考えさせられます
2025/01/04 14:26
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投稿者:Jung - この投稿者のレビュー一覧を見る
DV、母娘問題、認知症など、現代のいろんな問題が出てきて、しかもいつ自分にも起こるかもしれない話題ばかりで、考えさせられました。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
母親と娘のお話かと最初は思いましたが、中々…。それだけではなく、幼児虐待とか、いろいろ、現代の社会問題が……。お話は、千鶴が自分を捨てた母親の聖子に出会うことからスタート…。千鶴が夫から逃げるための、さざめきハイツ。彩子と恵真もねえ…
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母と娘の話
苦しかったし、辛かった。心躍るような場面はなかった。
それでも、物語の終わりは柔らかく穏やかだった。
主な登場人物は、今から22年前の小学1年生の時に母親に捨てられた女性、千鶴
千鶴の母親、聖子
幼い頃、交通事故で両親を亡くした女性、恵真
産後の回復が悪く育児を夫や義父母に任せているうちに居場所をなくし娘に捨てられたと思っている女性、彩子
千鶴の元夫、弥一
彩子の娘、美保
内科医の結城
ラジオ局ディレクターの野瀬
母と娘の再会の話を軸に色んなことが盛り込まれている。
貧困、DV、幼児の性被害、若年性痴呆症、子どもの虐待、育児放棄など
この一冊の本の中で全てではないけれど、これらのことを知って考えることが出来た。
当たり前だと思うのですが、人は何かしら悩みというか心の影のようなもの(欠点)を持っている。そして、毎日の幸せを感じられる様に何かしら努力をしている。
「大丈夫。あんたは、できる子だから」と千鶴の母、聖子が言う。
物語の最後2ページが安らかな気持ちになれて良かった。
纏まりがない感想ですが、思い出せるように綴りました。
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世の中には順風満帆の親子ばかりとは限らない。
仲の良い夫婦ばかりとは限らない。
自分の居場所が、幸せな環境ばかりとは限らない。
この小説の主人公の千鶴は、
幼い頃に母親に捨てられ、離婚した夫は離婚後も暴力を振るい金をむしりにやってくるとんでもない奴で、職場にも気味の悪い同僚がいて…
とにかく最悪な人生を歩んでいた。
身も心もボロボロだけど、毎日なんとか生きている。
必死に生きようとしてるわけではなく、かろうじて生きている。そんな感じ…
千鶴の人生が一変したのは、ラジオに投稿した自分の過去の生い立ちの文面が、とあるラジオパーソナリティの目に止まったことから。
千鶴の母親の知り合いという芹沢さんという女性が現れ千鶴を母親の住むシェアハウスに呼び、母親は若年性認知症であることを知る。
そして、千鶴はそこで暮らす人たちとさまざまな出来事を経験する。
最後の力を振り絞るっていうけれど、
認知症の進んだ母親が最後に千鶴たちを元夫から守ろうとするシーンが忘れられない。
千鶴と何十年離れて暮らしていても、千鶴が自分が守るべき存在だということは忘れていなかったんだなぁと思うと涙が出そうになった。
親子は最後まで親子なんだろう。
めちゃくちゃ暗い話で読み進めるのがしんどかったけど、最後はハッピーエンドでよかった。
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親の育て方、環境によって子供の人生にこんなに影響を与えてしまうのか 縛られてしまうのか、、
「自分の人生は自分で決める。」この言葉が1番心に響いた。
なぜ聖子が子供を手放したのか千鶴にわかってほんとに良かった。
「私の人生は最後まで私のものであり私の意思によって始末をする。」
自分の人生、責任は自分にあるし 自分で決めたものならしようがない。
考えさせ勇気をくれ背中を押してくれる作品だと思う。
「星を掬う」タイトルの意味も素敵だ。
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聖子さん、美保ちゃん、途中からは綾子さんも、苦手…めっちゃ嫌いなタイプだなと、腹立たしい気持ちで読んでたけど、結局みんな良い人だー!人って、本当の気持ちなんてわからないし、その人の上っ面だけしか見れてないことも多い。家族となれば、特にそういうところもあるのかも。お互いに理解しあい、尊重出来るのは、やっぱり話すこと。嘘偽りなく、きちんと向き合って。簡単なようで難しかったりするけど、人なんていつどうなるかわからない。大事な人には素直に自分の気持ちを伝えられる時に伝えておこう、改めて感じた一冊だった。最後はみんなハッピーエンドで本当に良かった。
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その子さん、ありがとう❗
大感動です。しかも凄くさわやかな気持ちになれました。確かに52ヘルツ超えたかもって思います。
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募り続ける母への恨み__誰かのせいにすることで自分を許せる気がした。登場人物たちの境遇にぎゅっと胸が締め付けられる。親だから子だからとお互いの人生を縛りつけてはいけない。責任を持ちすぎてはいけない。身勝手に思えた母の真意が分かった時、涙が溢れた。
