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リスキリングは経営課題~日本企業の「学びとキャリア」考~
著者 小林祐児
「リスキリング」とは、業務上の知識や技術を新しく獲得すること、そしてそれを企業が従業員に促進することである。しかし日本の社会人のほとんどは、学びへの意欲が極めて低い。統計的にも、大人が世界一学ばない国である。これは決して個人の「やる気」不足のせいではなく、日本企業の働き方やキャリアの「仕組み」に起因するのだ。調査データや学術知見を基に、日本企業がリスキリングを通じて生まれ変わる方法を提言する。
リスキリングは経営課題~日本企業の「学びとキャリア」考~
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リスキリングは経営課題 日本企業の「学びとキャリア」考
2023/05/05 18:48
空回りしてきた生涯学習、リカレント教育、リスキリングがそうならないために
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
国会でリスキリングが取り上げられ、育休中はさもヒマといわんばかりで議論されたのでイメージが良くない話しになっている。総理大臣の発言でもよくわからない。生涯学習や社会人教育、リカレント教育とどう違うのであろうか。衰退産業から成長産業に労働力を移行させるために、流動化させよ、雇用規制を緩和しろという議論があるが、それでリスキリングが進むのであろうか。雇用が流動的な非正規分野や長期雇用ではない中小企業で、生涯教育やリカレント教育が成功しているということは聞いたことがない。社員教育にお金をかけないという話はいやほど聞いてきた。なぜ、学校を出ると多くの人が勉強しなくなるのであろうか。高度成長期の労働者(事務系も現場も)は社会勉強と言って、仕事が終わってから飲み屋に行くことが多かった。昔から学校を卒業してから勉強する人は少なかった。そこにリスキリングと言われる。本書は、これらの疑問に次々と答えてくれる。目次を見ると、
まえがき
第1章 「リスキリング」の流行とその課題
(補論)「スキル明確化」という幻想 氾濫する「うまくやる力」はどこにいくのか
第2章 「学ばなさ」の根本を探る 「中動態的」キャリア論
第3章 「変わらなさ」の根本を探る 変化を抑制するメカニズム
第4章 リスキリングを支える「三つの学び」
第5章 「工場」から「創発」へ 日本はリスキリングをどう進めるべきか
第6章 「学びの共同体」の仕組み 企業を「キャリアの学校」にする
第7章 「学ぶ意思の発芽」の仕組み
終 章 これからの企業における「学び」の方向性
あとがき となる。
統計データを多くの場面で活用しているので、日本の従業員が世界的に学びの習慣がない、他人を信頼しない等々が出てくる。個人の問題でなく、日本の企業社会のあり方、ひいては社会のあり方を問う。世界的に企業の財務状況等を公開することが当たり前になっているが、人的資本についても開示していく方向にある。働き方改革というが、これらは世界的潮流を考えているわけではない。この本から、ジョブ型やメンバーシップ型にも考えを広げていくことができる。著者なりの解決策も出てくる。読んでほしい本である。
リスキリングは経営課題 日本企業の「学びとキャリア」考
2023/04/17 22:37
Re
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルを最初「リスキング」と読んでしまい、リスク関係かあるいはリスケ(リスケジューリング)かと思ったのですが、これはRe-Skilling。私は「学び直し」と理解しました。日本は「治安が最も良く、しかし最も他人を信用しない国」という分析は辛辣。
しかし、全般にどうも書き方や文章が理解しにくい印象が残りました。