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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
文章全体にキレがなくて、テンポも悪いから、読んでておもしろくない。
内容も、付け焼き刃っていうか、無理やり感満載で。
誰がメインだったのやら。
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Amazonの紹介より
教師の傍ら執筆活動を続け、ミステリ作家として一世を風靡した久宝寺肇(きゅうほうじはじめ)が癌で亡くなった。恩師である久宝寺の死と時を同じくして母校に国語教師として赴任した辻玲人(つじれいと)は、彼の遺稿を入手する。それは不可能状況での殺人を描く短編ミステリのプロットで、解決編のない状態だった。「探偵」になるのが夢だという女子生徒・あずさと協力して、遺稿の続きを探す玲人。しかし校内で女子生徒の死体が発見され、その死の状況は遺稿プロットとまるで同じだった。
表紙から伝わるのは、同級生との楽しげな雰囲気を想像したのですが、読み進めるにつれて、殺人など残酷な出来事の数々に心苦しかったです。
そして、全てが明らかになると、表紙の絵は、なんとも切なくビターすぎる青春ミステリーでした。
プロローグから、もう誰かが殺されるという波乱の幕開けで、爽やかな雰囲気を想像していたので、予想を裏切ってくれます。教師兼小説家として活躍していた先生の遺稿を探すということで、図書委員一同や顧問の先生、編集者を巻き込んで探すものの、プロットだけ。読者への挑戦状があることから、解決編の文章もあるはずなのに、その間に登場人物が殺されていきます。
事件を捜査するのは、もちろん警察なのですが、なぜか主人公のあずさが、名乗りを上げ、探偵役として奔走します。
なぜ、そんなに探偵役をやりたいのか?ずっとモヤモヤしつつ、読んでいくのですが、それにしても強引すぎだなというのが印象でした。
普通なら、今までの経験があるからこそ、警察と協力して捜査していくのですが、あずさは何もなく、何がなんでも探偵をしなければいけないといったスタンスなので、そこまで追い詰めるものは何なのか、そこが気になるばかりでした。
後半になって、そういったことが明らかになるのですが、正直微妙かなと思いました。
被害者のために事件を解決する気持ちはわからなくもないのですが、「しなければならない」という使命感で、無理やりねじ伏せている感があるので、終始モヤモヤしていた印象がありました。
ただ、そこには、登場人物それぞれが抱える苦悩が大きく関係しています。それぞれが抱える苦い体験は辛すぎるなと思いました。なかなか人には言えない悩みをどのようにして、発散していくのか。その方法はバラバラで、色んな発散の仕方が、作品に散りばめていますが、やはり直接向き合うことが大切かなと思いました。
それぞれの苦悩や思いが丁寧に描かれている一方で、その結末は切なく残酷な結果もあれば、最悪の一歩手目で踏みとどまっているものもあります。その人の歴史を知ると、何とも胸が痛くなりました。
でも、事件を通して、良い方向へ向かって欲しいです。特に主人公の深野あずさには。あずさの結末は、今後どうなるかわかりませんが、一歩ずつ進んで欲しいです。
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所々でドキリとさせられる描写がある。小説とは言葉とは…のあたり。
まぁ全体としては私にはのめり込む感が浅かったです。登場人物のキャラが弱い。会話の妙が少ない。動機も弱いでしょうか。スピード感が魅力となっており、その分の個々の心理、動機、思想の描写は物足りなく感じました。
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笑顔あふれる女学生に何があったのか… 豊潤な心理描写が美しい物語 #名探偵たちがさよならを告げても
■あらすじ
比企高校の国語教師、久宝寺肇はミステリー作家でもある。しかし彼は癌で亡くなっていた。学校に通う女子高生の深野あずさは、同じく国語教師の辻玲人から久宝寺の遺稿を探すように言われる。彼女はその遺稿を発見するも、不可能犯罪を描く殺人事件のプロットだったのだ。そしてそのプロットとおりの死体が発見されてしまい…
