- みんなの評価
26件
さいはての彼女
著者 著者:原田マハ
25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せていた秘書の高見沢さえも会社を去るという。失意のまま出かけた一人旅のチケットは行き先違いで、沖縄で優雅なヴァカンスと決め込んだつもりが、なぜか女満別!? だが、予想外の出逢いが、こわばった涼香の心をほぐしていく。人は何度でも立ち上がれる。再生をテーマにした、珠玉の短篇集。
さいはての彼女
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
さいはての彼女
2019/06/18 21:08
「線」を越える女達の話
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
原田マハの『さいはての彼女』は、女性による女性のための女性の本ですね。
楽しんで読んだのはおじさんですけど。
短篇集の冒頭で沖縄に出かける場面があって、「さいはて」とは沖縄の離島か、と思ったのですが、やっぱり北海道でした。
そして、「さいはて」にはもうひとつ重要な意味があったのです。
すぐれた解説にインスパイアされて言えば、4つのすてきな短篇は、「線」を越える女達の話です。
2021/10/04 17:02
爽快!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんて爽快で痛快な気持ちのいい小説なんでしょう。単なる青春小説でもない、振り切ったキャリアウーマンが体験するからこその独特な感慨が伝わってくる小説。ナギという太陽のような風のような素敵なキャラと主人公との対比・関係がものすごく良かったです。車やバイクにまったく興味のない私でも物語にすっかり引き込まれてしまいました。サイハテというバイクに乗る一人の少女を中心とした連作短編ですが、それぞれの物語が美しく絡み合い見事な織物を紡ぎだすような素敵な連作短編集でした。
2023/07/17 08:38
開放
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たかぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
会社のこと、部下のこと、恋人との別れ、人間関係、自分の人生、家族、亡き夫の思い出。
押し寄せてくる見えないものから解放される旅があり、解放されたからこその気付きがあり、人との出会いがあり、その先への道がある。
逃げたっていい。
時には立ち止まり、目をあげて違う風景を見られたら、きっといいことがある。
そこから始まる何かがきっと見つかる、そんな心の解放感をもらえた作品だった。