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肖像画で読み解く イギリス王室の物語
著者 君塚直隆 (著)
英国人の心を常に惹きつけてきた、歴代国王や女王の肖像画。いつ、どんな思いを抱え描かれたのか――。史上最強の王室の輩出した誇り高き「役者たち」の素顔にオールカラーで迫る。
肖像画で読み解く イギリス王室の物語
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肖像画で読み解くイギリス王室の物語
2010/11/19 21:21
図版も美しく、短時間で興味深いイギリス王室の歴史絵巻物語を堪能できる
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
イギリスの歴代の王たちの肖像画を各章の冒頭に話の緒として掲げながら、各時代の興味深い王室歴史物語を綴っています。
著者自身が巻末で記すところによれば、同じ光文社新書として発刊された中野京子著『名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語』に触発された一冊です。
英国に限らず中世から近代にかけて欧州の王朝は結婚によって複雑に入り組んだ婚姻関係を諸外国と築いていきました。誰が誰と誰の孫で誰が誰の従兄弟姉妹なのか巻頭の家系図抜きではにわかには理解が進まないことも珍しくありませんが、だからこそ一筋縄ではいかない人間関係が彩なす果てしない歴史絵巻をたっぷりと味わうことができます。
入り組んだ国際結婚の結果、ノルウェー国王やスウェーデン国王、デンマーク女王やオランダ女王たちにもイギリスの王位継承資格があるという話には驚かされました。もちろん継承順位は第62位から第812位といった具合にかなり低いのですが。
王位僭称者と称される一方でスコットランドでは「Bonnie Prince Charlie」と称えられた“チャールズ3世”が民謡「My Bonnie」の由来であったことや、ジョージ4世が摂政(リージェント)時代に整備したロンドンの大通りが「リージェント・ストリート」の名称の由来であるなど、トリビア的な知識も楽しく読みました。
リチャード3世に関する記述が「兄の遺児や有力者を次々と殺害して権力を掌握」(21頁)したとあります。しかしジョセフィン・テイ作のミステリー小説『時の娘』に魅了されてロンドンまでリチャード3世の肖像画(27頁に掲載)を見に行った私としては、ヨーク王朝のリチャード3世が甥を殺したというのは次のテューダー王朝時代に造られたプロパガンダであるという説についてももう少し触れてほしかったなという思いがします。
肖像画で読み解くイギリス王室の物語
2017/07/05 19:02
まさに数奇
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
この中ではチャールズ1世を描いたヴァン・ダイクの絵が印象深かった。王と彼を囲む家族が歩んだ人生を思うと数奇と言う言葉がぴったり。