メディアへの指摘
2025/02/14 08:58
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投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
大手のテレビや新聞などのメディアへの指摘には、確かにと感じるところがありました。ただ、そのほか、全体的にはどうなんだろうかと思うところも多く、確かにDDな感じでした。
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いつもの橘玲節で子気味良いが、本全体としてはまとまりを欠く印象。
序盤で、ウクライナ戦争と第二次大戦のナチスドイツと、太平洋戦争での原爆投下を並べて、善悪二元論では解決できない「どっちもどっち」であることを明らかにする。これは、結構刺激的。
個人的には「日本は唯一の被爆国だから、核廃絶運動の先頭に立つべき」論について、「気持ちはわかるけど、何故そうなるのか理屈が分からない」と、昔から感じていた。著者はそこに「人類は誰もが被害者ポジションを取りたがる」という補助線を引く。これは、なかなか秀逸な視点で、侵略戦争の側面を薄め、被害側面を強調することで、集団維持に貢献している。そしてポリコレが進んだ現代では、この傾向は加速している。
中盤以降は、現代日本の様々な政治・社会問題について、同じようにどっちもどっち論で切っていく。だけど、節ごとのつながりが薄く、個別のネット記事を寄せ集めたような印象。節が移るたびに、唐突に話題が変わり、大きなテーマを追えていない印象。編集がもう少し全体の構成を作って欲しいところ。
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今回も面白かった。ジャニーズ問題や、マイナカード問題… 日頃のニュースに「あれっ?」って思う人には読み応えのある1冊です!!
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本書は、橘玲さんの週刊誌に連載されたコラム+書き下ろしで構成されており、相変わらず世の中の言いにくいことをエビデンスなども交えながら淡々と述べていくスタイルが心地いい。
短めのコラムが中心ですが、Part0の書き下ろし「DD(どっちもどっち)と善悪二元論/ウクライナ、ガザ、広島」をはじめとして、著者は世の中で正義とされている事柄の「不都合な真実」にも遠慮なく踏み込んでいきます。
特にPart4の「マイナ騒動は『老人ファシズム』である。『紙の保険証残せ』はエセ正義」と、「自ら道徳的責任を引き受けた藤島ジュリー景子こそまっとうだ」の2本のコラム、そして「あとがき」はそれぞれ痛快かつ刺激的で秀逸。
ソフトで冷静な口調ながら、マイナ騒動を、メディアらによる紙とFAXの世界に戻せという「現代のラッダイト運動」とまで評し、ジャニーズの一連の騒動については、同じくメディアを「正義の名を騙る者たちの偽善と自己正当化」とサラリと斬るのがいかにも橘さんらしいところ。
SNSに流れてくるような、単純な善悪二元論や「正義」に流されることのない視点が大事、ということを痛感させられる一冊でした。
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取り扱ってる範囲が広くて1冊にまとまってるようでまとまってなくて惜しい。ただ1本1本の内容は濃く露宇戦争から戸籍制度、エロスの資本化まで世界の潮流を知るための良書だと思う。
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この方の本は読むと賢くなった気になれる
ただ前半の70ページほどがタイトルの内容で自分が知らなかった若しくは考えもつかなかった論が展開され唸らされた
後半は雑誌連載の掲載のようでこちらは短いセンテンスで時事問題を中心に
アレ?この話はこれで終わりなの?って感がして全体としての統一感は無い
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橘玲さんの最新刊『DD論』を読みました。最近の事件や社会の動向について、橘さんらしい冷静でありながら鋭い指摘が光ります。語り口は淡々としているものの、その内容は非常に考えさせられるものばかりです。本書では、善悪二元論が認知のゆがみである「二分思考」につながり、危険な考え方であることが明確に示されています。この指摘には深く納得させられました。現代社会の様々な出来事を別の視点から捉え直すために、多くの方にお勧めしたい一冊です。
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コラム集という感じで、議論が発散。
雑事発表時の記事を既に読んでいる橘玲読者としては、新鮮味があまり無い。
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自分にも善悪二元論のような0か1かのバイナリー思考のクセがあって、多面的なモノの見方が重要であることはよくわかった。ただ絶対悪とされるものを擁護したいばかりに、無理やりな感じが否めない。単なる天邪鬼と紙一重。
ウクライナ戦争の背景は初めて知ったが、ドンバスにおける地方の勢力争いの域を出て首都キエフの一般市民をミサイルで無差別攻撃し、政権転覆を狙うのは「どっちもどっち」ではないだろ。京アニ事件にしても大阪のクリニック放火殺人にしても全く擁護しようのない凶悪犯罪であり、「どっちもどっち」でも「善悪つけられない問題」でもない。後半になるとますますDD感がなくなってきて、もはや何が主題の本なのかわからなくなる。Part4に至ってはDDと言うよりDY(どうでも良い)だ。
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理論整然と理を説く。これが著者が信頼される理由だと思う。
世界的リベラル化の果てはどうなってしまうのか。
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☆3.5 政治問題の決着のなさのなさ
双方の主張する善悪二元論が対立し、相対的な視点を失った論争に終りはない。ガザ、イスラエル、原爆、従軍慰安婦…… そのいづれにも犠牲者意識ナショナリズムは存在し、加害の歴史を無視し犧牲者たらうとする。
文学でもやたら原爆小説や原発小説が評価されるきらひがある。みづからが正義だと信じて疑はない者の多いこと。(その点、筒井康隆は谷崎賞の選評のとほりでえらい。)
さて、この本の内容自体は、日本の社会問題にたいしてリベラル観を問ひただすものだ。
それぞれ利害があって口にできないこと。それを橘さんは言ってのける。なかには首をかしげるものもあらうが、議論を深めるためには良い。
教育問題や親子問題などもあり、近代化によって旧弊な学校システムや戸籍制度がいつまでも持続してゐるのは、日本にとって良くないとわかる。先輩・後輩文化で過剰な媚びへつらひも、年齢差別。
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【どうしようもない】
脳みそは膨大なエネルギーを消費します。
したがって、瞬時に判断すれば消費動力を少なくすることができます。つまり、善と悪がはっきりしている方がわかりやすいので、善と悪を決めつける極端な二極化に陥るのです。
考える能力が備わっている人間ですが、考えないように生きてきたので脳みそを有効に使えていません。
ただ、現代は飽食の時代です。
膨大なエネルギーを使用する脳みそを動かしても問題ない。
どんどん動かしていきましょう!
