっとこの本は悪魔でゲームのデスストの補足小説と言う感じで、小説として読むよりかはゲームをやって、ゲームで不足と感じる部分を補う感じ。映画とかにしたら本当に面白いと思う。
小説として欲を言うならもっと長くしていいから一人一人の心情と場面描写をもっと深く書き込まれていたらより感情移入して面白かったと思う。
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本書は、PS4「DEATH STRANDING」のノベライズ作品の下巻に当たる。ライターは、「メタルギアソリッド」シリーズのノベライズも手掛け、原作者:小島秀夫がその完成度を賞賛した、野島一人が再び担当している。
原作のPS4作品は、アクションゲームではあるが、シナリオや世界観を重視した映画のような作風である。完成されたメインシナリオがあり、サブの部分もTips等でかなり豊富に揃っているため、ノベライズに当たってネタには困らない、むしろメインシナリオをなぞるだけで終わるのではないかと予想していたが、概ね予想どおりであった。特筆すべきオリジナルエピソードもなく、原作に忠実な作りとなっている。
私自身は、原作プレイ後にシナリオを復習する目的で読んだので問題はなかったのだが、原作で苦労した様々なプレイシーンを思い出しながら楽しみたいと期待していた人には、無味乾燥なノベライズになると思われる。(そもそも期待してはいけないと思うのだが。)
本書を読んで、小島氏のオリジナリティとセンスに富んだ世界観を改めて認識させられた。本書ノベライズ作品だけではこの「DEATH STRANDING」の世界を十分に味わうことができないので、原作未プレイの方は是非プレイしてもらいたい。
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小島秀夫ゲーム作品のノベライズ。映像も音楽も使えず表現するハンデは大きい。上巻と下巻で趣が大きく異なる。
上巻はゲームのストーリーをなぞる感じだったが、下巻は小説向けに表現や展開が、良い意味で大きく変更されているのが印象的。
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上巻でイマイチかと思ったけど、やはり良かった。良いコンテンツはどういう形になってもいいものだなぁ。と。
絆という言葉にはなんかアレルギーがあるんですが、強制的に押しつけるというのが当たり前だと書かれているとなんか悪い気はしない。
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人と繋がるのは難しいし、めんどくさい。自分はわりとそのタイプです。それでも独りは嫌だなと心の奥底で感じているのも、死後誰かには思い出してもらいたいという思いがあるからなんだなと読後感じました。
絶滅を早めようとするヒッグスや、最期まで足掻くために繋がろうとするダイハードマン。どちらもある意味で独善的であり、信念の依代となるイコンがありました。そしてイコンに縋る両者には、独りで生きていけないという人間存在の苦しみがありました。そしてサムにもイコンが存在しそれに囚われ、そこには寄す処を必要とする苦しみがありました。こうした苦しみがあるからこそ不意に終わる危険性を孕んでいるこの世の中で孤立して物語が失われないように、壊れやすい関係性でも大切にしないといけない。
よくよく考えてみれば現実でも核やら無差別殺人やら危険がいっぱいで、そんななかで独り死んで、誰も悲しんではくれず、誰にも思い出されないのは辛いですね。
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なかまくらです。
「デス・ストランディング」読みました。
新潮文庫で上下巻。ゲームのノベライズなのですが、
ゲームが面白くて、ノベライズも読もう、と思い立ったのでした。
地球の生命の歴史の中で幾度となく繰り返されてきた大量絶滅に対して、
大胆な解釈を加えて描き出した傑作でした。
絶滅は消滅を免れるための生命の手段である。
宇宙の誕生の際に、対消滅ですべて消えてしまうはずだった物質は、
少しだけ多かった物質のほうが残り、現在の宇宙を構成している。
大量絶滅が起こるとき、その種を絶滅させようとする作用みたいなのが働く。
それが起こると、その種に対する対消滅体が生じるようになる。
その対消滅体との衝突で物質ごとなくなってしまわないように、その種は絶滅を選択する。
そして、これまで起こってきた5回の大量絶滅(ビッグファイブ)の謎を解き明かしながら、
6度目の大量絶滅(人間の対消滅体の出現)にどう立ち向かっていくか・・・。
みたいなお話でした。
ノベライズ版では、大量絶滅への解釈や、ゲームを1度プレイしただけでは、
掴み切れなかった、世界観の詳細や、登場人物たちの過去やそれぞれの場面での心情、
主人公サムの出生についてなど、より味わい深くなりました。
なかなか面白かったです。
おわり。
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ゲーム「デス・ストランディング」のノベライズ。
特有の名詞等がかなり多いので、ゲーム未プレイで読むと何を言っているのかわからないだろう。また下巻後半は、場面が飛ぶことが多く、今どういうシーンか分かりにくい部分もあった。一方で、ゲームをやったことがある人であれば、用語やストーリーも経験済みであることから、すんなり読めると思われる。むしろ、ムービーなどの記憶が残っていれば、シーンのイメージがしやすく読みやすいとも思う。
ゲームと異なる部分として、サムの心情描写や、イゴール兄弟、ヒッグス、その他主要メンバーの内情等が記述されており、そこを知ることができたのは良かった。基本的にはサム目線であるが、群像劇のような展開もされている。以上より、基本的にはゲームの補完、または再読(?)として読むのが良いだろう。
また、このゲームのコンセプトである「配達する」道中の描写はあまり多くない。この点については、要所要所では描かれていたし、多ければ冗長にもなるため良い塩梅だと感じた。本作はストーリーが難しいので、こう言った部分が長いと本筋を忘れる可能性もあったが、問題なく読むことができた。
インターネットが発達し、誰もが常に「誰か」とつながっている現代において、「つながり」をテーマにした本作は、接触恐怖症であるサムが他者との「つながり」を築いていく過程において、さまざまな大切なことを伝えているように感じた。
デススト2も控えている中で、改めて読み直すことができて良かった。