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でもなく、妄想力だ、絶対に!とでっかい声で叫びたくなるオーケンのエッセイ…かと思って読んでるといつの間にか小説を読んでいるという不思議な感覚に陥る1冊。この感覚はなんだ。でも所々にオーケンの優しい眼差しが散りばめられていて、クスッと笑いつつも温かい気持ちになる。心地いい。文章もミュージシャンだからかな、と思わせるリズム感でとても心地いい。そんで最後はちゃんと伏線回収もしてくれちゃうので、これまたスーッと心地いい。さらには『今のことしか書かないで』というタイトルの意味も、かっこよくて心地いい。なんだかんだと心地よくない世の中で、妄想力の大切さを感じてしまった。本人そんな気ないとは思うけれども。
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2024年。
年寄りの話は昔話になるから、今のことだけ書くということで、ぴあで連載されたエッセイ。
オーケン節が懐かしい。ぷっと笑えておもしろいのや、よくわからんのがある。
やはり介護の年齢なんだな。アパート経営はやっとくといいよ。ロックなんて疲れるから演歌にしな。
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エッセイのような小説のような何か。妄想?現実?どこが狭間か筋肉少女帯、大槻ケンヂさんが見せてきてくれた世界がこの本の中にありました。
読了感もとてもよく自分との向き合い方など思うところもありました。
キラキラと輝くように
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‘今‘を起点にした、妄想がちりばめられたエッセイ集。
「取り立てて何も起きない2週間も」とあるけれど、そんな回はほぼなかったんじゃなかろうか。
話題自体は年齢もあってか割とシリアスなことも多いんだけれど、語り口や捉え方が優しくて、息はそれほどつまらない。
妄想部分に関しては、どうなんだろうと思いつつ、最後にゃ引き込まれたんだから面白いと感じたんだろう。
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今年一番最初に聴いた曲は、06552355の干支ソングだった。そうオーケンのあの曲。
今年はオーケンの年だろうと思い、数十年振りに手に取った次第なのだ。
変わらず鉄板のオモロさではあるけれど、長い月日が流れ、のほほん以上に力が抜け、寧ろこれくらいが自分にちょうどいい。
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エッセイ風の小説というか、エッセイにフィクションを混ぜ込んだらそれは小説ではないかという画期的な作風で面白い。そう考えるとエッセイと小説の明確な線引きなどないのではないか。枡野浩一さんの『愛のことはもう仕方ない』を読んだ時は、ご本人は小説と言っていたけど物語としての展開があまりなくてやっぱりエッセイではないかと思ったものだ。エッセイでも物語的な展開が描かれることもあり、結局は読み手がどう受け取るかの問題かもしれない。
エッセイ的な小説かなと思っていると、ラストは完全にフィクションになってそれまでのエピソードが盛り込まれてオーケンさんご自身の身の上と絡み合ってダイナミックに展開する。冷静になって考えると話としてできすぎでエンタメ色が強いのだけど、オーケンさんの実際の出来事がリアルで本当みたいだ。
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書店で見かけて、気になり手に取ってみた。
オーケンの小説を読んだのは、「ロッキンホースバレリーナ」以来だった。
この本はオーケンの妄想を盛り込んだエッセイだ。
と思ったら、そんな枠組みを超えたとんでもない幻想小説だ。
どこまでが現実でどこからが妄想なのか、もはやどうでもいい。
どこかに町子がいるんじゃないか、そんなふうに思えてならない。
ロッキンホースバレリーナを読み終わった時に感じた、爽やかで清々しい気持ちが蘇った