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狭き門
美しい従姉アリサに心惹かれるジェローム。二人が相思相愛であることは周りも認めていたが、当のアリサの態度は煮え切らない。そんなとき、アリサの妹ジュリエットから衝撃的な事実を聞かされる……。愛し合う二人の恋はなぜ悲劇的な結末を迎えねばならなかったのか? なぜかくも人間の存在は不可解なのか? 時代を超えて強烈に問いかけるフランス文学の名作、みずみずしい新訳で登場!
狭き門
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狭き門
2020/05/11 22:34
「狭き門」というタイトルは「マタイによる福音書」のことば
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「狭き門」というタイトルは「マタイによる福音書」にある「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見い出すものは少ない」という言葉から来ているという。ヒロインのアリサも「神さま、あなたが教えてくれた道は狭い―ふたり一緒には歩けないほど狭いのです」と嘆息する。福音書のことばがタイトルになっていたり、アリサの嘆息を聞いたりすると「何か小難しい話だな、読むのよそうかな」と思ってしまうかもしれないが、実は若いカップルの内の男性の方が勝手に彼女について妄想し、ハードルを上げて完璧な女性に仕立てあげたことに、て彼女が耐え切れなくなって別れたいう話だと読めば、いろいろとわが身に覚えがある「あるある」が思い浮かんできて面白い
狭き門
2016/10/27 21:11
狭き門
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:NAOKI - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルが気になり手に取った一冊。主人公ジェロームと従姉アリサとの清純な恋愛。「愛」とは何なのだろうかと考えさせられた。恋を経過・愛を到着地と考えれば、二人は手紙を通して「恋」をしていた。恋は時めきをくれる経過だ。一般的に私達は「恋」(経過)を経て、「愛」(到着地)=結婚へと向かうものと考えるだろう。しかし、ジェロームとアリサ、二人の「愛」という到着地は異なっていた。「死」に至らざるを得ないほどのアリサの清廉な「愛」への思想と、一途な「愛」のために生きたジェローム。このすれ違いが非常に切ない。