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19件
植物図鑑
著者 著者:有川 浩
「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか? 咬みません。躾のできたよい子です」「――あらやだ。けっこういい男」――ある日、道ばたに落ちていた彼、イツキ。さやかが彼から聞いたのはそれだけ。でも、それで充分だった。二人の共同生活は次第にかけがえのない日々となっていく――。花を咲かせるように、この恋を育てよう。『阪急電車』『図書館戦争』の有川浩、最新にして最高のラブストーリー! 番外編に加え、イツキ特製“道草料理レシピ”も掲載!!
植物図鑑
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植物図鑑
2010/08/12 14:37
雑草という名の草はない。
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かず吉。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までの有川さんの小説に比べて何かがおかしい
と感じつつ、途中まで読んでいました。
この小説では有川さんの今までの小説とは違い、
登場するのは普通の女性なのでした。
「植物図鑑」その名の通りの小説です。
飲み会の帰りに行き倒れている男を見つけて、
酔っていたのと、その男の言い草が面白くて拾って
帰ってしまうところから小説は始まります。
その男、料理はできるし気はきくし・・・で重宝されて、
しかも山菜や野草に詳しいのです。
週末ごとに野草狩りになんども出かけ、その野草を
料ることで二人の間は深まっていきます。
紆余曲折あるけれど、途中から激甘ラブが炸裂し、
泣ける部分もあり、小説全部を楽しみました。
読んでいる最中に料りたくなり、ゴーヤのみそ炒めを
作ってみました。野草狩りは興味はあるので、いずれは
この小説の巻末に載っているレシピでふきご飯を作って
みようと思います。
この小説にはたくさんの植物の名前が出てくるけれど、
へクソカズラは小さいころに触ったことがあるのを
思い出しました。臭いもなんとなく思い出して苦笑い。
知らない植物名もネットで検索して「こういう植物
なんだなぁ」ってちょっと調べてみたりして。
有川さんの小説は読み終わってからいつも気持ちがすっきり
して「あ~楽しかった!」って思えます。
今回は思わず笑顔になっている自分にふと気づいて恥ずかしく
なりました。
植物図鑑
2009/07/05 19:13
日常というのは普段の生活のことです
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の描く世界は、普段あるような生活の描写の中に、スパイスの様に虚構がまぶしてある。だから、現実を逸脱しない範囲でありながら、創作として楽しめる作品になるのだと思う。今回は、普段歩いている道の道端にも生えている"雑草"という現実的な風景に、道端に落ちている男の子を拾うという虚構が織り込まれている。
遠くへ出かけるのだけが行楽なのではないということで、歩きで自転車で野草を摘みに行くのがさやかとイツキのデートみたいなもの。週末に二人して出かけては様々な野草を収穫し、二人で料理する。そういう日々の出来事を通じて、さやかの日常がイツキの日常に取り込まれていく。
ありえないような設定がほとんどなく、現実的な描写、例えば野山めぐりをする時にトイレの心配が出てくるところとかがボクの好みです。
植物図鑑
2009/09/23 12:36
イッツ スイートラブストーリー 甘すぎです。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山茶 - この投稿者のレビュー一覧を見る
SFが苦手な僕は有川浩を敬遠していました。
しかし、StorySellerを読んで以来ファンになり、
SFは相変わらず手を出していないのですが、
この本は恋愛小説なので、読んでみました。
いやぁサイコーです。
草食系男子とでもいうんでしょうか、イツキいい味出してます!
ちょースイート・ラブストーリー
読んでるほうが赤くなるぐらい甘いイツキとさやか。
30過ぎのオッサンとしては電車の中では読めず、
寝る前に読みました。
突然の同棲生活で、ありえないだろそれと想いつつ、
二人の植物を交えての生活にほのぼのしつつ、
ラストの展開に泣いたり喜んだり・・・。
恋愛小説を満喫しました。
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「 別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。
花は毎年必ず咲きます。 」
文豪・川端康成
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この文句、なるほどねと思った。
この小説では男と女が逆転してますが、
花を通しての想い出というのは毎年思い出すんだろうな。
一言「女々しい」と言えばそれまでだけど、
こういう考えの女性は好きだなぁ。