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私は絵画に詳しくないので、それを題材にしているという点でまず興味が30%ほどそがれたが、絵画の世界を知ることができ、また清張らしい内容文体が非常に引き込まれた。
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斬新な新人女流画家、降田良子(おだよしこ)を売り込む画商光彩堂。ライバル画商業芸洞の支配人小池はその画風に疑問を持ち、降田良子の故郷福島を訪れ、戦争で精神を病んだ小山の絵をモチーフにしていることを突き止める。だが小池を陥れようとする罠が迫る。
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松本清張は絵画を題材にした作品が多くあるらしいが
その中で、古本屋で見つけた作品がこれでした。
また、今まで読んだ『砂の器』『わるいやつら』と同様
作品に出てくる地域の風土が細かく描写されている。
実際にある地域と名前は一致しないものが多いらしいです。
内容は、新人女流画家の真相に迫るものなのだが
結構面白かったと思う。
サスペンスという面白さよりも
人間は興味があるものを、とことん突き止める力があるという面白さと
この興味から起こる事件の
二つの展開が作品の面白さなのかなと思いました。
長編と言っても300ページ程度のものなので
読みやすい長さの作品だと思います。
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この作品は、清張が70歳位の時に書かれたもの。
読後にう~んとうならせられた。
やはり読み終えた直後の気分で、良い作品なのか、良くない作品なのか、は大切である。
何が良いのかというと、終盤の展開が思わぬほうにいき、すっきり感があること。
それから、全般に自分の知らなかったことがいくらかあり、新たな世界を仮体験できたという気分を味わえたこと。
などが、良い作品がそうでないかの違いか。
「新たな世界を仮体験」とは、この作品では美術商のこと。
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誰も殺されない松本清張。いつになったら展開があるのだろう?と思いながら読んだ。主人公?の女性は美人でも人から好かれるかんじでもなくサッパリと書かれてる。何者だろう?と思わせてくれて楽しい。ライバル画廊のやり手が、戦争帰りの親戚の話をでっちあげて人の話を聞き出すのが、そういう人が身近にたくさんいた当時を感じさせる。主人公たちのしていたことはあくどい犯罪ではないし、着想を得ていただけで自分の画力で描きあげたともいえるような気がするが、狂人画家の功績を葬り去ったことはやはり罪なのだろう。
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銀座の有名画廊に、新人女流画家が自身の作品が持ち込まれる。安く買い取り、得意先絵画コレクターが購入した高額絵画の「おまけ」として付けられた。が、買い取った顧客は、この「おまけ」の作品に心酔。ここからストーリーが展開する。作品数が少ない新人女流画家。新人を育て囲い込み、大きな利益を上げようとする画廊。
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制作過程及び美術履歴不明な新人女性画家の真相を追う話でありがちな殺人事件などは無い。しかし画商たちの腹の読み合いと推理力は紛れもなくミステリー。笑顔の裏に、罠や情報の探り合いがあり魑魅魍魎的な美術界が堪能できる。
最後のオチが現実的で良かった。
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画商の世界を自然に知れた。駆け引きが面白くて一気に読んでしまった。
絵画は芸術とは言え、画商からしたら商売道具なのだと感じた。メインターゲットであるお金持ちが好むような色彩とか絵のタッチを研究し、再現したら売れるのだろうか。また、芸術にこのような共通項は見出せるのだろうか。
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芸術ミステリーはやはり惹きつけられる。
松本清張の重厚な雰囲気は尚更だ。
でも本作は後半にかけて駆け足で進み、急に収束したような感じで、最後にもう一波乱欲しかった。
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コレクター寺村の眼に留まり、この画を持ち込んだ女画家 降田良子とはいったいどういう経歴の持ち主なのか?光彩堂の山岸と叢芸洞の小池がそれぞれの角度から調べていくストーリー。たったそれだけの事なのにストーリーが面白くてスラスラ読めた。
小池が最後原口に騙されて殺されなくて良かった。
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松本清張にこんな話があるのを知らなかった。地味だけど読ませるし、画廊と作家、画廊同士、ブームの作られ方、とか業界ゴシップ話としても面白い。最初に提示されるミステリーの解は割と最初の方で想像できちゃうけどそこへ持っていくまでの物語や、その後展開される事件はやっぱり松本清張だった
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新人の天才画家の絵のルーツをめぐるお話。話の進み方はスラスラと読め、展開も掴みやすい。特に最後の展開は今まで散りばめていた伏線や疑問を一つの道にしており、読後感もよかった。ただ自分自身に絵の知識がないため、美術のワードが難しくて、そこは読むのに苦労した。