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幸福について
「人は幸福になるために生きている」という考えは迷妄であり、間違いだと逆説的に説く幸福論。自分を他人と比較し、他人の評価をたえず気にすることが不幸の元凶であり、名誉、地位、財産、他人の評価に惑わされず、自分自身が本来そなえているものを育むことが幸せへの第一の鍵である説く。『読書について』の哲人が授ける、この七面倒くさい人間社会を生き抜く知恵。
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幸福について
2020/07/04 22:45
ぴったり当て嵌まりました。
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
幸福論と言えば、アラン・ラッセル・ヒルティであり、3書ともを岩波文庫でかなり以前に読了しました。ヒルティが最も宗教色が強く、また個人的にはアランとラッセルが良く、アランの方がよりしっくりときた記憶があります。
本書を読了して、アランよりも更に自身にとってぴったり当て嵌まりました。人生論に於いては中国古典思想が私の中心に据えられているのですが、西洋圏で推挙するなら、間違いなく本書を挙げるでしょう。
これ迄或る程度の思想書を読んできて思うに、その思想の根幹には、その思想家の育った家庭環境・時代・取り巻く人々・学んだ知識などがあり、それら様々な要素が包含されて形成されるものであるということです。
また読み手としては読み手自身が悩みあぐねている事象に対して正鵠を射る思想を知る事で解決に及ぶという目的が果たせる訳です。本書は私にとってそれを得る事が出来たと感じています。