■きっと読みたくなるレビュー
笑顔あふれる女学生たち、素敵な装画に癒されますね。今年いちばん好きな装画かもしれない。
しかし中身はそんな生易しいものではありません、見た目に騙されてはダメですよ。おそらく、するっと1回読んだだけでは、ぼんやりとしか理解できない。じっくり時間をかけるか、何度か繰り返して読むことをおすすめします。
本作は女子高生の深野あずさを中心に、学園内で起こった事件の謎を解くミステリー。病気で亡くなった先生が遺したプロットとおりに事件がおこるという見立て殺人。しかも部屋が外から密閉された状態という不可能犯罪なんです。
…ということは、学園青春ものと本格ミステリーとあわせたようなお話かなって思いますよね。もちろん事件の謎解きの面白味はあるんですが、それはメインの読みどころではありません。
この物語は過去の不幸なできごとも関連してくる。教師である辻玲人と東堂は久宝寺の教え子であり、かつて共通の女友達が亡くなってるんですよね。
そして本書の扉に「死ぬまでにやりたいことリスト」があり、その中に「探偵になる」と書いてあるんです。深野あずさがそのとおりこの事件の探偵役になっていくのですが、そもそもなんで探偵になる必要があるのか、よく分からないんすよね… なんでも猪突猛進に取り組む人間性ってことくらいしか描かれない。
ミステリーとは何か、探偵とは、トリックとは、犯人とは…?
小説とは何か、作家とは、読者とは…?
そして我々は何のために生きているのか…?
名探偵論から作家・読者論、果ては哲学の世界まで足を突っ込んで、深く描かれていく。不可能犯罪の謎解きだけでなく、どういう出来事だったのか? 一連の事件はなぜ起きたのか? 関わっていた人物にどんな背景があったのか? というもっと深い部分での謎解きを楽しめるんですよね。
ちょっと言いすぎかもしれないので、この辺まで。あとはじっくり読んでお楽しみください。また先生の文書は柔らかくて好み、また想像力が豊かで、文字を追っていくうちに物語の中に吸い込まれそうでした。
■ぜっさん推しポイント
実はかなりセンシティブなテーマを扱っています。終盤になると様々な真相や登場人物の背景が描かれ、とてもじゃないけど、自分には抱え込めなかったな…
特にかつての友達沙奈枝の真相に関しては、現代だとかなり覚悟がいる内容じゃないかな。この作品を書き切った藤つかさ先生の魂がにじみ出てましたね。
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高校卒業を間近に控えた冬の日、生徒が学校で死んだ。そしてその状況は、その学校の教師でもあったミステリー作家が遺したプロットと酷似していた。探偵になることを目標とするあずさは友人の死の真相を突き止めようとする。苦く切ない青春ミステリです。
解決編のないミステリのプロットに見立てられたかのような事件現場、作家の遺した謎めいたメッセージ、そしてなぜあずさは探偵になろうとしているのか。事件によって一見たわいもない学生生活の一ページががらりと変わってしまうようであり、しかし実はその前からすでに変容していたのか。真相がわかってみるとどうしようもなく苦く、いたたまれない気分になります。だけれど言葉や物語にも人を救う力はあると思いたいです。タイトルの意味も心に残りました。
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書評家の杉江松恋がYouTubeで褒めていたので久しぶりに買ってみた。なるほど、と思った。読みにくい箇所が少し気になったが、かなり複雑なことをさりげなく成立させているのには好感をもった。最初は冗長だとおもったシーンも、2回目読んだとき伏線だったと気づく仕掛けは唸らされた。
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書評家さんのオススメで。
事件やトリック自体に目新しいものはないが、筆力のある人だなと思った。ミステリ以外の小説でも読んでみたい。
登場人物の書き分けとか、キャラが定まらないのはこれからか。
それに、この結末だと冒頭の主人公視点が破綻しているような。
細かなところは気になるものの、文章はこれからの作品も読んでみたい。