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4件
つくられる子どもの性差~「女脳」「男脳」は存在しない~
著者 森口佑介
「女の子はおとなしくていいな~。男児はもう怪獣だから!」――親同士の会話でよく聞くフレーズである。大人は無意識に子どもの性格の原因を性別に求めるが、それは本当に正しい態度なのか。性差についての心理学・脳科学の膨大な先行研究をベースに、子どもの「好みの性差」「空間認知の性差」「言葉の性差」「学力の性差」「攻撃性の性差」「感情の性差」をデータで分析。「男女差の科学」で性差の謎を解く!
つくられる子どもの性差~「女脳」「男脳」は存在しない~
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2024/12/25 22:52
様々な性差分析の話を上げながら、性差はないと力説しています。
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
世間でよく言われる「男性と女性は脳の作りが違う」という言説について、著者が「そんなことはない」と結論付けている内容です。
当書では、実際に男女で違いが出るのでは?と実施された様々な分析・実験の内容とその結果を上げています。しかしながら、これらの分析・実験は男性脳・女性脳に違いがあるという結論に結び付けられるものではない、と著者は再三にわたって力説しています。色々と考えさせられる内容でした。
ぜひ多くの方々に読んでいただきたい1冊です。紙幅も薄くて短時間で読み切れますし、定価も新書にしては比較的安いです。
2025/03/28 23:08
思い込みを直すのは大変だろう
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
「男らしい」、「女らしい」と平気で言う人が今でもいるのは不思議だ。昭和の残像だろうか。生物学的に決まっているという意味不明のことを言う人がいる。差別を否定しながら、男女の違いを強調する人がいる。男女差があることを当然とする。具体的にどう違うのだろうか。まして、どこかの大統領のように、この世界には男と女しかいないという。大統領が決めることができるはずがないのに。わかっているようだが、無意識に縛られている人は多い。本書は性差について、どうちがうのかを分析しているが、生まれとして男女の性差は小さいことを明快に表している。社会が作り出してきた性差という部分が大きいことがわかってくる。それでも、考えを変えない人は多いかもしれない。本書の目次を見ると、
はじめに
第1章 脳と心に性差はある?
第2章 子どもの好みの性差
第3章 子どもの空間認知の性差
第4章 言葉の性差
第5章 攻撃性の性差
第6章 学力の性差
第7章 感情の性差
第8章 心の性差はつくられる?
第9章 子どもの未来のために
おわりに となっている。
以上のように展開されている。男女の性差について、よく出ているところを次々と取り上げる。空間認知や言葉、コミュニケーションという面、攻撃性、学力といったところで、詳細に解説されるが、男女差が出やすいところでも大したことがないというのがわかる。男女の差が生まれではなく、社会的に作られるというウェイトが大きいということがますますわかる。それでも理解することを拒否する人もいるだろう。男としての特権を手放したくない人やそれを認める人もいるだろう。個人差が大きいことを性別でまとめても、社会の発展にとってマイナスとしか言いようがない。多くの人に読んでもらいたい。
2025/01/14 09:11
性差を強調しすぎることを諫める本
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投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
学力、好みの色、性格などについて、よく言われる男の子と女の子のちがいを、脳のしくみや生物学・遺伝などが要因として説明されることを、いろいろな研究からは、あまり根拠がなく、性差はあってもわずかだし、個人間の違いのほうがより大きいと、静かに論じています。極端な主張などはなく、冷静に、安易な偏見を諫めるとともに、親や社会の思い込みが、男の子・女の子の傾向の違いを生んでいる可能性を強調しています。