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83件
ぶたぶた
ぶたのぬいぐるみが生命(いのち)を持ったら!? 見かけはかわいいぬいぐるみだが、中身は知恵も分別も人一倍ある中年男・山崎ぶたぶた。義母(?)の代理でカルチャースクールのエッセイ講座に通うことになったぶたぶたが、仲間の生徒たちの人生に温かな波紋を広げてゆく……。くすっと笑えて、静かな感動が残る――ご存じ超人気シリーズが登場!
湯治場のぶたぶた
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再びのぶたぶた
2009/12/19 10:32
ぶたぶたさん、お久しぶりっ! 相変わらずの癒やしパワー、なつかしかったっす。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
外見は、バレーボール大のぶたのぬいぐるみ。色は、桜色。黒ビーズの点目に、突き出た鼻、右の耳がそっくり返っている。かわいらしいことこの上もないんだけれど、声はおっさんで、性格は心優しき中年という取り合わせが絶妙なんだろうなあ。山崎ぶたぶたさんの一挙手一投足に目をまん丸くし、唖然とする人たちの様子を見ているだけで、癒やされるシリーズです。
最新刊の本書には、次の五つの書下ろし短篇が収められています。
小学校の先生になった男が、十年ぶりにぶたぶたと会う・・・・・・「再会の夏」。
ホラー作家が、ぶたぶたを主人公にしたホラー小説を書く・・・・・・「隣の女」。
ぶたぶたが警官として、立てこもり犯と接触する・・・・・・「次の日」。
ぶたぶたの、小学校一年生の下の娘が活躍する・・・・・・「小さなストーカー」。
おばあちゃんとぶたぶたとの一週間の同居生活を描いた・・・・・・「桜色七日」。
なかでも、おばあちゃんが作る玉子チャーハンが美味しそうで、ぶたぶたさんと一緒に食べたくなった「桜色七日」。ホラー短篇の作中作に、中島らもの逸品というべき「耳飢え」(『人体模型の夜』所収)を思い出した「隣の女」。この二篇が、特に面白かったですね。
久しぶりに本文庫で、山崎ぶたぶたさんが周りの人たちを癒やす話を読みながら、彼のモデルになったろう、桜色のぶたのぬいぐるみを思い浮かべました。それは、とあるオフ会で、作者の矢崎在美(やざき ありみ)さんを囲んでの話に花が咲いたときのこと。椅子にちんまりと腰掛けて、鼻をもくもく動かしていた(ような、あれは気のせい?)ぶたぶたさんの、いや、かわいかったこと! 今でも忘れられません。
訪問者ぶたぶた
2008/12/20 17:15
ぶたぶたさんが訪ねてきたら
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年もぶたぶたさんに会えました!
うれしいな~。
なんと本書で10作目で、10年目だそうです。
今回のぶたぶたさんは、短編集の形をとっており
さまざまな職業に扮するという、
ぶたぶたさんファンには昔ながらの話。
でも、それが読みたい!のです。
今回のぶたぶたさんは、神様になったり
(勘違いだけれど。「神様が来た!」)
小学校教師になったり(「気まずい時間」)
お菓子メーカーの営業マンになったり(「冬の庭園」)と大活躍。
なかでも「伝説のホスト」と目次で読み、期待が膨らみます。
ぶたぶたさんがホストだったら、一晩で1億使ってもいい。
(そんなお金、ないけど)
でもねー、「伝説」だけで、ホストとしてのエピソードが少ない。
具体的な話がない。
消化不良なので、矢崎存美にはちゃんと書くようにお願いしたい。
修羅場を一人で乗り切らなければならない漫画家を描く
「ふたりの夜」は王道のぶたぶたさん逸話。
癒されるね、ぶたぶたさん。
ワンパターンでもいいから、こういう話が1年に1度、読みたい。
ぶたぶた日記
2006/09/24 15:53
文才もあるぶたぶたさん
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
カルチャーセンターの「日記エッセイを書こう」という講座に、義母の代わりに出席することになったぶたぶたさん。
講師は磯貝ひさみつ。そこそこ売れている作家。集まった生徒は6人。
毎回、課題のエッセイを提出して、みんなで講評しあう形式です。
ぶたぶたさんって見た目もかわいいし、料理は得意で、美味しいもの好きで安くて美味しいお店も知っているし、お酒もイケルし、気を使うけれど相手に気を使わせないし、誰とでも仲良くできるし、頼りになるし。
ぶたぶたさんがそばにいてくれたら。
と本を読むたびに思います。
けれど、ぶたぶたさんになりたいとは思わない。
なぜだろう。かわいくて人気者で、料理が得意。いいじゃない。
そう。でも辛いこともあるんだよね。なんてったって、ぬいぐるみなんだから。そんなことが出てくる本書は、ちょっと切ない。でももっとぶたぶたさんが好きになりました。
第一回「突然の申し出」
初めてカルチャーセンターの講師を勤めることになった磯貝ひさみつは、緊張して不安だらけ。一回目から課題提出は厳しかっただろうか、と思っていたら優秀なエッセイがある。教室で尋ねると、ぶたのぬいぐるみから声が。
第二回「二番目にいやなこと」
OLの江本佳乃は二回目にしてエッセイ教室が重荷になってきた。課題が書けないのである。しかも会社では、嫌味なセクハラ課長と遠慮のない後輩OLに、思い出し笑いをからかわれて、早退してしまった。
第三回「不器用なスパイ」
高校中退をした千奈美はすべてがめんどくさく眠くて仕方がない。ちょっと「文章がうまくなりたい」と言ったために、親が勝手にカルチャーセンターのエッセイ教室に申し込んでしまいおもしろくない。そんな時、スーパーでぶたのぬいぐるみを見かける。
第四回「もっと大きくなりたい」
主婦の松浦潤子は、書くことでストレス解消をしてきた。エッセイ講座にいくつも通っていたが、ふと小説を書いてみようか、と思ったがために、エッセイまで書けなくなってしまった。ぶたぶたさんに相談してみようと待ち合わせをすると、娘さんを連れたぶたぶたさんと磯貝が現れた。さらに出版社の人まで。
第五回「紅茶好きの苦悩」
定年退職した児玉修は、エッセイ講座に通い始めた。「ぬいぐるみがエッセイ講座にいた」と言うのをまったく家族が信じてくれない。あまり気にも留めず、ぶたぶたさんをはじめ、講師の磯貝、OLの江本佳乃がパソコンを買う手伝いをしてくれるというので、潤子と二人、パソコンを買う。
この章でぶたぶたさんのエッセイに大阪の紅茶専門店が出てくるのですが、ここは私も好き。オーナーがスイーツを「紅茶のあて」とおっしゃる、気取らない、でも素敵なお店です。
ぶたぶたさんは家では紅茶担当で、奥さんがコーヒー担当なのだそうです。
第六回「今までで一番怖かったこと」
サラリーマンの日比谷正明はとうとうリストラリストに入れられてしまった。閑職においやられ、午後は自由行動が認められる。それはつまり、再就職活動をしてもいい、ということなのだ。しかし彼は「小説家に転職しようか」などと思い、エッセイ講座に申し込んでしまうほど、現実逃避をしている。

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