投稿元:
レビューを見る
子供の中学受験時代を思い出す。
言い訳にするつもりはないけれど、
息子の得意科目(算数)が比較的簡単になった年で。
算数で他に差をつけることができず、
第一志望は不合格に。
あの時に親子で頑張ったことはとても糧になっており、
そして第二希望だった今の学校で楽しい学校生活を送っている息子を見て、
受験させて良かったとは思っている。
この本を読んでそんな複雑な感情がまた、忘れたはずなのに湧いて来てしまった。
話が短編で区切られていて読みやすく、私は親の立場だが、先生目線の物語なので勝手な親の傲慢さ、勝手さに少し腹が立ったり。
子供によって一人一人想いがあり、
親にもそれぞれの想いがある。
先生方にもある。
それが上手く交わらないことには、最高の成果を出すことはできない。
懐かしく感じながら読ませていただきました。
投稿元:
レビューを見る
安孫子正浩著『教場の風』読了。中学受験については全く縁が無かったが、本作で知ることが出来た。まだまだ経験の浅い小学生の頃に大きな目標に向かう姿は並々ならぬ努力が必要だと思った。限られた時間の中、受験当日に向けてスケジュールを進めるプレッシャーは、本人のみならず、親や講師も相当なものなのだと思う。ひとつに向かって進む絆の形成過程は熱いものを感じた。全ての中学受験に向かう学生たちが、本書のカバー絵のような爽やかさで次のステージに進める事を願うばかりである。
投稿元:
レビューを見る
集団指導塾に講師として就職した曽谷。出来る生徒の自信のなさとか、日和る母親とか、辞めた出来る先生とか、悩みは尽きない。
塾の先生を主人公にする珍しい小説。面白かった。国語を教える難しさをもっと教えて欲しかった。小学生にどうやって国語を教えるの?
投稿元:
レビューを見る
中学受験の経験はないが、高校受験期に通っていた塾がまさしく作中の塾と同じ感じで懐かしく、自分の経験と照らし合わせながら読んだ。
努力したからといって報われる訳ではなく、受かるか落ちるかの2択の世界を、まだ幼い小学生に経験させることは酷なことかもしれない。しかし、彼ら自身が志望校に向けてひたむきに頑張っている姿を見ると、その過程自体に大きな意味があるのかもしれないと感じた。
投稿元:
レビューを見る
中学受験に挑む子どもたちの様子を、塾講師の視点から捉えている物語。「何を選ぶのが正解なのか誰にも分からない。大事なのは本人の意思」という言葉が心に残った。教育に関わる仕事をしているが、本当にその通りだと思う。その中で結果を出さないといけない大変な仕事だな、と思った。合格出来なかった知らせを聞いて、「自分のせいだ」と思う描写があるのだが、その気持ちは痛いほど分かる。でも、合格も合格出来なかったことも、全てその子の喜びや痛みであると思うべきだ。子どもの痛みを大人のせいにしてしまうと、大人が苦しくなる。でも、簡単にそんな風に割り切れないのも分かっているから、辛いよね、、とも思う。