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いつも通り橘節が冴える。
面白かったのは、夫婦別姓を導入すると、日本の家庭制度が崩壊する、とか、自動運転を導入すると、犯罪が増える、とか、安楽死を認めると不当な強制が横行する、などの保守派の議論は、世界の他の国の人たちにはできていることを、日本人にはできないと言う自虐史観だと言う指摘。
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二つの思考様式: 世の中の対立は、しばしば「どちらか一方が絶対的に正しい」と考える善悪二元論(私が正義)と、「双方に言い分がある」と考える**どっちもどっち論(DD論)**の間で揺れ動く。
DD論の起源と転用: 元々はアイドルオタク用語だった「DD」が、ネット議論で「世の中は単純ではない」という意味で使われるようになった。
善悪二元論の根源: 人間の脳はエネルギー消費を抑えるため、瞬時に敵か味方かなどを判断する傾向があり、これが善悪二元論に繋がりやすい。特に、最初に結論(公理)ありきで物事を解釈する演繹法的な思考は、認知的コストが低いが、現実との矛盾に気づきにくい。
複雑な現実: 実際の社会問題は単純な善悪で割り切れず、当事者双方が自らを「善」と主張するため、解決が困難な「どっちもどっち」の状態に陥りやすい。複雑なものを複雑なまま理解するのは認知的な負荷が高い。
DD論の功罪: 全てを相対化すると社会の基盤が揺らぐ危険性もあるが、一方的な正義の押し付け合い(善悪二元論)は対立を泥沼化させやすい。DD的な視点は、双方の言い分を認め、現実的な「手打ち」としての和解を可能にする側面も持つ。
ウクライナ戦争: 当初は「ロシア=悪、ウクライナ=正義」という善悪二元論が支配的だったが、戦況の膠着や核の脅威、戦後処理の困難さといった現実から、DD的な見方(停戦交渉重視)も再び現れている。
イスラエル・パレスチナ紛争: 当初の「イスラエル=被害者、ハマス=加害者」から、ガザ地区での犠牲拡大により「パレスチナ人=被害者、イスラエル=加害者」へと、善悪の立場が逆転する形でDD化。歴史認識や宗教、大国の思惑が絡み合い、極めて複雑。
歴史認識と記憶の政治: 歴史は常に修正され、政治的に利用される(記憶の政治)。日本のリベラルは「ヒロシマ」を被害の象徴としてきたが、加害の側面も含めてDD化し、ポストコロニアリズム時代の新たな視点を示す必要性が指摘される。「忘却の政治」は対立を終わらせる可能性がある一方、犠牲者の否定にも繋がりかねない。
リベラリズムの変容と新たな対立: 「誰もが自分らしく」を目指すリベラリズム自体が、社会の複雑化の中で新たな紛争(例:トランスジェンダー問題、夫婦別姓、共同親権)を生み出している。SNS上の対立やマッチングアプリによる格差拡大も現代的な課題。
責任の所在の曖昧化: 近代社会では個人の自由と責任が問われるが、匿名空間(SNSなど)では責任の所在が曖昧になりがち。メディアの責任放棄も問題視される。
「モンスター」の出現: 社会から疎外され、極端な被害者意識と他責性を持つ人々が「モンスター」化するメカニズム(認知的不協和など)が指摘される。特に、どこにも居場所がないと感じる中高年男性の問題が深刻化する可能性。
過剰な自粛と専門家の限界: 一部の「面倒な案件」に対してメディアや社会が過剰に反応・自粛する一方、ジャニーズ問題のような深刻な問題が見過ごされがち。スクールカウンセラー等の専門家導入も、必ずしも問題解決に繋がるとは限らない。
認知バイアス: 人は自分の選択や信念を後付けで正当化する傾向がある。政治的立場も、信念その��のより「自分が何を支持していると認識しているか」が重要かもしれない。
高齢化社会の歪み: マイナンバー保険証問題に見られるような、高齢者の「安心」を過度に優先し、デジタル化や社会改革を妨げる「老害ファシズム」とも言える状況。将来世代への負担増、社会システムの維持困難といった深刻な問題が迫る。
ジャニーズ問題: 性加害問題は、単なる賠償問題に留まらず、タレント、元タレント、メディア、ファンまで巻き込み、「犠牲者非難」も起こるなど収拾困難な状況。組織の問題や責任の所在が複雑に絡み合っている。
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私が大好きな作家・橘玲さんがロシア・ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス紛争、売春、トランスジェンダーの競技参加、安楽死、SNS、マイナ保険証等、連日世間を賑わせた(ている)問題についてマスメディアの報道とは違った観点から問題提起してくれる良書です。私としてはトランスジェンダー女性(元男性)が女性として1位になってしまう事やマイナ保険証のデメリットばかり報道するマスメディアに辟易していた自分にとってはスカッとする論調でした。