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読んでいてとにかくしんどかったので評価は星3にしました。
私だったら無理だなと思う環境下でしたし、とにかく読んだ後も不快感が残るので気持ちに余裕がないと難しい本でした。
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高校の時から難病の母親を介護(排泄などの介助を含む)をしながら高校に通っていたヒロイン沙智。
いわるゆるヤングケアラー?な彼女。
家庭も父の手取り約20万円(推定)の収入で生活も苦しく、父も母の介護はほとんどやらない。
そんなある日、難病指定の母に障害年金(月10万円)がおりることが決定した。
そんなところから始まる、ヤングケアラー気味な沙智が高校を卒業し大学にいき、就職するお話。
ヤングケアラー?なのか?と思うようなお話で、XのTLで流れてくる感じもヒロインをヤングケアラーと呼ばない感もあるので、おそらくこの私の感覚も読み終えた方々と同様なのかな?と
共依存であることは間違いないなと。
開幕から、沙智の父母共に毒親感が凄く、いきなり怒りや嫌悪感すら感じるのですが、その他の登場人物に対しても怒りが湧く。その他の登場人物はいわゆるまともなはずで沙智に良かれと思っていろいろ世話を焼いてくれる人もいるのにです。
そして、ヒロイン沙智に対しても、正直気持ち悪いなと感じてしまうところもあります。
おそらく、リアルでは間違いなくヤングケアラーで共依存で社会問題だとテレビで伝えられそうな内容です。
ところが、沙智のキャラクターなのか、壊れてしまっているのか?、語り方かわからないのですが、沙智目線で語られる毒親の父母も面白い感じで描かれて、ダメ父、ダメ母感で読んでいてクスッとすることもあるし、ダメ父が凄く頼りになったり、お金をせびってばかりの母も沙智に母親らしい優しさをみせたりでただの毒親ではないところが見えます。
また、感覚的には世間的にはまともという感じの登場人物も沙智や父母を通して急にダメな人間に見えたりと読んでいてなかなか不思議な世界に迷い込ませてくれる作品。
読み終えても、彼女をヤングケアラー?と呼ぶのか?もこういうところにあるのかな?と。
そんなことを思いつつ、私が本作品から湧いた怒りの正体が何なのかを考えながら、最後に一言
勝手に「救われてんじゃねえよ」
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ヤングケアラーという題材からいくと
もっと悲壮感溢れた物語になっても何も不思議ではない。しかし妙に軽快でテンポよく読める作品だった。なぜか。
どちらかといえば沙智は苦しい人生を過ごしている。けれどその中で笑いを忘れることはせず、自分の目標に向かって日々を過ごす姿が好きでした。
共感できる主人公とはまた違う存在。
沙智の持つ強さが眩しくて仕方ない、そんな人物でした。
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今読んでよかった、と、今読むんじゃなかった、私の中で同居する。
こんなんどう言葉を選んだって可哀想だし、今の言葉で言うなら親ガチャ失敗だし。
それでもその中に確かにあるささやかな光について切実に描かれていて、ただ私はそれを希望と言って良いのかは分からなかった。
小島よしおで泣く日が来るとは思いませんでした。
綺麗事なんかじゃ到底片付けられない、家族というものの結びつきの苦しさがそこにはある。
ここまでの負荷をかけられていても頼られて嬉しいと感じることにも、また別の闇があると思ってしまう。
まだ上手く整理ができない。読んでいてものすごく辛かったけど、これはただの同情ではない、と思う。
家族の共依存って決して他人事じゃない。
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文体や表現は軽やかで笑いを誘う明るさがあるのに、ここに描かれている生活はとても重かった。ケアや母と娘の関係など生々しく突きつけられる現実は読んでいてとてもしんどくなったがその中から垣間見える希望のようなものが散りばめられていて読後感は良かった。
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女による女のための
R-18文学賞 大賞受賞作
警報級 大型新人 到来!
17歳。
誰かの力を借りなきゃ、
笑えなかった。
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父親は悪い奴じゃないけどだはしないし、
良いやつではない。
母親は難病を患い、介助が必要な身体に。
そんな二人の元で暮らす沙智。
父親が協力してくれないから、
母親の介助は沙智が行う。
親だし、嫌いじゃないし。
だけど。
どんな形でも日々は続くし、
生活をしていかなければいけない。
ギリギリに震える部分と、
人間のどうしようもない臭さみたいなのが混ざって、
密度と湿度と臭いを、感じるような一冊です。
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最初の2編は読んでて苦しくなったし最後の1編は一般的なハッピーエンドではないとしても少し心があったかくなった
すごく力のある作家さんだと思う
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【自分の人生を優先するということ。】
サッと読める分量ではあるが、内容はヤングケアラーという昨今のシビアな話題をとりあげている作品。
しかし、全体として深刻に描きすぎず、ときにクスッと笑える家庭や時事的な話題も盛り込まれていて、とても読みやすかった。
肉親の介護と他人の介護では、天と地、月とすっぽんほどの差がある。
介護と割りきれない気持ちも、いや真正面から向き合ったらバカを見る、というはんば諦めの気持ちも、おなじく家族を介護する身としてとても共感できた。
どこかで自分と同じように、自分の人生と他人の人生の掛け持ちをしている人がいてがんばってる……そう思えるだけで、今日も肉親の介護をがんばろうと思える。自分の人生を生きようと思える。
親の介護や、なんでこんなことしてんだろ?と考えが迷子になっている人には必ず見てほしい1冊。
オススメです。
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ダメな母親の介護って何と理不尽なことか。
父親とも揃ってダメ親ながら、ふと家族だったりする中で揺れる主人公。
家族という業、人の心の機微、自分の思い込み。
短編ながら揺さぶられる小説。
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素敵な家族。
介護って暗いイメージあるのに、
この家族やたら面白い。
この本の色が水色の意味も笑えた。
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「ヤングケアラー」の主人公とその家族の話。
年収300万以下、8畳に3人暮らしの中、難病を患った母の介護もしなければならない生活。
父親はギャンブラー、浪費癖あり、お酒に走りがち、介護は娘任せの状況。
介護の場面はこれでもかという位リアルでショックを受けた。
全体的に辛い描写が多いけど、セブンティーンアイスを母と一緒に食べる描写など日々の些細な幸せも描かれていて、とにかく感情がジェットコースターだった。
いや感情の整理が難しいよ。
オッパッピーで母娘二人とも笑っちゃうシーンはどう表現していいか未だに分からない。
親が子供に依存するようなセリフも読んでてキツかった。
自分の親が将来こうならないとは限らないから。
血が繋がってる以上、やっばりどんな親だったとしても子供にとってはどこまでも大切で見放せない親という認識になってしまうのかな。
最後の章を読んで、あらゆる記憶が無くなったとしても、親から愛されてると感じる何気ない瞬間を、子供は自然と身体で感じ取って覚えるものなのかなと思った。