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千鶴も聖子さんも彩子さんも美保ちゃんも性格がどうも私に合わなくてかなりむずむずしながら読んだけど話が進むにつれ、結果みんないい人たちで本当に良かった。
そして終盤でわかるこのタイトルの意味。
わかった瞬間心がじーーんときた。
町田そのこさんの作品は毎回内容がしっかり重めなのに読む手が止まらないんですよね。
本当に、もう、、好き、、
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「私の人生はわたしのもの」
『私の人生は、最後まで私が支配するの』
周りにいる人にとっては残酷かもしれないけど、いいことも悪いことも全て自分が持っていく。
傷みを与えてしまった人と与えられた人が言うこの言葉の意味合いは違うけど、でも、どちらの言葉でも涙が出てくる。やるせないけど、強い。
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後半に入ったところで、タイトルや装丁の意味がわかって、切なくなった。この親娘に合う、キレイな表現だと思う。
面白くてサクサク読めたし、最後は泣けた。ハッピーエンドでよかった。
本棚で保管
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色々な母娘の物語。それぞれの母娘で涙が出てきました。
離れ離れになる色々な事情があり、時がたち母を恨んでいた娘も母の気持ちが分かるようになる。甘えたいのに甘え方が分からない。最後はハラハラした場面もあったが、聖子さんにこれからどんどん親孝行してほしいと思った。
でも、やっぱり母娘の関係って難しいのかなーって思った。一卵性母娘って周りから見たら幸せそうだと思うけど、そうとは限らない。けど、やっぱり母は強し。娘への愛が溢れている。
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とてつもなく心に響いた1冊。
✩5以上をつけたい…。町田そのこさん本当に好き。
母娘で悩みを抱えていたり、抱えていなくても、
本好きのみんなに読んで欲しいと心から思った本書。
ラジオ番組へメールで送った千鶴の思い出。
それは、
千鶴の今までの人生を変えるきっかけになる事に。
メールで送った思い出は、
千鶴が小学校1年生の時の母との夏の思い出。
しかし、
その夏の思い出を機に母は姿を消してしまう。
そして、ラジオ番組を聞いていたある人物から会いたいとの連絡がくる。その人物は千鶴の母と一緒に住み『ママ』と呼んでいた…!?
最後まで一気読みで、涙がポロポロ出ました。
千鶴と母の関係性、母とおかあちゃんの関係性。
そして、千鶴と母を繋いでくれた恵真の過去と現在など…。
様々な登場人物たちの人間関係と、それぞれの視点から描かれている本書はとても読みやすく感情移入してしまった!
そして、終盤にかけて明かされる母が娘の千鶴を〝捨てた〟理由。涙なしでは読めなかったぁ。
終わり方もスッキリとしていて後味が最高でした!
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52ヘルツの鯨たちに続き二作品目
社会的弱者と呼ばれている人たちを描くのが上手だった。
夫からのDVから逃れるためにシェルターに避難した主人公の女性。そこで出会ったのはかつて主人公を捨てた母親だった。認知症を患っておる母親の記憶を掬いながら、過去が明らかになっていくところが面白かった。
認知症を交えながらも、ちゃんとした意思を持つ時がある母親の姿が良かった。
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タイトルとジャケットに釣られて購入…。
装丁がとても素敵です。
千鶴は幼き頃に母に連れられ、1ヶ月くらい旅行をしたという記憶がある。その後、母は失踪。捨てられたという感覚を持ち、生きてきた。
やがて職場のエースであった弥一と結婚をするが、DVを受けることに。別れた後も、変わらずDVを受け、金銭をせびられていた。
ある日、企画で報奨金の金銭目当てに母との思い出を手紙で綴り、ラジオ局にそれを送ると、その思い出がラジオで読まれることに。すると、千鶴の母を知っているという恵真からの便りに会う。弥一からのDVを避けるため、恵真の薦める「さざめきハイツ」で暮らすことにした千鶴。
そこで、若年性認知症に罹る母の聖子と再会し、家事を完璧にこなす彩子、彩子の娘で彩子と確執のある美保、聖子が面倒を見ていた恵真らと暮らすことになる。
そして、その中で自分を取り戻していく…。
とても綺麗なお話です。
綺麗な、というのは恋愛小説にあるような、表面的な話の美しさではなくて。
現実の世界によく見られるDVや病、介護の難しさ、親子の憎愛などを語りながら、それを理想的に描いたり、誤魔化したり、美化したりすることなく、その中で光を描いているからです。
人生って辛いことが多くて。むしろ辛いことの方が多くて。どんどんといろいろものが通り過ぎて、こぼれ落ちていく。
それでも生きていけるのは、手のひらに救える、そこに残るほんの少しの星が人生にはあるから。
「きっとこれからもお母さんは記憶の海を掬うんだよね。そしたらさ、どんなものを掬い上げたか。わたしに話してよ」
どれだけの綺麗な星を、人生では好きな人といっしょに眺められるんでしょうね。そして、それを忘れずに覚えていられるんでしょうか。
とても素敵な作品です。